大人のための「超」計算トレーニング

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投稿者：気まぐれネット購入者　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

タイトルは「大人のための」とありますが、暗算力を高め計算のスピードと正確性を養いたい小学生にピッタリです。
　既存版の続編という位置づけですが内容は重複しているので本書だけの購入で充分です。とくにサイズが大きくなったので、より小学生向きとなったと言ってよいでしょう（もしかすると、活字の大きさは年配の方を想定しているかもしれませんが）。
　興味深いのは、計算の正確性と速度向上には、暗算力が欠かせないことを説いていることです。小学校で習う筆算原理主義とでも呼べる、なんでも筆算で解く教えには弊害もあるとしています。
　たしかに、中学受験において正確かつ速度アップして算数の問題を解くならば暗算力は必須になります。悩みは、いくら速度アップしても正確性が伴わないのでは意味が無いことでしょう。
　筆者は、計算を工夫する楽しさを知ることと、速く正確に暗算することとは両立すると主張しています。そのためのメソッドが記されています。ドリル式となっている体裁ですが、ドリルそのものは難しくありません。日頃から、このメソッドにあるように計算を工夫して問題を解けるようになる為の手助けのような問題がドリル形式になっています。
　なんでも筆算ではなく、暗算でやってみようという考えは理解するものの、これを実行するためのメソッドが無いと取り組むのが難しいのではないでしょうか。そんな悩みの解決に役立つノウハウが本書にはあるものといえるでしょう。
　似たような書籍に計算名人免許皆伝がありますが、これよりも基本的な内容を扱っているという印象です。つまり、日々の演習に直結し、より役立つ内容が多いです。
　本書のメソッドですが、文中では「スキル」、「ちょいテク」という呼び名で紹介されています。これらの計算の工夫という「作戦」をたてる取組みを、もっと早く知りたかった、だれかに教えて欲しかったと思いました。
　暗算力については「暗算力を身につける」という書籍がありますが、そちらは前半が小学生、後半が中学生の内容になっており、本書より少し難易度が上がります。できれば、本書を先に読み、その後に、暗算力を身につけるを読むのが順番としては良いと思います。
　中学受験の算数問題を本格的に解く前に読んでおきたい一冊としてオススメします。内容的には小学３年でも取り組めるでしょう。４年生が取り組むと本書の効用が高いものと思われます。