紙の本
我もなりたや!ライターズ・ハイ!
2011/10/27 14:09
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:辰巳屋カルダモン - この投稿者のレビュー一覧を見る
メール、ブログ、ツイッター、そして、この書評も。
今、身の回りには「デジタル化された文章」があふれている。
文章力アップのためには、手書き時代とは別次元の取り組みが求められるようになった。
そんな「今」にぴったりの文章術の本だ。
タイトルから、検索、コピペ推奨の文章術かと思われるかもしれない。だが、内容はまったく逆。
デジタルの利便性とスピード感を肯定しながらも、著者はかなり厳しい見方をしている。
「コピペを繰り返すたびに、自分の文章力は衰えていく」
「ランキングや検索の便利さを振り切って、一歩を踏み出してみる。書き手には、その勇気が必要」
著者はわざとネット接続していない古いパソコンを「書く」専用機に使っているそうだ。
「ライターズ・ハイ」のエピソードに心躍った!
長距離ランナーが苦しいのを我慢して走り続けると、かえって気分が高揚して調子が上がる「ランナーズ・ハイ」。
それと同じ現象が文章を書く状態でも起きるという。
寝食を忘れて書くことに没頭し、しかも内容も伴った文章が書けるそうだ。(その後はぱったり続かないそうだが)
「一度でもこの状態を経験すると、絶対に、書くことをやめられなくなります。保証します」
気分がのらなくても、少しずつでも、とにかく毎日「書き続けること」、そして書き続けるためには「体調を万全に整えておくこと」。この2点がポイントだという。
二日酔いや寝不足の頭には、ライターズ・ハイの女神は舞い降りないのだ!こころ、せねば。
もちろん、文章力そのものをみがくための指南も、ツボを押さえたラインナップ。
著者自身、新旧相当量の類似本を読み込んだ上で、書かれているのではないか。
名文として引用している、作品や文章も使い古されたものではなく新鮮な印象を持った。
自慢も、出し惜しみもない、真摯な文章術の本である。
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・力のある文章は、自分というカメラの位置が明確
・文章力の磨き方。毎日、感情が動いたことについて、文章の形で、伝える相手を意識して、日記を書く。
・書くという行為は、心の引っ掛かりを言葉に仕上げること
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書くことについて僕なりに考えたり思ったりしていたことがわかりやすくまとめられていた印象があった。自分の価値観・考え方と近い内容が書かれている本は共感しやすく、したがって評価も高くなる。
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文章術の本。あまり文章術は読まないが最近必要にかられたので色々と読むことにした。「人の心を打つ」文書の書き方であるので趣旨がずれる部分はあったものの、いくつか参考になるノウハウが得られた。
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文章を書くにはどうしたらいいか、その心構えとテクニックを著者なりにまとめている。
タイトルは、その一節からとっているが、一部の話なので、ちょっと内容全体と結びつかない気もする。
特に前半がおもしろかった。
後半のデジタルの話は個人的にはちょっと違う気もする。
以下は読書メモ:
(メモは文章で書けというのからするとダメだな)
1章
文章の本質はウソ 演出
書く前にカメラの位置を決める 人と違う視線、切り口から見る
2章
接続詞は外す
自分の文章のリズム
余談だが ちなみに で始まる段落は削る
3章
風景描写は時間や視覚の変化を取り入れる。
創作文は説明的にならずに読み手の想像力を刺激する。
自分の頭で考えて紋切り型の思考パターンを排する。
4章
ライターズハイ
文章がうまくなるには、日記やメモでも、単語ではなく文章で書くこと、事実を並べるだけでなく感情が動いたことを書く。
5章
キュレーション
電子書籍 言葉がフローになる
6章
書くとは考えること。
書くとは心の動きに引っかかったピースを言葉にする行為。
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アクション書評
読み手を意識して書く。
自分のカメラ位置を決める。
形容詞に頼らない。
感情が動いた日常の出来事を短い文で書き留める。
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ノンフィクション作家(芥川賞)による文章術。
文章がうまくなるには習慣にするのがよいとか。
そして、1行目から書こうとすると詰まるから、思いつくことから書けばいい。だってPCなら編集も一瞬だから。
また、文章によって求められるものが違い、ブログ・レシピ・インタビュー記事では当然前提から違うのだ。
文章力が問われるのは、風景描写など写実的な表現。
やはり語彙が豊富であるほど、多くの人に訴える文章になるようだ。
さらに、現在では文章を作るときに検索・コピペは悪ではない、という主張も新鮮だった。書くために必要な情報をキュレーションすることも必要なスキルなんだな。
あー、論文書きたくない。
けど書かなくちゃ。
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どうすれば、いい文章が書けるか?
ひとつにまとめるならば、それは、日々の心の動きをないがしろにせず、自分の内面を目にとめて、それをことばとして残しておく。
①書く前に視点を決める。
②読みてを特定の一人に絞って書く。
③形容詞の使い方を意識する。
④自分の文章のリズムを知る。
⑤削ることが、重要。
⑥文章は、真似ることから始まる。
⑦毎日文章を書くこと。
⑧ある特定の時間、没頭する時期が、必要。
書評で、いい評価であったので、購入。
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自分の文章がうまくなるためのヒントやテクニックを探せそうな気がして本書を手に取りました。
さっとまとめようと、気になるポイントをチェックしたら、こんなにたくさんになってしまいました。副題にもあるように、現在の検索・コピペ時代に対応した文章術ということで、非常に幅広い記述がされていたと思います。
作家としての危機感もよくあらわれていると感じます。
<この本から得られた気づきとアクション>
こんなにたくさんのアクションはできませんが。。。
・視点のあいまいな文章に、人を動かす説得力はない。力のある文章とは、自分のカメラの位置を明確に意識したものである。
・多くの人が一方向を向いている現象があれば、違う切り口を探る絶好のチャンス。
・説得力のある文章を書くためには、読み手の想定が大切。特定の1人に絞る。
・自分1人の主観ではなく、多くの人と共有できる客観的な物差しを使う。
・ボキャブラリーの量によって表現の質が制限されることはない。単純・明解な表現が文章の力強さを生み出すこともある。
・書き始めの壁を克服するには、途中で止めて翌日に残す。
・文章に最初から順番通りに書くルールはない。
・「箱書き」(あるテーマに沿って思いついたことを書き、関連性のあるものをまとめていく)を使う。
・順接の接続詞を省くと、文章がシャープになるときがある。必要に思える逆接の接続詞も一度抜いて、読み直してみる。
・言葉は時代とともに変化する。
・リズムは文章を読み手にきちんと届ける重要な要素。最も影響を与えるのはセンテンスの長さ。次は読点(、)。どれが自分にとって心地よいかが大事。
・同じ文章のなかで繰り返し使うと、リズムが単調になる。とくに語尾に注意。
・書けない漢字が増えてきたと感じるのは、漢字を忘れたことに加え、簡単に漢字にできるようになったから。基本的にはひらがな中心で、漢字がぽつりぽつりとまじるバランスが理想的。
・よく使う言葉は、あらかじめ表記を決めておくことも大切。
・短い文章ほど自分の文章力が試される。
・文章力とは、書く力と同じくらい削る力が重要
・「余談だが」「ちなみに」「閑話休題」などのフレーズで始まる段落は丸ごと削っても大丈夫。
・要素を絞って深堀し、シンプルな構成でまとめたほうが、いいたいことがしっかり伝わる。
・見たままを説明的に描くだけの描写は退屈な印象を与える。時間の経過や動きを同時に描き、空気感も一緒に伝える。
・ジャンルを問わず、説明が過剰な文章は読み手が解釈する自由度が少なく、窮屈さを感じさせる。
・読んでいる途中に著者の顔がチラつき始めたということは作品に魅力がないことの裏返し。
・相手から適切な答を引き出すには、最後に「?」をつけた形で聞く。5W1Hの形で質問が具体的になっていれば理想
・正論だからといって説得力があるわけではない。むしろ正論を振りかざした文章からは、中身の薄さや底の浅さを感じることが多い。それは自分の言葉で文章を綴っていないから。
・文章は真似から始��る。
・文章力を磨くには毎日書くこと。毎日1,2行の手書きでもいい。
・文章が心を打つのは、誰かに向かって書かれたものだから。読み手を想定しない文章は、相手の心を動かせない。
・的確に伝わる文章を書くには、常識・思い込みを捨てること。
・文章は永遠に完成しない。文章は生き物だから。時間とともに変化する
・締め切りの2日前に書き上げ、寝かせておき、期限の直前にもう一度だけ見直す。
・電子書籍は大きな海、遠浅の海。紙の書籍は1本の井戸。うまく使い分ければ理想。
・電子書籍を読むということは、思考がどこへでも自由に飛べる。同時に考えが散漫になる。
・文章を書くときは、未来の誰かに読んでもらいたいと書く。読み手は作家が残した過去を読む。ツイッターは「今」しかない。描かれた途端に消えていく。
・短文志向は、デジタル全般に見られる傾向。長い文章を読んだり描いたりする力が弱くなっている。思考力の問題。
・コピペを繰り返すたびに、自分の文章力は衰えていく。
・ランキングに頼ると、オリジナルな感覚が弱り、没個性的になる。直観力が衰える
・キュレーション(高い専門知識をもって、膨大な資料を整理し、展示すること)は、付加価値の高いコピペといってもよい。
・古典をリユース・リサイクルしたものが売れるのは、今の時代を生きる書き手の力が衰えていることの裏返し
・ネットが普及するにつれ、反応が短絡的になっている。
・デジタル化時代になって思考が水平的になり、文脈を読まない、読めない人が増えてきたであろう。
・デジタル化時代になってから、新しい言葉を自分の中に取り込み、自分のものとして使いこなす力は全般的に衰えている。ネット辞書機能も一因
・現代では意味があいまいで、雰囲気だけで使われる用語が次々と生み出され。社会に定着する前に消える。言葉が「フロー」になっている。
・文章をつむごうとするときには、考える材料としてさまざまなものを読んだり見聞きしたり体験したりすることで、言葉を自分のなかで消化し熟成させていく必要がある。それが文章を書くときの基本であり、これまでのやり方。しかし、多数の無機質な情報がデジタル空間に漂ういまの時代に、通じるか?
・書くということは同時に考えること
・「これは無駄」「役に立たない」と切り捨てていては、実は表現の幅や深みを失う。
・数字や統計は客観的なものなので、文章に入れ込むほど主張の正確さが裏付けられると考え、データを並べるのは逆効果。アンケートや統計などの数値というのは、主観的なもの。
・最もいいのは、数字を使わずに人を説得できる文章を書くこと
・資料は資料にすぎない。たくさん集めても使いこなせなければ意味はない
・資料として使う本は、最初に読んで貼った付箋の部分だけを二度読み。そこで必要のないものは外す。
・文章の統合力というのは、トランプの神経衰弱に似ている。
・「伝わる」文章を書くことの秘訣を1つにまとめると、日々の心の動きをないがしろにせず、自分の内面に目をとめて、それを言葉として残す以外にない。これが文章術の王道
<目次>
第1章 あなたは9歳の作文力を忘��ている
文章の本質は「ウソ」である/プロはこうやって文章力を鍛える/小説とノンフィクションの違いとは/
ボキャブラリーは本当に必要か/自分にしかわからない感覚を文にするetc
第2章 プロ作家の文章テクニック
すべてを書いてしまわず、次の日に繰り越す/鬱、薔薇……難しい漢字は記号にすぎない/
短い文章には「メイン料理」だけを選ぶ/「余談だが」「ちなみに」には手を出すな/ヒッチコックはこうしてアイデアを捨てたetc
第3章 名文の条件とは何か
名文かどうかは、風景描写でわかる/著者の顔が見える作品は、つまりはダメな作品/
つくり話こそ、小道具が必要/文章は、真似から始まる/個性の正体とは何かetc
第4章 日常生活で文章力を磨く
ワープロか、それとも手書きか/朝には朝の、夜には夜の誘惑が/1、2行の日記でも文章はうまくなる/
メモにも必ず、年月日を記入する/料理のレシピの難しさとはetc
第5章 検索、コピペ時代の文章術
コピー&ペーストが文章を殺す/ランキング思考で直観力が衰える/キュレーションとは何だろう/
ネット辞書との付き合い方を考える/縮小のスパイラルの末、誰が残るかetc
第6章 書くために「考える」ということ
数字のウソに気をつけろ/その図は文章にできますか/記事に主張が盛り込まれているか/
書きたいテーマが見つからない/心に引っかかったピースをすくいあげるetc
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芥川賞作家の文章論。フレームワークのようなものではないけれど、文章を書く上で大事なことが書かれている。著者近影の写真で、著者がオジサマであることを初めて知りました。てっきり、女性かと。。。
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とても読みやすい文体です。
文章の書き方・・・という本・・・ですかね、やっぱり。
むしろ、モノの考え方・・・の本かもしれません。
著者の思考がすっきりまとまっているため、文章の書き方の説明の中に、筆者のモノの考え方がすっぽりと入っていてそれが伝わっているのかもしれません。
念のためですが、「簡単な文章の書き方」ではありません。「ちゃんと苦労して書きなさい」というスタンスです、どちらかと言えば。
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芥川賞受賞作家が文章について考えた本を出したら?
それは勿論良著になるでしょう。
文章の勉強をしたかった自分が最初に手に取った本。
『主語と述語を入れ替える』『文は一行目から書かなくて良い』等の実践的な内容から、
文章や書籍の在り方やこれからまで勉強本としても読み物としても最後まで楽しめる一冊となってます。
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珍しく小説以外を読む。ブックオフでタイトル買いしてしまった。
毎日何らかの文章を書いている。
社外相手、社内相手、プレスリリースだったり、メール、手紙だったり…
書き出しを考えると、筆は進まないけれど、書きたいことはある。
そんなときは書きたいことから書いてみればいい。
文章は数を書かなきゃうまくなれない。
日々鍛錬!
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企画する行為から離れない。仕事に行き詰まったら別の企画に取り組んでみる。
「伝わる」文章を書くことの秘訣を一つにまとめるとするのなら、それは日々の心の動きをないがしろにせず、自分の内面に目を止めて、それを言葉として書き残しておく以外にない
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本屋で立ち読みしていたときに目次の「カリブの海賊には後ろを向いて乗れ」が気になって思わず買ってしまった。
これを読んだからといってすぐに文章が上手くなるというものではないが、「こういう考え方もできるのか。これから気をつけてみよう」と気づきがある本。
私自身本当に文章を書くのがが苦手で、ブクログのレビューも自分の言いたいことなんて1割も書けていないじゃないかとか、他のユーザーさんのレビューは何て分かりやすいんだとか落ち込むけど、とにかく「書き続けること」が重要なんだと分かった。
これからも沢山本を読んで、色んなことを考えて、文章力も磨いていけたらいいな。