読割 50
電子書籍
仮想空間計画
著者 ジェイムズ・P・ホーガン , 大島豊
病院のベッドで科学者ジョー・コリガンは記憶を失い目を覚ます。もはや以前の自分ではない。かつて、オズ計画と呼ばれた極秘プロジェクトの立案者として、現実世界に限りなく近いヴァ...
仮想空間計画
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仮想空間計画 (創元SF文庫)
商品説明
病院のベッドで科学者ジョー・コリガンは記憶を失い目を覚ます。もはや以前の自分ではない。かつて、オズ計画と呼ばれた極秘プロジェクトの立案者として、現実世界に限りなく近いヴァーチャル・リアリティの開発に従事してきた。そのテスト段階で自ら被験者となり、仮想世界と神経接合する。記憶はそこで途絶えた。計画はずっと昔に放棄されたと聞かされ、妻は去り、ひとり馴染みのない環境に置かれている。そこへある女が現れて言う。二人とも、いまだシミュレーション内に取り残されたままだ、と。現実と境目のない虚構世界のなかで、罠に囚われた科学者に脱出の道は? リアルすぎる仮想空間を描く、本格ハードSF!
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紙の本
抜け出すためには
2020/07/03 08:51
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
現実の世界とバーチャルリアリティを、激しく行き来しています。人口知能には解析できない人の心こそが、脱出の鍵なのかもしれません。
紙の本
ホーガンにしては平凡な作品
2001/06/11 23:23
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:こじましゅういち - この投稿者のレビュー一覧を見る
ジョー・コリガンは、かつては神経接合を伴うバーチャルリアリティの開発にも携わった科学者った。が、その実験の過程で事故が起こり、記憶を失ってしまったため、現在は保護観察同然の扱いを受けている。少なくとも、コリガンは現在の自分の待遇の原因をそう聞かされていた。が、リリィという女性に出会った彼は、彼女からとんでもない話を聞かされる。自分たちはまだシステムに接続されており、この周囲の世界は全てそのシステムが紡ぎ出した幻影だというのだ!
うーむ…。どうなんだろうな、コレは…。
というのは、話のネタ自体は、ごくありがちなものに思えてしかたないから。なら同ネタを扱った作品にはどんなのがあるんだ、と言われると答えに窮するけど、さりとて、この作品独特のオリジナリティあふれるアイデア、とは言えないのも確か。っていうか、「これって『巨人たちの星』に出てくる知覚結合装置・パーセプトロンと同じネタ?」というツッコミをしてしまうと虚しくなってしまいます。うーむむむむ。
さすがに技術的な話になるとホーガンの面目躍如、そういう部分は読んでるだけでわくわくしますです。ただ、全体としては、最近のホーガンらしく、展開が冗長。本編半ばまでは「物語的に面白くなるのはいつなんだろなぁ」とか思いながらページを繰ってたですよ。でも、仮想空間か現実か区別がつかなくなってくる後半部分はなかなか面白いっす。ありがちだろうが何だろうが、自分の立ってるところが不確かなものだ、という感じは不安をかきたてるようでいい感じ。
しかし…『量子宇宙干渉機』を読んだときにもちょっと思ったんだけど…やっぱりもうちょっとシェイプアップはできなかったのかなぁ。今までホーガンを読んでなかった人が、この本を読んで「面白い!」と言ってくれるかどうかに関しては、正直言ってあんまり自信がない…人によるとは思うけど。
出来自体は悪い作品じゃないんだけど。ただ、ホーガンをホーガンたらしめていた魔法が、だんだん薄れてきているようで不安ではある。