紙の本
ポエムですね
2014/07/10 13:15
3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:papanpa - この投稿者のレビュー一覧を見る
推理小説ではありません、ご注意ください。ポエムです。だから細かいこと突っ込んじゃダメです。雰囲気をご堪能ください。それでも翼ある闇よりマシです。本当は星2つ
紙の本
幻想推理小説。
2002/07/26 19:29
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:凛珠 - この投稿者のレビュー一覧を見る
「鴉が襲ってきた。無数の鴉が。一日の使命を終え、燃え尽きるような夕陽。田舎町の南西の山間に吸い込まれていく、そんな時だった。たなびく茜色の放射雲を覆い隠し、彼方から突如として闇を形作った鴉の群れ」
──冒頭からして幻想的な味わい。鼻につく部分が無くも無いが、作品世界に惹き込まれる。閉鎖された村に入り込んだ主人公を襲った鴉の群れ。それが妄想のような世界の始まりだった。登場人物の名前が変わっている理由も、物語の後半になれば分かる。推理小説ではあるのだろうが、幻想小説の趣が強い。この手の作品は訳が分からなくなったりするのだが、雰囲気は嫌いではない。
メルカトルシリーズのうちの一編らしいが、私はこのシリーズを本書で初めて読んだ。機会があれば第一作から読んでみようと思う。
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ノンシリーズなのかなぁ。
続き物ではないけれどメルカトルが出てます。
閉ざされた村とか妖しい神さまとか、そんなイメージ。
いつもどおり結末には驚かされます。
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物凄い爽快感や満足感を期待してた後に残された気持ち悪さ。それを期待してしまうあたりが既に麻耶氏に毒されています。絶版になっている為、手に入れるのが大変でした。
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舞台設定がおどろおどろしくてかなり好みです。
村で弟の行方を調べているうちに殺人事件がおきて、よそ者である主人公に疑いがかかります。
自分にかかった疑いを晴らすために真相をつきとめますが、そこには驚きの結末。
一番の謎はメルカトルです。
1998本格ミステリベスト10
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地図にない集落、そこにある言い伝えと宗教、そこでおこる殺人事件。
ふざけてるのかと思う主人公の名前とその集落の存在は謎解きされて思わず唸ってしまう。そしてメルカトルの行動。色々と考えると楽しい余韻を残してくれるミステリーです。
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えーっと?どこまでが『現在』でどこまでが『過去』で、誰が生きてて誰が死んでて、どれが『現実』でどれが『妄想』…?
読み応えはあったけど、面白かったけど…未だに話を筋を把握できてないのですが。
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地図にない村、埜土(のど)。弟襾鈴の謎の失踪を追って、村に辿り着いた兄珂允。そこは大鏡様という謎の神が支配する閉鎖的な空間。そして、起こる連続殺人・・・。
麻耶雄嵩の第5長編はこの幻想的空間で兄弟の秘密、連続殺人の謎、そして村を支配する大鏡様の正体が徐々に明かされていく麻耶ミステリーのひとつの到達点だ。
謎に挑むのはもちろん銘探偵メルカトル鮎。注目すべきは奇人変人の彼のベールに隠された過去も明らかになるという点だ。もちろん、相変わらず如月烏有や美袋三条のように本作で語り部となる珂允が本作では彼らの代わりといわんばかりに振り回されていく様も読みどころの一つである。
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メルカトル格好いいよメルカトル。
読了してみればまあ、それくらいの感想しかないです。
ただリーダビリティは凄い。かなりしっかりした日本語の文体だしね。
弟の死の真相を探るため、閉じられた村に潜入した珂允。
弟はこの村の何かに巻き込まれて死んだのか、調べている途中で、弟と対立していた男が何者かによって他殺される。
<大鏡>と呼ばれる教祖が絶対的支配力を持つ村。
金を創ることで大鏡に反抗していた野長瀬の死や、事件を調べていた子供の死などの要素をくわえ、事件は加速していく。
外から来た者として疑いを受けながらも、珂允は潔白を証明し真相を突き止めるべく動き出す。
設定は物凄くよくできてます。
カインとアベルという名前には最初から失笑しましたけど。
いうならば黒祠の島+鉄鼠の檻、といったところですか。犯人云々は自明の簡単な問題として、真相のもう一段階裏側、に行ったところがこの小説のキモ(というかトリック)なんでしょうが、何だかなあ。
驚くというより、急に放り出されたような読後感で、理解はしたものの腑に落ちないというのが正直な感想。
最後でもうちょっと丁寧な説明があれば、作品としての評価もぐっと上がったと思うんだけどな。
これじゃ珂允ただのキ○ガイじゃねーか。
宗教システムと共同体の問題については非常に興味深く読みました。教祖というシステム。
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えっと麻耶 雄嵩 さんの本を読むのは『翼ある闇』『夏と冬のソナタ』と三冊目ですね。
独特のかき回しとかで、あぁ麻耶 雄嵩と思いつつも、先を読み進めていくと終盤には麻耶 雄嵩らしさが全開と。
毎回思うことながらすごいなと思います。
ここまで読者をだますとは。
「意外すぎて意外じゃない」というのが感想。
今度はどんなかんじでけりをつけるんだろうと楽しみながら読めましたね。
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メルカルト鮎に見事に置いてきぼりにされた。
この一作の中で一体何回裏切られたのか分からないくらいだ。ビックリしたー
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殺された弟・襾鈴(アベル)が死の一年前から半年間滞在していた埜戸の村へやってきた珂允(カイン)。
ここは地図にも載っていない村。外から来た人間は「外人」と呼ばれ、大鏡様という現人神が支配する隔絶された村だった。
どうやら弟は大鏡様に仕える近衛となっていたらしいのだが、排他的は村人たちの中では思うように捜査が進展しない。
そんな中、村で殺人事件が発生する。
「殺人を犯すと右手に痣が浮かび上がる」という罰を大鏡様から受けるため、殺人を犯すものは村人にはいないという。
犯人にされそうな珂允の前に現れたのは。。。
でました、メル!この作品にも登場でしたか!
相変わらずの「絶対」ぶりになんだか安心してしまいました。
この作品は麻耶作品のなかでもわかりやすいほうかなぁ。
村が隔絶されていた理由も納得できますし。ああ、うまいなぁ~。
でも人によってはこの不条理は納得できないかも。。。まさに麻耶ワールド。
<<以下、激しくネタバレです!>>
麻耶さんということで、はじめから身構えて読みました(笑)。
それでもひっかかってしまったという。。。ほんと、叙述が巧いですね!
はじめに櫻花と橘花を女性と思ったのはこちらの勘違いですが(笑)、この組み合わせについての叙述。ちょっと怪しいとは思ったんだけど、やられたわ!
う~ん、松虫さんのその後も気になるわ~。メルはきちんと助けてくれているのかしら?
そしてメルの生い立ちってそうなの!?なによりそれが一番気になりました。
でもまあ、麻耶さんのことだからこの作品のみで他には関係ないんだろうけどね。
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絶対神“大鏡様”が統治する、周囲から閉ざされた村。地図にも載っていないその村に、弟の死因を探しにやってきた兄・珂允。
立て続けに起こる殺人事件、珂允に向けられた疑いの目、謎を探る少年たち。
………こんなこと書いてたって、最終的にメルカトルが全部持っていきます。さすがメル。メルかっこいいよメル。
読み終わった直後は「?」って感じだったけど、メルの言葉の意味が物語と繋がると「うああああああ!!!」ってなった。
全く麻耶氏は謎解きの解答に含みを持たせますね!それ思ったら御手洗さんとかは隅から隅まで教えてくれるから優しい…。
ただ私は麻耶氏の小説のこのどうしようもなく絶望の淵に置き去りにされる感じが好きなんだなあ。Mなのか。
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最後のメルカトルによる解明が一度で理解できませんでした。
宗教や共同体なんかの説明が事件のヒントともなっていたのだと気づきましたが、そのへんを軽く読み飛ばしていたのを反省。もう一度読む気になれませんでしたが。
カインとアベル、隔絶された異様な村、と独特の雰囲気はおもしろかったです。
この村の特性については納得しかねるものの、物語としては楽しめました。
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私の最も好きな作品。クローズドサークルでの殺人事件は密室だけではない。神秘性のある宗教的束縛によって作り出されるものは、格別の味わいがある。いろいろ突っ込みたいところもあるが気にしたら負け