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電子書籍
日本的霊性 完全版
著者 著者:鈴木 大拙
精神の根底には霊性(宗教意識)がある――。念仏や禅の本質を生活と結びつけ、法然、親鸞、そして鎌倉時代の禅宗に、真に日本人らしい宗教的な本質を見出す。日本人がもつべき心の支...
日本的霊性 完全版
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日本的霊性 完全版 (角川ソフィア文庫)
商品説明
精神の根底には霊性(宗教意識)がある――。念仏や禅の本質を生活と結びつけ、法然、親鸞、そして鎌倉時代の禅宗に、真に日本人らしい宗教的な本質を見出す。日本人がもつべき心の支柱を熱く記した代表作。戦後、大拙自身が長文の「序」を付した第2版を底本とする完全版! 解説・末木文美士
序
第二版に序す
緒 言
日本的霊性につきて
第一篇 鎌倉時代と日本的霊性
一 情性的生活
二 日本的霊性の自覚
第二篇 日本的霊性の顕現
一 日本的霊性の胎動と仏教
二 霊 性
三 日本的霊性の主体性
第三篇 法然上人と念仏称名
一 平家の没落
二 浄土系思想の様相
三 念仏と「文盲」
四 念仏唱名
第四篇 妙好人
一 赤尾の道宗
二 浅原才市
第五篇 金剛経の禅
一 まえがき
二 般若即非の論理
三 「応無所住而生其心」
四 三世心不可得(一)
五 三世心不可得(二)
六 禅概観
付録 新版に序す
注釈
解説 末木文美士
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霊性が出現することによってのみ、知性は個己を超越することができ、無分別の分別が働くようになる。
2020/09/09 10:17
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:三分法 - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、「霊性」とは何なのか、また日本的霊性とは何なのか、についてのいろいろな側面からのお話である。まず、「霊性」についてですが、その一つの説明は次のようである。人間には感性(例えば、水は冷たい)、情性(水はすがすがしいと感性の世界を価値づける)、意欲(わが手に収めようとする働き)、理性(様々な働きを分ける働き)という4つの心的作用(はたらき)がある。そしてこの他に「霊性」という働きがある。この霊性の働きによってのみ、知性は意欲の桎梏から離脱することができる。霊性が出現することによってのみ、知性は個己を超越することができ、無分別の分別が働くようになる。ただし、霊性は人間に普遍的なものではあるが、目覚めなければわからないものである、またその表れ方として日本的なものがあり、日本的霊性的自覚は、法然とか親鸞とかいう個己的人格を通して表れてきた。
本書によってまた、天日と大地と霊性の関係についても教えられる。まず天と大地の関係については、次のように言われる。生命はみな天をさしている。が、根はどうしても大地に下ろさねばならぬ。宗教(救い、恩、恵み……)は上天(超越、神……)からくるともいえるが、その実質性は大地に在る。萌え出る芽は天を指すが、根は深く大地に食い込んで居る、と。つぎに大地と霊性の関係については、霊性は大地を根として生きて居る。そして「霊性」に目覚めることによって始めて宗教が分かる。天に対する宗教意識は、ただ天だけでは生まれて来ない。天が大地に下りてくるとき、人間はその手に触れることができる、と語られている。
紙の本
体験だけでなく
2020/05/31 23:10
2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ただの人間 - この投稿者のレビュー一覧を見る
いわゆる矛盾としか思えない箇所が多々あるのは相変わらずだが、体験だけではなく体系も重要であると説くなど、単なる引用の羅列にとどまらない密度を感じる箇所もいくつかあったように感じる。鎌倉時代を積極的に評価するところはさておき日本の独自性を見出そうとするバイアスが強くかかっているように感じたのはある程度出版された当時の時代的背景もあってやむを得ないか。