紙の本
先が気になる展開
2022/04/07 09:59
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投稿者:owls - この投稿者のレビュー一覧を見る
アイスランドが舞台としり読んでみました。DVの描写があまりにもひどくて、読むのがつらかった。でも、先が気になって読むのがやめられず一気読みしました。これはシリーズだったんですね。地味な印象の主人公の刑事ですが、不思議と気になるので、続きもよみたいと思います。
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面白かった。
ぜひ続編も読みたい(文庫で)
どうでもいいけど、部下による主人公エーレンデュルへの嫌味・皮肉が
意地悪過ぎて気になる。アイスランド人にとっては普通のコミュニケーション?
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[埋めたのは、骨か心か]アイスランドの首都・レイキャビクの一角で人骨が発見される。その骨が誰のものかを警察官のエーレンデュルは探し始めるのであるが、 発見現場から少し離れたところに「緑衣の女」を見たという一人の男の証言から、事態は急展開を見せ始め......。著者は、本作でイギリスの権威あるCWAゴールドダガー賞を受賞したアーナルデュル・インドリダソン。訳者は、本作を翻訳することをある理由から直前まで悩んだという柳沢由実子。
まず描写の鮮烈さが印象に残る作品。例えば家庭内暴力のシーンがいくつか出てくるのですが、思わず状況を眼前に想像して目を背けたくなってしまうほど。また、その鮮烈さを見事に訳しきった柳沢さんの翻訳力も素晴らしいものだと思います。もちろん、ミステリーとしての面白さはバッチリですので、ページを繰る手が止まらなくなるのではないでしょうか。
〜「時間は」と、エーレンデュルは赤ん坊の上にシーツをそっとかけながら言った。「時間はどんな傷も癒しはしない」〜
評判の高さは聞いていましたが、そのとおりでした☆5つ
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なんとアイスランドの推理小説作家。同国では姓名が無いとのこと!!!
少し暗いけど、その国の様子がわかり、とても面白かった。
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犯罪捜査官エーレンデュルシリーズ。
誕生パーティーで小さな子供がしゃぶっていたものは人骨の一部だった。
人骨の発掘と併せエーレンデュルらの捜査が始まる。
人骨の埋められた付近には英米軍のバラックがあったらしいことがわかる。また、付近住民の証言に現れる緑のコートの女とは一体誰なのか。
この作家さんは女性に対する暴力について書くことが多い。「湿地」では強姦について、本作では夫による暴力に苦しむ妻と子供たちが描かれる。
その余りにも残酷な描写は読んでいるだけで辛くなるのだが、“真実を言葉を尽くして書くことが作家の使命”と考えるインドリダソンだからこその真実の描写なのだろう。
また、犯罪捜査官エーレンデュル自身も家庭に大きな問題を抱えている。そのエーレンデュルの生活と、捜査の進行、そしてある家庭で行われた凄まじい暴力とが同時に描かれる。
このエーレンデュルがシリーズ主人公であるのに、ちっとも格好良くなく、戸惑い苦悩する様がとにかく人間臭くて良い。頭脳明晰で超人のような大活躍をするカッコイイ主人公よりも、こういう主人公のほうが個人的には好みだ。
この作品で夫の暴力に耐える妻は、最後まで名前が明かされない。
ここに、単なる物語の登場人物の誰かではなく、こうした悲劇が名前も知られない女性に起きているのだという事実として伝わってくる。それは隣りの家でかもしれないし、道ですれ違ったひとに起きているのかもしれない。
読むのが辛い作品であるが、知っておかなければいけない何かを見せてくれるインドリダソンの作品には、これからも目が離せない。
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住宅街で人骨が発見された。
長い時間土中にあったと思われ、
身元を示す手掛かりは皆無。
ここでいつ、何が起きたのか
雲を掴むような捜査が始まる。
エーレンデュル警部シリーズの2作目。
遺体が発見され、被害者がどんな人物
だったのか、何が起こったのかを
メインに進むのは前作とよく似ていた。
更に、手掛かりになり得そうな
キーワードが提示されるが、
その意味が全く不明な所も共通。
だが、また似たような話かとはならずに
物語に熱中させる作品だった。
扱われるテーマの奥深さ、悲惨さ、
不愉快さ、真相を追う魅力、読み応え、
全体的に一段階上をいく作品だった。
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「湿地」に続くエーデンデュレシリーズ第2段。この作品も前作同様の暗さ重さを背景にした独特の作品となっている。
DVに苦しむ女性の物語(過去)を縦軸に、人骨発見事件(現在)を横軸に、物語は編み込まれていくのだが、その2つの軸が織りなすタペストリーは謎解きではなく、現代社会の世相を切りこむ様相を呈するのである。
その模様が重いというか、アイスランドという異国の物語でありながら、日本にもこういうドロドロとした重い、ツラい問題ってあるよなぁ…と、なんとも考えさせられる作品になっている。
弱いものを叩くのは弱いもののやり方である。叩かれている被害者よ反撃せよ。そいつこそ弱いものである。
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前作同様、ミステリーなのですが、人間関係や心情が丁寧に描かれていて話に引き込まれます。話の題材がDVなので暗いし痛いです。心の奥底に重い打撃をくらっているような感じです。犯人が誰かということよりも何故そのような事件が起こったのかというストーリーを追っていく事に重点がおかれています。犯人よりも被害者の方が悪人だというケースもある、という作者の言葉には同感です。そして、何より翻訳が読み易いです。海外ミステリー苦手な方にも是非チャレンジして頂きたい。
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1月-3。4.0点。
エーレンデュル警部第二弾。
住宅街から、数十年前の人骨が。殺害されたと思われ、捜査。
重苦しい展開、DVの描写もリアル。人骨の正体が終盤に何度も、捜査陣の予想を覆す。
面白い。心を掴まれるような重さだが、一気読み。
次作も期待。
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なんだこの苦しさ…。前作同様の雰囲気。なのにページを捲ってしまう。本当にやるせない…なんでこんな人たちのせいで傷つく人が出来てしまうのか。幸せになれるはずの、とても優しくて強い人たちなのに。
今この時代も同じ思いをしている人がいるだろう。そう思うととてもやるせない。
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「緑衣の女」、ミステリというよりは文芸作品といった趣き
トリックを明らかにしていくというよりは、人間の心のひだを探ってく感じでしょうか
ひたひたと人間の深部に分け入っていく
そうした社会や人間の暗さ・よどみを、淡々と語る怖さがあります
衝撃的な出来事も(ミステリの事件としては地味ですが)、表面的な説明に終わらないのが、類書と画するところ
第三者からしたらどうでもないことが、当事者にとっては、いびつに強烈に印象に残ったりする
そんな感性的な描写もあって、惹きつけられました
個人的に残念に感じたのは、モチーフとして「緑衣の女」の印象が薄かった点
「緑衣」にも、何かしらの意味があるとよかったですし
せっかく神秘的なタイトルなので、「緑衣の女」が出たり消えたり、この人かと思ったらあの人だったり、みたいな揺らぎがあるとよかったな、、、北欧、アイスランド、幽玄の国・・・といったイメージで
実際には、作品で揺らいでいたのは、「緑衣の女」ではなく「家族」でしたね
いろんな形の家族、過去を生きていた家族・これからなるかもしれない家族、様々な家族が交錯する中で、もろく壊れてしまったり、悲惨な中にも気高い強さを見せたり
人間のダメさ、弱さ、美しさ、尊さが、揺らいでは陰り、輝き、、、
志の高い作品でした
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男の子の拾った骨がいったい誰の骨なのか。最近のものではないということしかわからず、古代のものの可能性もあり考古学者が時間をかけてゆっくり掘り出す間、エーレンデュルたちが過去をすべて掘り起こしていく手法は見事でかなり読みごたえがありました。絶対この人だと思ったひとだったかどうか、最後までぐいぐい引っ張られて読めました!
さて、次は読書会課題の『声』に真剣に取りかかるぞ!!
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事件を追う刑事たちと、その刑事たちが抱える私生活上の葛藤を並行して描く手法は近年よく使われるが、本書では物語に厚みを加えることに成功している。
登場人物それぞれに奥行きがあり、時代背景の描写も渋く、魅力的。
読了時の余韻も深く、いい本を読んだと感じられる。
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ミステリーですが、驚きの結末! 的なミステリーではありません。暗く陰鬱な雰囲気が全編を覆っています。しかし先が気になって読んでしまう。上手いと思った。しかし。DVには反吐しかでないね。皆死刑でいいと思う。
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「湿地」に続く二作目だけれど、アイスランドという国は特に馴染みがないせいか、「湿地」でも最初は読みにくかった。
特に名前や土地に着く「ヴ」という音のつながりが、遠い国を実感させた。
「湿地」を読むのに、改めて地図帳の北欧というところを選んで、拡大されたページを見てみた。北極圏にあるグリーンランドに近い寒いところらしいと思っていたが、日本の1/3くらいの広さを持つ丸い島国で、随分進んだ文化や歴史のある国だと知った。
あまり深入りして調べだすと、夢に見たり、行ってみたくなるので(行けはしないのに)考えるのも程ほどにして、話を楽しんだ。
この「緑衣の女」は訳者のあとがきによると、激しいDV描写があるので、出版についてはその部分が少し気がかりだったそうだ。そういわれるとなかなかハードな部分がある。家庭内の暴力が繰り返されて、心身ともに傷つけられる母親の姿は、三人の子どもの精神まで損なってしまう。
でも、コアなハードボイルドなどを読み出すと、現実として身近には考えない、やはりどこか絵空事で、ストーリーの一部でしかないと思うようになる。現実に身近にあるかもしれないとは思いつつ、最近なニュースなどを見ると平和な世界がほころびてくるようで恐ろしくなるところもあるが。
作り話だと割り切れない世代には訳者のような気配りもいるかもしれない。
アイスランドでは、第二次世界大戦の後の混乱が終わって、時代とともに生活が変化し、街が郊外に広がりだす。その新興住宅地の工事現場の穴から、肋骨が折れ、宙に腕を伸ばした白骨が見つかる。
60年ほど前のものらしい。戦中から戦後のものかもしれないが、当時このあたりはイギリス軍の後アメリカからの兵士が来てバラックを建てていた。現在は全て取り払われて家が建ち始めている。
二作目でちょっと馴染みになったエーレンデュル捜査官と同僚が調べ始める。
現代の犯罪捜査の様子と、戦後、骨が埋められた時代にさかのぼった話になっている。
バラックから離れた古い一軒屋で、繰り返されていたDVの様子や、その家庭の話が同時に進んでいく。
それまで話されなかったエーレンデュルの悩み、荒れた家庭の様子も、明らかになっていく。
骨は誰なのか、聞き込んでいるうちに浮かんでくる影は見えるが、確定するには時間がたちすぎている。
60年(ほど)という長さが丁度いい。当時を知る人々が年老いてしまってはいるが少しは生き残っている。聴き取った話を繋ぎ合わせて現代に結んでいく。
その捜査過程の、紳士的な警察官も、協力する周りの係官の働きもいい。
昔ひとつの家庭があって、それが惨めで恐ろしい形で崩壊していくさま、母親が犠牲になって耐え抜く様子がリアルで、哀しく腹立たしい。
読みにくい土地や人名に慣れると、話に引き込まれる。「湿地」とこの作品で賞をダブルで受賞しているそうだが、物語としては「緑衣の女」がこなれていて、人物の描写も細やかで面白かった。
その前に「冬のフロスト」を読み始めていたが、国民性というか、キャ���の違いが面白い。周りが取り散らかって言葉も汚い、それでいて気持ちの優しいフロストに比べて、エーレンデュルと同僚たちの捜査は繊細で思いやりもあり、それぞれ個性的で次第に馴染んできた。
フロストをおいて読んでも後悔しないくらい、読み応えがあった。
一風変わった犯人探しだけでない味わい深いところがとてもいい。
訳者のあとがきもとても参考になった。