- 販売開始日: 2015/08/07
- 出版社: 新潮社
- ISBN:978-4-10-333522-1
影媛
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商品説明
物部家の巫・影媛は、神の声を聴くため翠鳥となって森を飛び回るうち、鹿狩りに熱狂する平群家の臣・志毘に出会い、恋に落ちる。しかし両家は対立する間柄、そして彼女はすでに皇太子に求婚されている身だった。特異な想像力と類まれな言語能力で描き切った、鮮烈な愛の物語。新潮新人賞最年少受賞の新鋭による待望の第二作。
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古代の靄靄
2015/09/11 23:37
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投稿者:さぼってん - この投稿者のレビュー一覧を見る
第152回芥川賞候補作品。
太子は、聖徳太子ではありません。『日本書紀』巻16の武烈天皇、もしくは『古事記』下巻の顕宗天皇と言われています。地の文が現代文、会話が古文と使い分けられていて、研究者をもってしても、難解と扱われているようです。
その難解さの靄が全体を古代色に覆っていて、まか不思議な幻想をもたらしています。ちょっとつじつまがぁと思ったのが、太子(ひつぎのみこ)が10歳なのに、志毘(影媛のお相手)が歌垣で太子をやりこめる箇所。押し通したのでしょうか…。
ついつい著者が京大医学部の学生ということが、頭を過ぎります。「これは絶対外科だな」と思わせる描写が鹿の解体の部分。並々ならぬ関心の高さを感じます。
志毘の描写、影姫の描写はなかなか興味深いものがありました。影媛の同母妹(いろも)もかなり個性的でした。で、この同母妹、もっともっと書き込んで欲しかったと思います。
全体的にむずかしい漢字が使われていて、かなり読みにくいのですが、これは編集者の方で何とかして欲しかったです。次回作はどんな分野から?という期待大。