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世界の小国 ミニ国家の生き残り戦略
著者 田中義晧
ツバルのドメイン名ビジネス、バハマのオフショア金融センター、ルクセンブルクの欧州外交戦略……。大国ではありえない個性的でしたたかな国家運営をする小さな国々。最高の政治的贅...
世界の小国 ミニ国家の生き残り戦略
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世界の小国 ミニ国家の生き残り戦略 (講談社選書メチエ)
商品説明
ツバルのドメイン名ビジネス、バハマのオフショア金融センター、ルクセンブルクの欧州外交戦略……。大国ではありえない個性的でしたたかな国家運営をする小さな国々。最高の政治的贅沢か、それとも国際社会のお荷物なのか? 世界の国家数の2割強を占め、今後も増え続けるであろう小国の魅力と、小ささゆえの有利性と不利性を国際関係論のエキスパートが論考する。(講談社選書メチエ)
目次
- はじめに──新たな国際的プレーヤー
- 第1章 ツバルという国
- 第2章 小国の系譜
- 第3章 小国の誕生
- 第4章 国際政治のキャスティング・ボート
- 第5章 グローバリゼーションという逆説
- 第6章 太平洋島嶼国をめぐる国際政治
- 第7章 カリブ海と太平洋の小島嶼経済
- 第8章 欧州の伝統的小国家群
- 第9章 アラブの小さな首長国
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紙の本
小国に学ぶことはできない
2007/10/02 10:09
5人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:FAT - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者が本書を記した意図が、現代の日本政治・社会の有り様について、小国から学ぶこともあるはずだというものであるならば、その意図が成功しているとは言えない。
本書を通じて明らかになる、いわゆる「マイクロ国家」の実態の有り様からすれば、結局、マイクロ国家は、現実の国際政治社会において、実質的な存在としては存立できはしないということではないか。
要すれば、資源収入に頼った権威主義的国家運営を行うか、「炭坑のカナリア」を装って機会主義的行動を取るか、「国家主権」のベールを利用して制度の隙間をついたレント・シーキングを行うかという、有り様しかないということだ。
結局、世界全体の経済厚生をプラスする、プラス・サムの活動はできす、国際レントをどうにかして獲得するという行動しかとれていないということであろう。
まさに、その行動原理は、国際経済学における「小国の仮定」そのものだ。
少なくとも世界経済・人口に占める割合が有意である日本の国際政治社会における行動の指針においては、この「小国の仮定」はふさわしくないというよりも、現実的適応可能性を持っていない。
このような意味で、本書で展開される「マイクロ国家の有り様」は、国際社会を知る上で非常に示唆に富むものではあるが、現代日本の国論に及ぼす影響は極めて限定されている。いや、基本的に参考にはすべきでないと思われる。