読割 50
電子書籍
短編小説のレシピ
著者 阿刀田 高
800編もの短編小説を生み出してきたマエストロがみずから解説・案内する、短編小説の醍醐味。短いだけに、あらゆる技法を駆使した作品は、おもしろさも多彩。小説創りの源泉と技を...
短編小説のレシピ
ワンステップ購入とは ワンステップ購入とは
短編小説のレシピ (集英社新書)
商品説明
800編もの短編小説を生み出してきたマエストロがみずから解説・案内する、短編小説の醍醐味。短いだけに、あらゆる技法を駆使した作品は、おもしろさも多彩。小説創りの源泉と技をも教えてくれる。向田邦子、芥川龍之介、松本清張、中島敦、新田次郎、志賀直哉、夏目漱石、ロアルド・ダール、エドガー・アラン・ポーなど10人の作家の、名作やユニークな作品を具体例として選んで特徴を解説し、短編の構造と技法に迫る。短編小説をより楽しく読むためにも、また書くためにも役立つヒントが満載。
目次
- 第一章…短編小説はおいしいぞ/第二章…向田邦子〈鮒ふな〉/第三章…芥川龍之介〈トロッコ〉〈さまよえる猶太ユダヤ人びと〉/第四章…松本清張〈黒地の絵〉/第五章…中島敦〈文も字じ禍か〉〈狐きつね憑つき〉/第六章…新田次郎〈寒さむ戸との婆ばあ〉/第七章…志賀直哉〈赤あか西にし蠣かき太た〉/第八章…R・ダール〈天国への登り道〉/第九章…E・A・ポー〈メエルシュトレエムの底へ〉/第十章…夏目漱石〈夢十夜〉/第十一章…阿刀田高〈隣の女〉/エピローグ/引用文献・主な参考文献一覧
あわせて読みたい本
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
この著者・アーティストの他の商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
小分け商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
この商品の他ラインナップ
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
紙の本
サービスランチとして食べてみました。
2003/04/04 16:04
3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:栗山光司 - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は2002年1月から6月までの朝日カルチャーセンター新宿での講義を中心にまとめたものである。
それにしても、集英社新書の書名は私のアンテナを反応さす。既刊の新書ラインアップのタイトルだけでも結構、楽しむ事が出来る。
『短編小説のレシピ』も、そのタイトルで私の眼に留まったのです。
出版社においてタイトルはどの程度、重要視されているのであろうか。
草思社等は販促としてタイトルを考え抜いているのが判るが…。
短編小説もそれに似た引きのスキルが要求されるのであろうか。
料理人の手際良さに模して短編小説を語る事は素人でも一品料理に挑戦して見ようかなという気にさせる。
俳句や短歌人口は多く、作句に精出すエネルギーは恐るべきであるが、殆ど他人の句を鑑賞することに関しては冷淡である。自己語りに集中する。
又は花鳥風月の記念写真である。
どうも、短くとも小説であってみれば、読み手を意識せざるを得ないであろう。
永遠を語る文学は無意識に向かって自己を語り、そんな料理人のサービス精神とは位相が違うとお叱りを受けそうな気がするが、ここで、書かれているのはエンターテイメントに重心を置いた短編小説論である。
あくまで、食卓(書卓)を囲んだ食べる人(読者)に喜んでもらえる料理(小説)の秘伝をレシピとして、作者も一緒に楽しみながら、書いた本である。
実践編では[向田邦子][芥川龍之介][松本清張][中島敦][新田次郎][志賀直哉][R・ダール][E・A・ポー][夏目漱石]、そして、これらの「書く鉄人」に伍してトリをつとめるのが、[阿刀田高]本人である。
遊び心に溢れており、作品の粗筋紹介も結構、丁寧にやっているが、新書の小冊子ではもったいない気がした。
もっと、作品批評をしても良いのではないかと思ったが、あくまで、鉄人の技の紹介に重点を置いたものであるので、気軽に提供されたサービスランチと観念すれば、納得出来る。
700円はまさに値ごろであろう。ただ、食後のコーヒーは自前で調達して、じっくりと、原作を読むしかないだろう。原作へと誘う目録でもある。