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電子書籍
宿神(1)
著者 夢枕 獏
のちの西行こと佐藤義清と平清盛。若き日の二人は北面の武士として友情をはぐくむが、ある夜、謎の存在に窮地を救われた時からその運命が大きく狂い始める。そして、義清は、鳥羽上皇...
宿神(1)
宿神 第1巻 (朝日文庫)
商品説明
のちの西行こと佐藤義清と平清盛。若き日の二人は北面の武士として友情をはぐくむが、ある夜、謎の存在に窮地を救われた時からその運命が大きく狂い始める。そして、義清は、鳥羽上皇の中宮、待賢門院璋子に心を奪われるようになる……。巨匠が描く大河伝記絵巻、待望の文庫化!
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紙の本
平安時代、北面の武士の日常
2016/04/09 22:08
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ドン・キホーテ - この投稿者のレビュー一覧を見る
歴史小説とは言えないだろうが、平安時代の歴史上の人物を登場させ、思いのままに活躍させるという夢枕獏の得意とする分野である。
本巻の登場人物は平清盛、佐藤義清(西行)、遠藤盛遠(文覚)、袈裟御前、待賢門院璋子、紀長谷雄など、平安時代の有名人たちである。平清盛、佐藤義清は当初御所北面の武士であった。この2人は仲が良く、行動をともにしていた。盛遠もこの仲間であった。
詳しい人間関係については不明な点の多い時代ゆえに、作者の脚色でいかようにも描ける点が面白い。若い清盛はかくあらん。地位を得た清盛の姿は想像が付くが、若い頃はあまり小説やドラマには登場しないだけに枠にとらわれない姿を描くことができる。これも楽しめるものである。
文覚も同様である。頼朝を訪ねて伊豆に行き、旗揚げを勧める文覚は様々なかたちで描かれている。しかし、若い時代の文覚、すなわち遠藤盛遠はあまり見られない。袈裟御前を手にかける際の描写もあまり見ない。歴史上の出来事なので、誰でも想像できると作家たちは考えたのであろうか。
今回はそれが描かれているので、嫌でも印象に残るのである。そういう点で本書は貴重であると思う。この方面の武士たちがこのあとどのような人生を歩むのか。もちろん、史上の人生はすでに分かっているのだが、より細かい心情などはぜひ触れてみたいところである。夢枕獏の筆に期待したい。