電子書籍
素粒子論の入門としては最高!
2021/04/30 10:12
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:KKenNakamura - この投稿者のレビュー一覧を見る
大学で物理学を専攻していない読者向けの素粒子論入門の本は色々あり、殆どのものを読んでいるが、この本が最高である。入門本には一部のテーマ(例えばニュートリノとか超対称)を扱っている本が多いが、この本は素粒子論全般をカバーしているので、素粒子論とは何ぞや?を知るのに一番良い本だと思う。歴史にも詳しく、素粒子論の巨人たち(著者もその一人)に関する短い紹介文も散りばめられている。
最初に物理学を専攻していない人向けと言ったが、勿論大学で物理学を治めた学生が最初の素粒子論の授業と平行に読むのもお勧めだと思う。
ともかく、現代物理学に少しでも興味がある人には是非読んでもらいたい。
紙の本
物質の究極的構造をクォークという発見以後の視点から丁寧に解説した分かり易い科学書です!
2020/02/09 13:22
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投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、ノーベル物理学賞を受賞した南部陽一郎博士によって書かれた物質の究極的構造とそれを支配する基本構造とを「クォーク」という発見からの視点から分かり易く解説した一冊です。内容も、「素粒子とは」、「クォークとレプトン」、「クォーク探し」、「加速器のいろいろ」、「湯川理論の誕生」、「新粒子の出現」、「素粒子の規則性と保存則」、「対称性と保存則」、「ハドロンの複合モデル」...というように歴史を追って語られているので、とても興味深い読み物となっています。ぜひ、この機会にクォークについて学んでみませんか!
紙の本
たまには読んでほしい学者の本 クォーク
2015/08/31 01:18
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投稿者:ikoram - この投稿者のレビュー一覧を見る
日常の中に不思議がいっぱいある。
ものを、小さく見ていくとそこには無限の宇宙が広がっている。
私たちには縁遠い内容をこの先生なりにやさしく解説!
ミクロなものが宇宙につながる不思議さ、どなたか関心をもって見てくださいな。
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毎年、「今年こそは南部先生がノーベル賞を取るだろう」と言われて続けている素粒子論の大御所南部洋一郎先生の一般向けの本。字面は追えても、未消化感が否めない。。。が、それはしっかり書いてあるという証拠なのでしょう。
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昨日、ノーベル賞受賞が決まった南部陽一郎先生のブルーバックスである。
表紙を見て分かるように、これは第2版であり、1997年8月に出版された。
第1版は、1981年に出ていて、11刷まで増版されている。
今回、南部先生がノーベル賞を受賞した『対称性の自発的破れ』についても、もちろん知りたいことと思うが、南部先生を知ろうと思ったら、こちらを読むのがお勧めである。
一足飛びに『対称性の自発的破れ』を知ろうとする前に、素粒子論の入門として、是非これを読んでもらいたい。
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現在2週目
むしちゃんの少ない脳みそでは1/3くらいしか解らないかも・・・
(ノД`)シクシク
なんとなく概念はわかるような気がするんですがね。
やっぱり用語に惑わされるなぁ。
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ノーベル賞受賞をきっかけに読んでみましたが、物理素人の私にはとても着いていけません。
かなり解る人が読む本だと思います。
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(2008.12.30読了)
物質を構成している最小単位を原子と名付けたのだけれど、原子は、原子核と電子から構成されることがわかった。さらに、原子核は、陽子と中性子から構成されていた。
これで終わりかと思ったら、もっと小さいものがあるということが分かってきて、素粒子と名付けられた。素粒子と思われるものが次々に発見されたが、まだすべてが解明されたわけではない。
標題になっているクォークは、単独では存在できないものなのだそうで、一個だけ取り出して見せることのできないというのだからややこしい。ただそういうものを仮定すると説明し易くなるということなのでしょう。
「日常見られる物質は究極的にはクォークとレプトンから構成されている」(29頁)ということです。「陽子はクォーク三個からなる複合粒子」「電子はレプトンの方に属する」ということです。
クォークを含む物には、バリオンとメソンがあります。バリオンは、クォーク3個から構成され、メソンは、クォークと反クォークから構成されます。バリオンとメソンをまとめてハドロンと呼びます。
173ページにハドロンのひもモデルというのが出てきます。ひも宇宙論につながるもののようです。
あまり分かりやすい本ではありません。物理学の最先端の話題ですので、しょうがない面もあるのでしょう。何冊か読んでみるしかないのでしょう。
著者 南部陽一郎
1921年生まれ
東京大学物理学科卒
1952年、朝永振一郎博士の推薦によりプリンストン高等研究所へ留学
1958年よりシカゴ大学教授
1978年文化勲章受章
2008年、ノーベル物理学賞受賞
(2009年1月6日・記)
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決して簡単な内容ではないが、丁寧な解説のためかこうした分野の本にしては分かりやすい。
これがベストセラーになったと聞いたが、全て理解できた人はどれ程いるのだろうか。。。
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2009年2月25日に読み終わった本
http://hydrocul.seesaa.net/article/115001233.html
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[ 内容 ]
すべての物質は何か共通の基本的な材料からできているのではないか?
この考え方から出発して、物質の究極的構造を求め、それを支配する基本法則を探る素粒子物理学。
それがどのように発展し、どこまで来たかをトップ・クォークの発見を踏まえて見渡し、解説する。
[ 目次 ]
素粒子とは
クォークとレプトン
クォーク探し
加速器のいろいろ
湯川理論の誕生
新粒子の出現
素粒子の規則性と保存則
対称性と保存則
ハドロンの複合モデル
クォークモデル〔ほか〕
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
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頑張って読んでみようとするけど、なんでだろう、進まない。僕は、ありがちなことだけど、素粒子をやろうと思って大学に来た。そして、これまたありがちなことだけど、素粒子論が本当にやりたいのかどうか、物性がいいのか、いっそ生物物理をやろうか、わけわかんないことになっている。まあ、ちょうど明日で20歳と半年になるに過ぎないのだから、焦る必要はないのかもしれない。とりあえず、今は目の前のこと、「ゴム弾性」に立ち向かおう!
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素粒子論というと、難しい数式ばかりでてくるものを想像する。
厳密な議論を進めることと、全体の流れを掴むことは、別にできることかもしれないと期待できる。
科学者の分かりやすい話は、これから素粒子論を学ぼうという人を増やす効果があると思われる。
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来週ノーベル賞を受賞する南部博士が,一般向けに日本語で素粒子物理入門を書いている。前々から読もうと思っていたのをようやく読んだ。
素粒子物理というと,科学の最尖端であるが,その基本的アイデアは,遙か昔のギリシア思想の系譜にある。世界は限られた数の要素から組立てられている。物を小さく小さく分けていけば,最後には分割不可能な最小の単位にまで還元されるという,原子論である。
すべての物が,分子や原子,原子核,電子といった基本単位から成立っていることは,もう小学校の頃から教えられて現代人の常識である。しかし,もっと素朴に考えてみよう。そんな基本単位があるなんて,本当だろうか。物質のレベルでは常識どおり素粒子を受け容れる人であっても,その物質のいれものである空間や時間については,最小単位などなく連続的だと思うのが普通だ。世界に最小基本単位があるなどという考え方は,直感的にみて自明というわけでは全くない。分子や原子は教育によってあまりにも常識化してしまっているために,物は無限に小さく分けられない,いつかは不可分の素粒子にいきつく,と一般に信じられているだけだ。この考えは,すべての情報を離散的なものとして取り扱うデジタル技術との相性も良いから,現代人の発想にしっくりくるのかも知れない。
ほとんどの人は,分子や原子などもちろん直接見たこともなく,間接的にも自分で存在を確かめていない。それなのに,みんな素粒子の存在に納得してしまっている。これを疑う人は,未熟な子供か,哲学好きか,変人のいずれかであろう。常識を疑うことで得られるものもあるが,皆が疑い続けていては科学に進歩はない。一人の人間が科学史をなぞることなど到底不可能である。発展の過程で科学は頻繁に寄り道をし,出口のない長い迷宮にも入り込んだ。これらの迂回路は,現在の科学を道しるべとして最大限利用することで省略できるとしても,独力で今までの科学の成果を直接に確かめることなどやはりできない。積み重ねられてきた科学を,ある程度盲信し受け容れたうえでなければ,科学は発展しない。
時には,科学者の常識を超える考えが登場し,科学哲学者クーンのいう科学革命を起こして行詰まりを打破することもあるだろう。しかし,その成果も次第に新たな科学の常識として定着していく。もちろん,科学革命の果実を受け容れるのは主にその分野の科学者であって,一般常識として定着することは稀である。特に高度な尖端科学,それも技術的応用を度外視した純粋科学ともなれば,一般人の理解との断絶は甚だしい。本書のタイトルであるクォークについても,普通の人にとっては辛うじて聞いたことがあるくらいのものだ。
話をちょっと戻そう。原子論であるが,このアイデアはギリシア以来長い間忘れられていて,19世紀に化学の分野で息を吹返す。それまでは,基本粒子の存在など,ただのおとぎ話であったろう。確かめようがないのだから。原子論の復活は,ドルトンの整数比例の法則の発見による。これにより間接的に原子の実在が確信された。そのうち,原子や原子核や電子を単独で検出することができるようになり,それらの実在は確証された。
現在では,さら��小さな単位であるクォークが素粒子の一つであると考えられているが,これは単独で存在できないという。クォークは常に三つ(陽子や中性子),或いは二つ(中間子)組合さってしか観察できない。単独で検出されたことは今までに皆無だし,いまのところ信頼のある理論によれば,原理的にクォークは単独で存在できないというのだ。原理的に取出せないものが,本当に存在するというのはとても不思議なことだ。物理現象があまりにもうまく説明できるので,クォークを単なる方便と言いきってしまうことは難しいという。ただこれは,この世があまりにもうまくできているから,神が存在するに違いないという論法と似ている気がする。実在とは何だろう?
今まで何度も素粒子論の一般向け解説本を読んでみたが,パリティ,ストレンジネス,スピン,アイソスピンといった様々な量子数,それに関する対称性と保存則が出てくるあたりから(つまり読み始めてまもなく),いつもわけがわからなくなってしまう。素粒子の種類もなんだかどんどん増えるようで,ひどく混乱してしまう。基本粒子は陽子・中性子・電子の三つ,と強弁する学校教育レベルで納得していられたころが懐かしい。今回も,とりあえず読み終えたものの,やはり消化不良のまま。一般向けのもので理解しようと思ってもダメなのかなあ。相対性理論でも,一般書では,質量とエネルギーの等価性などが天下りで出てきて納得いかなかった。教科書を読んで数式を追うことですっきりした憶えがある。
本書で最も印象的だったのは,巻末の南部博士の慨嘆。~百億年を超える宇宙の歴史におけるほんの一瞬間に,宇宙の一部であるわれわれが,宇宙全体を支配する法則を見いだしつつあるというのは,本当に不思議なことである~ まさに同感だ。もちろん学者でもなければ,最新の理論を理解することなどおぼつかないが,人類の自然理解が深まっているのは間違いないことで,多くの人はその事実を素直に受け容れている。いままでのところ,自然は人間に理解可能にできているように見える。でも,自然を理解しつくすことって一体できるのだろうか?自然理解という営みに終りはあるのだろうか?
現時点での私の考えは,否定的である。素粒子物理では理論の正しさを立証するのに実験が欠かせない。どんどん増強する加速器によって,20世紀の素粒子物理の進歩はもたらされた。しかし,費用や現実性の面で,加速器の大型化にはそろそろ限界が来ているらしい。より包括的・統一的な理論が提出され,実験による実証を待つばかりとなっても,理論が統一的であればあるほど,その確認に必要とされる加速器のエネルギーは増大する。最終的に,宇宙誕生前後の超高エネルギー状態を含めた宇宙の全てを解き明かすには,それと同等の超高エネルギー状態を実際につくりだすことが必要になるのではあるまいか。そんなことは不可能だろう。
それなら,直接確かめられないとしても,多くの間接的証拠と創造的な思考によって,正しい最終理論を構築することはできるのだろうか。できるかもしれないし,できないかもしれない。そもそもそんな最終理論が答えとして存在するのかどうかもわからない。できることを信じて研究は進められるが,できるという確信はもはや科学ではなく,人類の夢なの���ろう。自然を理解するという科学の窮極目的は,科学的ではありえない。一見逆説めいているが,考えてみれば当然のことかも知れない。ただ,たとえ終点があるかは不明でも,現に人類は自然を理解しつつある。本当に不思議なことだ。
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ようやく読めた。何度も読みかけては中断していたが,4年半かけて最後まで来た。これが読めるようになったというのは,一ファンとして科学を楽しむ作法が身についたということなんだろうなあ。