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電子書籍
カタナなでしこ
著者 榊一郎
16歳女子高生が日本刀製作に挑む、青春小説!祖父の形見分けで蔵整理に駆り出された高校生の千鶴。そこで見つけたのは、一振りの刀身だけの日本刀だった。そして夏休み、千鶴は同級...
カタナなでしこ
06/27まで通常825円
税込 413 円 3ptワンステップ購入とは ワンステップ購入とは
商品説明
16歳女子高生が日本刀製作に挑む、青春小説!祖父の形見分けで蔵整理に駆り出された高校生の千鶴。そこで見つけたのは、一振りの刀身だけの日本刀だった。そして夏休み、千鶴は同級生の紗和子、鏡美、音々と一緒に、無くなってしまった「刀の拵え」を創作することになる。大切な何かを見つけたり、見失ったり。繋がったり、離れたり。好きなことも嫌いなこともバラバラな四人の女子高生が“初めて”に挑戦する青春小説。
目次
- 序 章
- 第一章
- 第二章
- 第三章
- 第四章
- 第五章
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書店員レビュー
一振りの『カタナ』が少女たちを成長させていく
ジュンク堂書店福岡店さん
「刀は刀でそれ自体は何も変わってないと思います。確かに人殺しの道具のままなんでしょう。変わったのは私達のほうです。日本刀という凶器に凶器以外の目的とか理由を見つけた。それは――そんなに許されないことなんでしょうか?」
女子高生の千鶴は、遺品整理に訪れた祖父の家の蔵で、木箱に納められた刀身のみの日本刀を見つける。朝に見たばかりの夢に出てきたものと全く同じに見えるその刀は、祖父の家から自宅に戻ってからも、千鶴の心のどこかになんとなく留まり続けていた。そんな話を、学校の補習で新しくできた友人・鏡美と音々に話したことをきっかけに、その日本刀の拵(こしら)え一式をグループワークとして作ってしまおうという話が持ち上がり……
趣味も嗜好も性格もバラバラな4人の女子高生。彼女たちが始めたのは『日本刀の拵え』を作ること。当然全員が素人であり、まず最初に何から手を付ければいいのか、そもそも一口に『拵え』と言っても、どんなものを指すのかどんなものがあるのかすら分かりません。時には1人で時には4人で、時には周りの大人たちの手を借りつつ。さまざまな問題に直面しつつも、作業は少しずつ少しずつ進んでいきます。そして刀が完成に近づいていくにつれ、家族の過去を知り、将来の夢を再確認し、自分の気持ちに気付き、自分への認識を新たにし。4人の少女たちは精神的にも大きく成長していきます。
ここで冒頭の台詞について。作中でも語られていますが、日本刀というのは元々は『人殺しの道具』であり『凶器』です。しかし、人や時代が変われば、モノやコトバの持つ意味も変わっていきます。現代における日本刀というのは、美術品・芸術品しての側面を持っていますし、昨今では刀を擬人化したゲームが人気を博しており、侍が腰に佩いて闊歩していた時代よりも、ある意味では身近で日常的なものとなっているのかもしれません。
拵え作りの中で、4人の少女たちが刀に見出したのは一体何なのか。よろしければご一読ください。