- 販売開始日: 2015/10/28
- 出版社: パンローリング
- ISBN:978-4-7759-7138-3
クオンツトレーディング入門
著者 リシ・K・ナラン(著)
クオンツトレーディング戦略はまたの名を「ブラックボックス」ともいい、説明が難しく、理解しづらいというのが世間一般の見方だ。確かにこのアプローチにはある程度の複雑さはある。...
クオンツトレーディング入門
ワンステップ購入とは ワンステップ購入とは
商品説明
クオンツトレーディング戦略はまたの名を「ブラックボックス」ともいい、説明が難しく、理解しづらいというのが世間一般の見方だ。確かにこのアプローチにはある程度の複雑さはある。しかし、正しいガイダンスに従えば、障害を乗り越え、この分野で秀でることも不可能ではない。
プロのファンドマネジャーであるリシ・ナランが本書を書いたのはまさにそのためだ。難しい数式などは一切使わず、実例や役立つエピソードをふんだんに織り込んだ本書は、普通の人にも理解しやすい。読み終えるころには、ブラックボックスの中身が細部まで理解できていることだろう。「クオンツ」が何をしているのかを明確にすることで、クオンツトレーディングを取り囲む謎のベールをはがし、クオンツトレーディングに興味を持つ人々のクオンツとクオンツ戦略に対する理解を深めた本書の意義は大きい。
本書は3部からなる。まず第1部ではクオンツトレーディングとは何かを説明することで全体像をつかんでもらう。そして第2部では、ブラックボックスの中身を詳しく説明することで、ブラックボックスと呼ばれているものは実は理解しやすいクリアボックスであることを示す。そして第3部を読み終えるころには、クオンツ戦略がなぜそれほど重要なのか、それをあなたのポートフォリオに組み込むにはどうすればよいのかが分かってくるはずだ。
機関投資家か富裕な個人投資家かとは関係なく、本書から学んだ教訓は移り変わりの激しい今日の市場で自分のエッジ(優位性)を見つけるのに役立つはずだ。本書では、次に示すような、知りたいと思いながらもなかなか解を得られない難しい質問にも答えている。
●クオンツはどのようにしてアルファを獲得するのか
●理論駆動型システムとデータマイニング戦略の違い
●クオンツはリスクをどのようにモデル化するのか
●クオンツトレーディングから投資全般について何を学ぶことができるのか
この数年における厳しい市場環境と、ヘッジファンドやクオンツファンドを取り巻く否定的な見方を考えると、クオンツトレーディングの実態を理解することが今ほど必要とされているときはない。本書で提供した枠組みは、クオンツ戦略への理解を高め、成功するクオンツ戦略を見分け、自分のポートフォリオにクオンツ戦略をどのように組み込むべきかを理解する一助となり、投資プロセスのパフォーマンスを向上させるための良き水先案内人となるだろう。
リシ・K・ナラン(RishiKNarang)
短期クオンツアルファ戦略を専門とする代替投資運用会社であるテレシス・キャピタルLLCの創設者兼社長。サンタ・バーバラ・アルファ・ストラテジーズ社では役員および共同ポートフォリオマネジャーを務め、1999年から2002年まではクオンツヘッジファンド、トレードワークス社の共同創設者兼社長を務めた。カリフォルニア大学バークレー校・経済学部卒。ギター、エッセーや詩、鉛筆デッサン、人との議論、テニス、ハイキングと多趣味でもある。現在、妻のキャロリン・ウォンとロサンゼルスに在住。
あわせて読みたい本
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
この著者・アーティストの他の商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
小分け商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
この商品の他ラインナップ
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
パニックボタン
2010/11/12 00:06
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:マーケットライダー - この投稿者のレビュー一覧を見る
「ゴミを入れれば、ゴミしか出てこない」。したがって、ゴミかどうか判断する人間が必要になる。システマチックにトレードするクオンツ達が「人間」でなければならない理由が、そこにあると本書で知った。
著者は言う「行き当たりばったりの不十分な監視では、得られるエッジも得られなくなる」と。何が有効で、何がゴミかを判断するのは「(投資エッジの源泉である)経験とリサーチやデータの取得・クリーニングにおけるスキルである」と。
クオンツトーレードのブラックボックスといわれる中身は、アルファーモデル、リスクモデル、取引コスト、ポートフォリオ、執行モデルであるそうだ。
これは、リターンとリスクの兼ね合い、及び資金管理とトレードルールに他ならない。
トレーダーなら基本中の基本だか、人間であるがゆえに基本通りに実践できないところをシステムに任せるのがクオンツだ。
そこに入力するデータの量は膨大だ。とても人が処理しきれるものではない。
コンピュータには、もちろん人間のようにパッと見て感じる能力はないが、一瞬にしてアルゴリズムどおり処理する能力はすごい。
しかし、だからといって、パソコンに入力すれば、必ずしも答が得られるわけではないように、何を入力し、出てきた答を的確に把握することができなければ、それはダストボックスと同じである。いくらアルファーモデルのアルゴリズムが優秀でも。
加えて、過去のデータでは予測不能な事が起こったとき、パニックボタンを押すのは人間の判断だ。それが押せるかどうか。感情が邪魔をして基本どおりにできないからシステムに頼ったのに、いまさら裁量でボタンが押せるかどうか。
「クオンツトレードで最大の失敗を犯したものはノーベル賞受賞者なのである」という著者の言葉に深く考えさせられる。経験とスキルをもった「人間」が、そこには必要だと強く思い知らされた。