- カテゴリ:一般
- 販売開始日: 2017/02/24
- 販売終了日:2017/03/09
- 出版社: SBクリエイティブ
- レーベル: サイエンス・アイ新書
- ISBN:978-4-7973-5467-6
読割 50
電子書籍
【期間限定特別価格】知られざる空母の秘密
著者 柿谷哲也
※この電子書籍は固定レイアウト型で配信されております。固定レイアウト型は文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。艦...
【期間限定特別価格】知られざる空母の秘密
知られざる空母の秘密
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知られざる空母の秘密 海と空に展開する海上基地の舞台裏に迫る (サイエンス・アイ新書 乗物)
商品説明
※この電子書籍は固定レイアウト型で配信されております。固定レイアウト型は文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。
艦隊は、「空母」(航空母艦)を軸に、イージス艦、巡洋艦、駆逐艦、潜水艦などで構成され、空母は、艦隊の中心です。本書では最新の現役空母を中心に、仕組み、発艦&着艦(デッキオペレーション)、装備、作戦行動、艦載機、世界の空母を徹底解説します。
目次
- ■第1章 空母とはなにか
- ■第2章 艦載機の発艦
- ■第3章 艦載機の着艦
- ■第4章 空母の装備
- ■第5章 空母の作戦
- ■第6章 艦載機の役割と種類
- ■第7章 世界の空母
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紙の本
本書を読むと、米国の空母と、その他の国、とりわけ中国とロシアの空母とでは、空母に期待する役割が全く異なるということが良く分かる。
2010/11/16 19:39
15人中、11人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:塩津計 - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書を読んでの最大の発見は、艦載機を射出する蒸気カタパルトの生産技術・能力を持っているのが世界で唯一アメリカだけだということだ(フランスは米国からカタパルトを輸入)。このカタパルトは最大23トンにもなるF/A18などの艦載機をたった2秒で時速300キロにまで加速して80秒に一機の割合で射出出来る優れモノだが、このカタパルトがあると無いとでは空母の能力、その性格さえも変わってしまう。
アメリカの空母はこのカタパルトを4基装備しているで、カタパルトをフル稼働させれば毎分3~4機の艦載機を離陸させることが出来る。カタパルトを装備できない国の空母だと、代わりにスキーのジャンプ台みたいな甲板を作ってそこから離陸させることになるわけだが、この方式だとカタパルトを装備した米国の空母に比べ、いくつかの点で著しく不利になる。まず、艦載機の絶対数が足りなくなる。空母は甲板下の格納庫にはあんまり艦載機を格納できない。艦載機の大半は甲板上の吹き曝しに待機させることになる。ところがスキージャンプ台方式ですと、滑走路を長くとる必要があるので、その分、甲板上に待機させられる艦載機の数が制限される。米国の空母の艦載機数は概ね80機だが、ロシアの場合、これが約半分の40機となる。また通常の場合、甲板が狭いこともあって離陸できるのは一機ごとになるが、これだと毎分4機も離陸させることの米国空母に比べ緊急時の対応でも決定的なハンデを負うことになる。
こうなると空母に期待する役割まで異なってくる。米国の空母は洋上打撃力としての任務が基本であり、敵国の付近にまで前進し、洋上から敵国の陸上を攻撃することがその主な任務である。従って艦載機もマルチロールとなって、地上攻撃任務も可能な戦闘攻撃機であるのが基本だ。ところがロシアの場合、こうはならない。ロシアの艦載機には米国のような地上攻撃能力はほとんどなく、空母を上空から護衛する戦闘機に特化したものが搭載されている。米国の場合、空母の護衛は艦載機ではなく、随伴するイージス艦や攻撃型潜水艦の任務となっている。ロシアや中国には、こうした巨大な輪形陣を組んでの堂々たる横綱相撲を取るだけの海軍力が無く、そもそも米国の真似をすることが不可能なのだ。洋上打撃力が無いとすると、じゃあ、ロシアや中国は空母に何を期待するのかというと「洋上ミサイル発射基地」としての役割を果たすことなんだそうだ。米国には洋上ミサイル基地の役割はイージス艦によって担われている。わざわざ防御の弱い空母型の船を浮かべ、イージス艦で出来る程度の仕事を巨額の費用のかかる空母に担わせる理由が分からない。米国ばかりが空母を持って、大国たるロシアや中国が空母なしでは恰好がつかないとでも思っているのだろうか。
しかし、もしそうだとすると中国やロシアの海軍首脳は馬鹿なのではないかと思えてしまう。そもそも米国を除くほとんどの国が空母を持っていないのはなぜかというと、空母を保有するには恐ろしくコストがかかる割には防御が弱く脆弱で、一旦攻撃されるとその被害が甚大になる(つまり割に合わない)ものであるからなのだ。米国空母ロナルド・レーガンの建造費は45億ドル。艦載機などの装備も含めると総コストは軽く1兆円を超える。乗員の数は約6000人。これが攻撃されて沈没するとなると一挙に甚大な損害を被ることになる。しかも空母は燃料、その他で莫大な費用を食う。江畑謙介氏は空母は何もしないでも1日1億円くらいのコストがかかると書いていた。しかも、である。艦載機は着陸する際には甲板に張り巡らしたアレスティングワイヤーにフックを引っかけて止まる形を取る為、艦載機の構造は一般の航空機では全然異なるものとなっている。これは開発するにも保有するにもコストが倍になるということだ。更に空母から離着陸するのには大変な技術を要する。上空から空母を見るとほとんど点にしかみえない。そこへ時速240キロで着陸し、ワイヤーにフックを引っかけて急ブレーキをかけるのは並大抵の練習では出来るようにはならない(だから厚木飛行場の騒音被害は無くならない)。
本書を読むと「アメリカの海軍力って、すごいなあ。アメリカの空母って凄いなあ。日米安保条約で守られている我が国ってラッキーだなあ。分際もわきまえずアメリカに対する無謀な対抗心から空母建造計画をぶち上げたシナ人って、やっぱり馬鹿なんだなあ」と思わずにはいられない。中国は空母を2隻くらい建造する計画を立てているようだが、もしかするとこの中国の計画は「傾国の海軍計画」になるのではないか。
紙の本
やや古い本ですが、お勧めできます。
2016/04/10 17:57
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:瀬戸内在住の猫 - この投稿者のレビュー一覧を見る
「浮かぶ飛行場」とも呼ばれる、空母に関する知識をまとめた一冊です。
刊行が2010年と、2016年現在では古い情報もあるので、他の本で情報を補完しなければならない部分もありますが、空母の使われ方や装備に関しての主な説明は、2016年現在でも充分通用すると思います。
(2016.4.10執筆)