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AIの数年後が楽しみだ
2017/08/12 21:57
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投稿者:ME - この投稿者のレビュー一覧を見る
長文の書籍だが、平易な文章で、AIが仕事に関わる現在および未来を記述している。特にマーケティングやIoTでのAIの果たす役割、ホワイトカラーの生産性を上げる必要があるという記述は理解できた。
初めに、だけ読んでも著者の言いたいことが凝縮されていると思う。同じような記述が何か所か出てくるが、長文だけに繰り返しになっても頭に入りやすい。
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全体を「第Ⅰ部 人工知能が変える10年後の仕事と社会」、「第Ⅱ部 人工知能が支える10年後のビジネス」、「第Ⅲ部 人工知能はどこに向かうのか」の三部構成として、それぞれ別々の本を出版しても良いと思われるほど、深く考察されています。
第Ⅰ部では、人工知能の現状を「強いAI―弱いAI」、「専用AI―汎用AI」、「知識・データ量の多寡」の三つの軸から現状の人工知能を解説し、ビッグデータ、IoT、ディープラーニング、FinTechなどの事例を分かり易く解説し、人工知能活用の切り口を明確にさせます。
第Ⅱ部は、人工知能を活用したビジネスの変革を、新規ビジネスから製造業、マーケティング、農林水産業、人事など間接部門について、自社開発の事例も含めて考察します。
第Ⅲ部で、欧州 米国 中国そして日本での人工知能開発の進め方を比較検討し、日本はロボットに分が有るとしつつも、過度の期待感を煽るマスコミに警鐘を鳴らし、『「なぜ」を問い続けることがどんな職業、立場でも機械と差別化できる突破口となる』と説く。
人工知能の研究者でもある著者が人工知能をしっかり捉えかつ経営者としてその活用を図る内容の濃い一冊で、とても勉強になりました。また、著者は、最近話題になっているシンギュラリティ(人工知能が人間を超えるという説)を否定して、人工知能を人間の道具として使うという姿勢で一貫している。人間の意識についての研究でも、情報統合理論や受動意識仮説などあるもののまだまだ解明できていない現状ではシンギュライティは無いとの説に私も一票です。
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体系的かつ論理的にAIの実際が語られていて、AIすごいぞとか、AIはヤバい的な本とは一線を画す。AIに何ができて何ができないかを言及。IoTや画像処理と関係性釜深く、各産業でAIの活用と今後についてはとても興味深いし、ビジネスのヒントになる。
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035 PC能力やxTechで過去にはできなかった大量データの解析可能
037 強いAI = 人間C3PO、弱いAI = 専門職R2D2
060 見て・聞いて理解する事はかなり補完可能
070 情報の収集、処理、蓄積、分析でAIの支援が必要
077 従来の仕事の流れを分解し、AIを取り入れてフローを再構築
082 消費者への対応のリアルタイム化
084 APIを活用し、データとアプリケーションの連携・活用
086 モノからサービスの生産・供給へ「ドリル」でなく「穴あけ」を提供。
086 サービスはその場で生産され消費される。在庫ができない。
093 ホテル宿泊受付 上客が出現する確率が高い時期に予約受付
099 ビールサーバの流量モニタリングで在庫補充自動化、鮮度向上。JRの床上センサ⇒センシングで何がわかるか
106 AIには何をデータ化しないのかが重要
109 AIポジショニングマップによるVoC分析や隠れた相関を見つける
130 認識系AI, 分析系AIがある
200 API活用によるエージェントで仕事の生産性をあげる
255 1本の100万PVより100万本の1PVが作成可能
266 ☆ディープラーニングによる監視業務サービス⇒画像や音による異常判定、オブジェクト認識
286 センサモニタリングによる異常判断
288 JCTシソーラスmapで専門概念の分類
293 監視・見守り・点検はAIで代替
305 住所による保険料の差異 同一価格⇒適正価格
319 製造業が情報産業で効率化⇒情報産業が製造業のセンシングを活用
324 異常検知、監視、抜き取りにAI 人間が見れる複雑な指標ではなく、単純指標の組み合わせで判断
344 マーケティングに基づくe-ビジネスの表
412 アルファ碁:過去対局データ収集⇒自己対局で強化⇒ランダム入れて再度自己対局
425 自治体でのAIユースケース事例
439 ☆自動運転による短車間距離による道路節約⇒自動運転ならではのオペレーション
447 AIは不具合の原因がつかみにくい。不具合の減災や責任の所在明確化必要。
456 AIに変わられる業務とは?
463 なぜを問い続ける事がAIとの差別化
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AIの実践本というよりは理論本。長いかなとも思ったが1章ごとが小刻みに分かれているので読みたい章から読める。
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AIの簡単な仕組み、現状の能力、今後の活用方法等に付いて分かりやすく解説されている。
現状のAIは、筆者の言う通り自意識を持つようなことはないと思われる。ただ、技術の進歩は著しいので、脳のニューロンにもっと近づく物が出てくる可能性もあり、将来の実現性は否定出来ないと思われる。
何れにしても、現状では本書で言うところの弱いAIをうまく活用し、人口減を補い、より効率的で安全な社会の実現を目指すべきである。
一方、自律的なAIの出現等の備えて、倫理的、法的規制等についても検討を進めるべきである。
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世の中で言われているようなシンギュラリティは、2045年にはやって来ない。シンギュラリティになるには、指数関数的に進化する必要があるが、AIが属するソフトウェア技術は、これまで指数関数的には変化していない。開発ツールの進化やオープンソースの共有によって2次関数的に進化が加速することはあっても、テレパシーを持たない人々の頭脳群の間で核分裂の連鎖反応のように指数関数的に思想、ひとつの思考の産物が肥大することはない。指数関数的な進化が起こった唯一の例外が半導体の高集積化である。いわゆるムーアの法則で、これらをベースにしたハードウェア上で動作させたことで、ソフトウェアが指数関数的に進化しているように見えているだけなのである。内部の基本的な計算手順(アルゴリズム)や、そもそもの計算方式(ノイマン型)の種類が指数関数的に増えたり、進化のスピードを早めたりした、という事実はないのである。
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APIとして提供されれば、情報連携が可能になる。
ホテルの予約=イールドマネジメント。高レートで客室を埋めるようにコントロールする。空き室であっても、もっとよい条件の客が現れる可能性が高い場合は、予約を断る。
エキスパートシステムのルーツは、スタンフォード大学の抗生物質の投与を助言するシステム。
星新一の肩の上の秘書=AIによるエージェント
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長く中身は濃い。
オチャメな書き方や例があって読みやすくなっている。
非常に深いので、その分野の方には良いと思いますが、入門者には十分すぎる内容かな。
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なぜAIがブームになっているかの作文が必要だったので、参考文献として読んだのだけど、非常によいね。目的を達するために2章を付箋貼って繰り返し読んだけど、こういう読み方もよいね。
内容としても、多数の根拠と事例が書かれているので、非常によいね。
読めてないけど後半はインダストリーごとの活用例が書かれていて、これもまた興味深い。分厚いので今は読まないけど、いつかまた読む。
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本書が目的とするところは、AI技術の現状を正しく伝えて、「シンギュラリティ」といったような煽り言葉によって持たれるかもしれないAIに対する歪んだイメージを正したいということにある。
著者は次のように書く。
「著者が本書を執筆した大きな動機は、今回のAIブームがバブルとなり、弾けて、前回と同様、産業応用が頓挫することを怖れた点にあります。現時点のAIが人間と同じだとか、人間的な能力、人間的なやり方(本物の意思や責任感が生み出した新発想など)で問題解決する能力で人間を超えたとか、人間が学び得るあらゆることをすでに学べるようになったので、30年以内に全人類の知能を超える、などと喧伝するのも危険といえば危険です」
また、「大したAI技術も使っていないのに普通に検索、レコメンドをした程度で「AI搭載だからすごい!」と発表するような企業によってAIがバズワードとして消費され、いわゆるガードナーの曲線のやま(Hype)を超えて廃れてしまう心配があります」 と言うとき、過去のファジーやニューロといったバズワードが消えていった経緯を思い出している。確かにファジーやニューロはまったくそれが効果を持つ根拠がわからなかったが、AIは、かつて消えていった技術とは違うことは確かである。
著者はAIの議論をする上で、言及するAIをきちんと分類して議論するべきだという。具体的には、「強いAI-弱いAI」、「専用AI-汎用AI」「知識データの量:多いー少ない」の三軸でAIを分類するべきだと主張する。
「実際には何百種類、何千種類の異なる方法、AIがあるのに、実は点義も千差万別ではっきりしない人工知能を、魔法のおまじないのように称するのは、ほぼインチキ臭いといってよい」
現時点では、「強いAI」や「汎用AI」よりも専用型で弱いAIの方が実用的で現在の技術に向いているとし、その精度向上にはデータの量が重要であるが、データが少なければ少ないなりに何とかするというのもポイントのひとつであると指摘するものである。最終的には、上手くAIと共存することができるようになったものがもっともよくAIからの利益を引き出せることができるだろう。実態としては、自然言語処理は難しいが、専用の画像認識であれば人間以上に正確にやれるし、もちろん速度も人間とはけた違いに速い。
著者はいわゆるシンギュラリティ論についても手厳しい。とにかく、シンギュラリティのような夢物語を語ることで生じる誤解やその後の幻滅期について懸念を持っているのである。
「シンギュラリティ論や、「学習」「推論」「感覚的に理解」などの用語をこのように括弧付きでAI専用の定義の下で使わずに、人間の「学習」「予測」などと混同することから生じた未来予測が氾濫しています」
著者がシンギュラリティがすぐには来ないとする理由のひとつが、脳の神経細胞との構造上の違いである。
「3Dの完全立体配線である脳は、ひとつの神経細胞が平均で他の2万個もの神経細胞とつながっており、高々周囲の数個のトランジスタとしかつながれない通常のCPUとは、何桁も複雑度が違います」
もう少し納得感のある説明を挙げると、「ディープラーニングの代表格、CNNやRNNが目下得意とする「パターン認識」は、人の脳内の思考を模した人工知能というより、目や耳からの刺激が何であるかを忠実に判定する視角、聴覚の能力」なのである。
AIの適用を業務でもやっているが、AIにも向いているところと向いていないところがあり、自然言語処理などは相当に難しく、汎用AIの出現は相当先の話であるという考えを共有している。真面目で倫理的な抑制が効いた良本。
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筆者の溢れんばかりの知識が満載。自動運転で、伊藤穣一と同じ論点が提示されていた部分は示唆に富み、今後も注意しておきたい。
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AI普及に対する過剰な期待や危機感をあおることはなく、研究者としての目線で今までとこれからをわかりやすく説明。
今回は第3次AIブームであること、人類値を超える転換点は2045年までにはこないことと明記。
AIの3軸分類 強弱 専用汎用 知識データの量で分類し、ヒトの能力の補佐とヒト脳つくりから超知能までのレベルへと方向性をわかりやすく図示
AIの得意な分野、新サービスの開発、暗黙知での動きをディープラーニング活用など具体例で示している
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「強いAI」「弱いAI」という分類がポイント。
今でこそ当たり前の分類だが、本書の出版当時としてはここの指摘は重要だったはず。
ざっくり、人間により近いのが前者で、コンピュータの得意分野(データ処理)に特化しているのが後者。言い換えると、「人間と区別がつかないくらい不完全」なのが強いAI。著者はこの領域は当分先、とみている。計算機としてのコンピュータに画像その他の認識技術を組み合わせ、「ある分野については人間よりずっと優秀」な機械、すなわち弱いAIを追究するのがビジネス的にも技術的にもトレンドだ、と。
人間にとって面倒くさいことを肩代わりしてくれる「秘書的なAI」は、我々の生活をずっと豊かにしてくれるだろう、というポジティブな未来観にも共感できた。
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・素材画像から、歌詞に合わせてカラオケの背景動画を作成するAI
・山手線の床の重量から混雑度を測定しすいている車両を案内
→それできるなら、少なくともエアコンの設定くらいしてほしい(笑)
・VOCをテキスト分析して福利厚生・時給などの観点でスコアリングし、自社/競合とのポジショニングマップを作成