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戦略経営論
著者 ガース・サローナー , アンドレア・シェパード , ジョエル・ポドルニー , 石倉洋子
スタンフォード・ビジネス・スクールの教授陣が構想に10年の歳月を注いだ戦略的思考による経営テキスト。学術理論と実務、古典と最新を融合させた希代の書。
戦略経営論
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戦略経営論
目次
- 第1章 戦略的経営とは
- 第2章 事業戦略
- 第3章 競争優位性
- 第4章 内的コンテクスト:組織構造
- 第5章 組織と競争優位性
- 第6章 外的コンテクスト:業界分析
- 第7章 競争のスペクトラムとニッチ市場
- 第8章 集中市場における競争
- 第9章 新規参入と既存企業の優位性
- 第10章 バリューチェーンにおける価値の創造と獲得
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紙の本
経済学の知見を以って戦略を理解する
2003/04/29 06:03
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:平野雅史 - この投稿者のレビュー一覧を見る
企業戦略、事業戦略をスタンフォード大学で教える教授陣が、戦略のあり方や戦略の意味合いなど、戦略思考のフレームワークを説いた書です。
経済学の知見を用いながら、戦略策定における誤解や悩みを把握し、解決するためのきっかけを多数得られることが本書の特徴です。エコノミクスの力学という企業経営を取り巻く最も力強く持続的な影響因子の観点から企業戦略を読み解くという本書の知見は、多くの場面に共用可能であるとともに、事業戦略、企業戦略、組織設計、マーケティング戦略等、戦略経営を構成する要素間の連関を捉えまえやすくします。
本書で重要な点は、戦略策定のプロセスではなく、その背後にある戦略的思考をシンプルに提示していることです。シンプルであるがゆえに、各人の意識に定着し易く、多くの場面に応用し易いことです。
また、定量的・金額的なメジャーに落とし込まれることの少ない「差別化」について、経済の需要・供給の調整という観点から、金額化・経済価値化する知見を提供します。差別化による価格設定や需要量への影響を経済力学の見地から検証する術は、積上的なマーケティング調査と相まって、事業戦略のフィージビリティを把握し易くする効果があると思います。
組織戦略についても有効なフレームワークを提供しています。本書が提示するARC(アーキテクチャ・ルーチン・カルチャー)分析は、組織が持続的に戦略を遂行するうえで勘案すべき組織力学を明快かつ力強く捉える道具になり得るものと思います。
本書では、「○○戦略」といったものは提示していません。しかし、経営技術の流行を追いかけることよりも、戦略的に思考するための物見を提示する本書の考え方は、長く使い得るものだと思います。経済学の知見をもって戦略を捉える本格的な書としては「戦略の経済学」(ダイヤモンド社)がありますが、実務を意識して傍らに置くことを想定すれば、本書のシンプルさはより価値が高いと思います。