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紙の本
パニックボタン
2010/11/12 00:06
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:マーケットライダー - この投稿者のレビュー一覧を見る
「ゴミを入れれば、ゴミしか出てこない」。したがって、ゴミかどうか判断する人間が必要になる。システマチックにトレードするクオンツ達が「人間」でなければならない理由が、そこにあると本書で知った。
著者は言う「行き当たりばったりの不十分な監視では、得られるエッジも得られなくなる」と。何が有効で、何がゴミかを判断するのは「(投資エッジの源泉である)経験とリサーチやデータの取得・クリーニングにおけるスキルである」と。
クオンツトーレードのブラックボックスといわれる中身は、アルファーモデル、リスクモデル、取引コスト、ポートフォリオ、執行モデルであるそうだ。
これは、リターンとリスクの兼ね合い、及び資金管理とトレードルールに他ならない。
トレーダーなら基本中の基本だか、人間であるがゆえに基本通りに実践できないところをシステムに任せるのがクオンツだ。
そこに入力するデータの量は膨大だ。とても人が処理しきれるものではない。
コンピュータには、もちろん人間のようにパッと見て感じる能力はないが、一瞬にしてアルゴリズムどおり処理する能力はすごい。
しかし、だからといって、パソコンに入力すれば、必ずしも答が得られるわけではないように、何を入力し、出てきた答を的確に把握することができなければ、それはダストボックスと同じである。いくらアルファーモデルのアルゴリズムが優秀でも。
加えて、過去のデータでは予測不能な事が起こったとき、パニックボタンを押すのは人間の判断だ。それが押せるかどうか。感情が邪魔をして基本どおりにできないからシステムに頼ったのに、いまさら裁量でボタンが押せるかどうか。
「クオンツトレードで最大の失敗を犯したものはノーベル賞受賞者なのである」という著者の言葉に深く考えさせられる。経験とスキルをもった「人間」が、そこには必要だと強く思い知らされた。
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