電子書籍
不平等との闘い ルソーからピケティまで
著者 稲葉振一郎
「ピケティが示した不平等の歴史的な展開を、さらに歴史的に俯瞰する。格差論の未来のために!」――『21世紀の資本』共訳者・山形浩生氏 推薦フランスの経済学者トマ・ピケティに...
不平等との闘い ルソーからピケティまで
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不平等との闘い ルソーからピケティまで (文春新書)
商品説明
「ピケティが示した不平等の歴史的な展開を、さらに歴史的に俯瞰する。格差論の未来のために!」
――『21世紀の資本』共訳者・山形浩生氏 推薦
フランスの経済学者トマ・ピケティによる大著『21世紀の資本』が公刊されたのは2013年。その後、ノーベル経済学受賞者のスティグリッツやクルーグマンらの推薦もあって英訳から火がつき、またたく間に世界的にベストセラーになりました。
どうして大ブームになったのでしょうか? 実は下地ができていました。高度成長を終えた先進国のなかで、ピケティしかり、日本の「格差社会」「大衆的貧困」ブームしかり、明らかに「不平等ルネサンス」とでもいうべき学問的潮流が起きていたのでした。
それでは一体いつ、経済学者たちの「不平等との闘い」は始まったのでしょうか? 本書では、ピケティ的な意味での「市場経済の中での不平等(所得や資産の格差)」に焦点を絞り、その歴史を紐解きます。
18世紀にフランス革命の思想的後ろ盾となった、ジャン=ジャック・ルソーと、そして“神の見えざる手”で知られるアダム・スミスから議論を始め、マルクス経済学、近代経済学、不平等論議の新しいステージ「不平等ルネサンス」、そして現代のピケティにいたるまでの学問的軌跡を追っていきます。
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紙の本
21世紀の資本・不平等
2016/06/21 08:26
2人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:菜摘 - この投稿者のレビュー一覧を見る
この本が主眼とするのは、ルソーからピケティまでの経済学者による不平等の
問題についての取り上げ方の見直し行っているという点で、それらについての
実証を試みているものではないことを確認しておく必要があります。
アダム・スミスが経済成長に伴い最下層の人々もその恩恵によって生活も改善
されていくと考えていたが、一方のカール・マルクスは資本主義による機械化・
省力化によって失業者が生み出され格差が拡大するという不平等を論じていた。
新古典派経済学が支配的な時代になると、資源の効率的活用により、生産は
最大になるという考えが現れ、市場の効率性を重視したものとなってくる。
やがて、「21世紀の資本」を表わしたトマ・ピケティや、それに続く「21世紀の不平等」
を書いたアンソニー・B・アトキンソンの理論の軸を成す、市場経済の中の不平等
へとたどり着く。また、彼らはそれらを助長する、現在世界中で大きな問題となっている
タックスヘイブンに対して、容認すべきではないとの動きを鮮明にしていることは、
富裕層のみ利することは許さないという考え方として、大いに理解することができるの
である。