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ギルドの系譜 上
著者 ジェームズ・ロリンズ(著) , 桑田健(翻訳)
◎待望、〈シグマフォース〉シリーズ第7弾! ギルド、エシェロン、星の一族様々な名で呼ばれ、遥か昔から世界を司る謎の“組織”。最大の秘密とされている〈真の血筋〉に、ついに辿...
ギルドの系譜 上
ギルドの系譜 上 (竹書房文庫 シグマフォースシリーズ)
商品説明
◎待望、〈シグマフォース〉シリーズ第7弾! ギルド、エシェロン、星の一族様々な名で呼ばれ、遥か昔から世界を司る謎の“組織”。最大の秘密とされている〈真の血筋〉に、ついに辿り着く〈シグマフォース〉とグレイソン・ピアース。組織の黒幕は果たして誰か? そして、セイチャンとグレイの関係は?◎神の創りしもの、人の創りしもの。エデンの園には二本の木があった。一本は〈知識の木〉、そしてもう一本は〈命の木〉。〈知識〉を手に入れたアダムとイブ。しかし神は、ふたりに“ 定めのない時を生きられる”命の木の実を与えはしなかった……。◎人類の永遠の夢――不老不死。それは“夢”ではなく、すでに“現実”である。それを手にする者が世界を制するのか!?◎世界を裏で操る〈組織〉の歴史……それはテンプル騎士団から発する。時の流れの中を生き延びるために、〈組織〉は様々に名を変え姿を隠してきた。果たして闇の組織の中心、〈真の血筋〉は、現在、誰に受け継がれているのか……?◆歴史的事実に関して――テンプル騎士団、九人目の謎 十二世紀初め、この組織は九人の騎士の集まりとして産声をあげた。騎士たちは聖地へと巡礼の旅に出る者たちの保護を誓った。だが、次第に富と権力を蓄積し、ヨーロッパ各地へと拡散、ついには法王や国王までもが恐れる一大組織へと成長したのである。しかし、一三〇七年十月十三日、フランス国王とローマ法王は共謀し、騎士団が異端信仰をはじめとする非道な行為をしたとし、団員を逮捕、組織を解散させた。この粛清の後、騎士たちが迫害を逃れ、新大陸へと到達したという話がある。また、騎士団は厳重な保護のもとで今日も密かに存在し、世界を一変させる可能性を秘めた力を守り続けているとも……。多くの人々の知らない事実として、最初の九人全員が血縁や結婚によってつながったある一族の出身だったということがある。そのうちの八人については、歴史的な文書に名前が記されているが、九人目については今もなお謎のままである。歴史と伝説のうえでこれほどまでに名高い組織の創設に携わったこの謎の人物とは、いったい何者なのか? なぜこの九人目の騎士の名前だけが記されていないのか……?◎〈あらすじ〉アメリカ合衆国ジェームズ・T・ギャント大統領の娘アマンダが、セーシェル諸島でソマリアの海賊に誘拐された。シグマフォースのペインター・クロウ司令官は、グレイ・ピアース隊長率いるチームを救出のために派遣する。しかし、出産を間近に控えたアマンダが、逃げるようにセーシェル諸島へと向かった理由とは? 誘拐の裏にギルドが関与しているのか? ペインターはアマンダが人工授精手術を受けた不妊クリニックの調査を行なう。一方、グレイはタッカー・ウェイン大尉と軍用犬ケインの協力を得て、ソマリア山中の謎の施設にアマンダがいることを突き止める。だが、建物内に踏み込んだグレイが発見したのは、腹部を切り裂かれた惨殺死体だった。その間、ギルドによるシグマ包囲網は着々と狭まりつつあった……。
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遂に科学的知見はネタ切れか。代わりに、冒頭から興味深々の活劇・追撃戦の連続。
2016/12/12 10:25
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投稿者:ナミ - この投稿者のレビュー一覧を見る
遂に科学的知見はネタ切れか。代わりに、冒頭から興味深々の活劇・追撃戦の連続。出産間近のアメリカ大統領の娘;アマンダ・ギャント=ベネットがソマリア海で誘拐される。アマンダの生還を願い、秘密裡にシグマが作戦出動するが、何故かその行動は全て敵に筒抜けで、作戦は失敗。シグマはその責任を問われて閉鎖される。しかし、作戦失敗直後に、アマンダ死亡は敵の欺瞞工作だとの報告をグレイから受けたシグマ司令官ペインターはその事実を隠して独自の救出作戦を続行する。敵=ギルドへの情報漏洩を防止するためである。孤立無援の作戦を展開するシグマ隊員たちであるが、敵地に潜入したリサとキャスリン(キャット)は敵に捕らわれ、一方何度も危機を切り抜けながらドバイの敵地へアマンダ奪還のために潜入したグレイ、セイチャン一派も苦難の状況。ところが、上巻から下巻に差し掛かる辺りから、何故犯人一味がアマンダに拘るのかが、急速に進歩した医学技術と冒頭に出てきた「テンプル騎士団」の系譜とに関わる遺伝子学的なことにあるらしいことを示唆し始める。さて、上巻の中頃でギルドに通じた悪党が何と、ギャント大統領の兄で国務長官でもあるロバート・リー・ギャントらしいことが示唆されるが、下巻中頃でついにその正体を明らかにする。上巻後半から下巻にかけては危機また危機の読みだしたら止まらない展開です。何しろシグマ側は絶体絶命の危機に何度も陥り、活路を見出したと思うとすんなりいかずにまた危機にといった展開なのだから止められません。しかも、敵も国務長官:ロバート・リー・ギャントと読者に信じこませておいて、何とその裏に真の悪党が控えておりそれが何と大統領夫人テレサ・ギャントだったというどんでん返しもあり(P-362)。しかも、セイチャンが国務長官:ロバート・リー・ギャントの娘であり、母親は身を隠して生きているというおまけ付き。さて、遂に科学的知見はネタ切れかと思っていたら、何とこちらも不死の技術に関するネタ(三重螺旋構造のDNA,PNA、ヘイフリック限界など)や、ロボット工学に関するネタをしっかりと用意してあったです。ただ残念なのは、これで“ギルド“は実質的に壊滅したとなると、今後の展開が危ぶまれるが、そろそろシグマシリーズも終焉に近づいたのかな。
ところで、本作で注目される新登場人物でタッカー・ウェイン(元米軍大尉、ケインのハンドラー)と、ケイン(軍用犬少佐;タッカーの相棒)が実に魅力的である。当然、レギュラーメンバーになるのだろうと期待していたらあっさりと消えてしまった。アレ?と思ったら、何とこのコンビを主人公とした「タッカー・ウェイン・シリーズ」として既に2作目まで刊行が決まっており、シグマは彼らに協力する形で出てくると言う。また楽しみなシリーズの誕生です。