- カテゴリ:一般
- 販売開始日: 2016/03/12
- 販売終了日:2018/04/11
- 出版社: 東京創元社
- レーベル: ミステリ・フロンティア
- ISBN:978-4-488-01790-3
読割 50
電子書籍
現代詩人探偵
著者 紅玉いづき
とある地方都市で、「将来的に、詩を書いて生きていきたい人」が参加条件のSNSコミュニティ、『現代詩人卵の会』のオフ会が開かれた。互いの詩の合評を行い、現代詩について存分に...
現代詩人探偵
現代詩人探偵 (ミステリ・フロンティア)
商品説明
とある地方都市で、「将来的に、詩を書いて生きていきたい人」が参加条件のSNSコミュニティ、『現代詩人卵の会』のオフ会が開かれた。互いの詩の合評を行い、現代詩について存分に語り合った九人の参加者は、別れ際に約束を交わした。「詩を書いて生きる志をもって、それぞれが創作に励み、十年後に詩人として再会しよう」と。しかし約束の日、集まったのは五人。ほぼ半数が自殺などの不審死を遂げていた。なぜ彼らは死ななければならなかったのか。細々と創作を続けながらも、詩を書いて生きていくことに疑問を抱き始めていた僕は、彼らの死にまつわる事情を探り始めるが……。生きることと詩作の両立に悩む孤独な探偵が、創作に取り憑かれた人々の生きた軌跡を辿り、見た光景とは? 気鋭の著者が描く初のミステリ長編。
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紙の本
心理という穴ぐらの中でもがき苦しむ探偵。
2018/11/14 23:38
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投稿者:たけぞう - この投稿者のレビュー一覧を見る
東京創元社の戸川さんは、名前に聞き覚えがあります。
名物編集者なのですね。
その戸川さんが、ミステリー小説を書いてみませんかと誘い続け、
この一冊になりました。
重苦しさが前面に出ている作品です。
紅玉いづきさんの作品はこれまでに三作ほど読んでいますが、
ねっとりした雰囲気が隠れているのを感じていました。
この作品は、その中でも一番の重量感があります。
主人公の脳内思考の文章がとにかく多く、
心理面を徹底的に掘り込んでいくからなのでしょう。
それゆえ読み手は絞られるのではないでしょうか。
ミステリーという感じはしませんし。
現代詩人卵の会のオフ会が開かれました。
十五才の時に参加した僕。その時の約束で、
十年後に会うことになっていました。
二十五才となった今、その時と同じ場所にあるファミレスに
顔を出すと、詩人たちが集まっていたのでした。
しかし、参加者が少ないのです。
まだ来ていない人もいるのかなと思っていると、
全員だねという声が聞こえます。参加していないメンバーは、
いずれも亡くなったのだと。しかも自殺なのです。
僕は亡くなった詩人たちのいきさつが気になり、
本当の理由を探し始めるのです。そう、現代詩人探偵である僕は、
詩人たちの心を探すことにしたのです。
過去の謎解きですから、事件が動いていくことはありません。
その分、深く深く、心に入っていこうとするのです。
そもそも、なぜそんな作業をするのか、読んでいて引っかかります。
詩人の仲間たちからも、そろそろやめたらどうかと言われ続けます。
ですが、そこには追い求めなければならない、僕にとっての
理由があったのです。
各章冒頭に、詩がキーワード的に掲げられていますが、
難解で謎めいています。逆に、その分かりにくさと重さこそが、
この作品の売りなのだと思います。
星はつけづらいですね。自分の好み基準で、三つとしておきます。