紙の本
贅沢な6つのホラー短編集
2021/04/29 03:32
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投稿者:たっきい - この投稿者のレビュー一覧を見る
贅沢な6つのホラー短編集。全てではありませんが、誰かが体験した怖い話を紹介するという形式。当たり外れは感じたものの、いろんなバリエーションがあって楽しめました。雰囲気的な好みでいうと『湯治場の客』山奥深くの湯治場にやって来た主人公。旅館で偶然知り合った隣の部屋の客と一緒にいる時になぜかどこからか男性の声が聞こえるという体験をするというもの。怖っと思ったのは表題作と『ドールハウスの怪』、どちらも家の中を題材にしたものですが、得体の知れない怖さを堪能できました。
電子書籍
あとあとさん
2020/01/20 13:35
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投稿者:ハム - この投稿者のレビュー一覧を見る
あとあとさんが一番面白かったです。怖差は控えめでしたが、普通に面白かったですし、短編なので短い時間で読める。
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講談社ノベルズ版を買っているので再読。
『あとあとさん』『ドールハウスの怪』『湯治場の客』、何度読んでも好きだ。
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三津田さんの小説の冒頭が好き過ぎる……。それがこの1冊で6回も読める幸せ。永遠に読んでいたい、なんて思ってしまいます。
『つれていくもの』がオチを含めて一番怖くて面白かったです。次は『赫眼』を読んでみたいです。
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表題作で心臓ドキドキ慄いたものの、全体的に謎めいた不思議色が濃く男性願望が入ったエロい状況が多かった印象。まあこれはこれで…w
余韻で不意に恐怖に駆られるのはお約束。『あとあとさん』の語り手の母親の立場から話を反芻してみるとおぞましさにブルッとなるし、読んでる最中はコントのようだった『湯治場の客』は一見普通と思ってた人の普通じゃなさを目の当たりにする現場を実際に想像すると怖気立つ。マイルドに終息と思いきや、やはり後を引くなぁ。
タオルを頭からすっぽり被って追いかけてくる2歳の息子。連想しちゃうからやめて~。
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拭えども魍魎は肌に滑り憑く。ホラー短篇小説集
再会した友人は、奇妙な話を語り出した。幽霊屋敷と噂の奇っ怪な邸宅。無人でも廃墟でもなく、時折人影や窓の明かりが目撃されるという。彼は館に独り忍び込むが……(表題作)。怪談の姿を借りて迫り来る恐怖譚6篇。
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三津田信三の連作ホラー短編集。
いずれも作者が体験した、もしくは友人知人から聞いた話という体裁をとって綴られており、虚虚実実錯綜する臨場感と酩酊感を潜ませている。
個人的には「ドールハウスの怪」が出色の怖さ。
奈良の小学校に転校してきた金貸しの息子が、蔵の二階でドールハウスを発見するが、中に配置された人形の家族構成は何故か彼の一家とそっくりで……
ドールハウス自体が発端となるのではなく、そのドールハウスで遊んだ行為がのちの元凶となって、怪異が現実を浸蝕し惨劇が連鎖していく入れ子構造がなんとも不気味でおそろしい。
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表題作である「誰かの家」は文句無しで面白い。怪奇小説として短いながら上質。また、「ドールハウスの怪」も面白かった。設定的にはよくあるものだが、得体の知れなさからくる恐怖はさすが三津田氏といったところ。
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この作者の作品には手放しで楽しめるし怖がらせてくれる安心感をもう持っている。
どの作品からも漂うしっとり、じっとりした恐怖感がたまらない。
この時期に読むにはぴったりな「つれていくもの」。
「あとあとさん」では怖さプラス嫌な感じの後味をあじわい。家シリーズに通じる感じの「ドールハウスの怪」。雰囲気最高で一番好みな「湯治場の客」。湿度の高さが一番な「御塚様参り」。息苦しさを十分味わった「誰かの家」。
作中でもいろんな作品に触れられてガイドとしても活用できそう。その上に日下氏の解説でより多くの関連した作品をあげてくれてるのが嬉しい。
本編、解説共に大満足。
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作中著者が挙げているように、「オチの無い訳が分からない話」達からなる6編の短編集
理屈がつきそうでつかない、あれこれと考えてみても訳が分からない、起こり得ないことや不可解な整合等が背後からじわじわくる不気味な感じ
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雑誌に連載した短編ホラー6編を収録。個人的には鄙びた湯治場で筆者が遭遇する不思議な体験を描いた「湯治場の客」が、ほんのりと色っぽさもあってお気に入り。ほかの作品も少しずつ読後感が異なり、満足感のある一冊に仕上がっている。
また、日下三蔵の解説も、ホラー小説のガイド的な読み方もできる充実したものになっていて、しっかりと本の価値を高めているのもよい。
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どの短編も怖くて非常に楽しめたが、「ドールハウスの怪」が一番のお気に入り。映画、『アナベル 死霊人形の誕生』でもドールハウスが出てきたのを思い出した。もしかしてドールハウスは恐怖のメタファーとして、ホラー業界では有名なのだろうか?
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再読。湯治の話以外はど」も怖くて楽しかった。
著者は家に関するホラーが得意分野の一つであるが、表題作は異色の設定で怖がらせる感じ。主要な登場人物以外は病者が無機質で、問題の家の無音の不気味さを暗示する。他の家関係の賑やかな怖さと異なるのが一風変わって魅力的。
ドールハウスの話はホラーというよりは不気味という感じ、呪いの話は奇妙な味わいの怖めな幻想小説という感じ。どれも読んで損はないと思う。
最初の短編はこれもあまり派手な立ち回りのない静かな怖さで、男の下心がエンジンになって話が回り始めるのが興味深い。怖い存在の見た目や立ち居振る舞いが全然怖くないのが怖い。あとあとさんは著者の得意な古い家と老人の不気味さを合わせたイレギュラーな味わい、リンゴジュースやオレンジジュースでなくグァバジュースみたいな。
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作者が自分の体験や他人から聞いた怪談話を小説に直して読者に提供しているという構成の小説。最初の話はそうでもないな?とも思ったが、順を追うごとに、三津田信三ワールドが炸裂した。すぐ後ろに恐ろしいものが立っている。得体の知れない何かが家の中にいる。この作者が書くそういう類いの話はとにかく怖い。怖くて読むのを躊躇うが、何が待ち受けているのか分からないとなお怖い。そういう感情が、作中に出てくる人物の「振り返りたくないが、正体が分からないのは嫌」という心理とリンクして、よりリアルな恐怖を味わった。
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表題作がすごくすき!臨場感とドキドキが半端じゃないです。三津田作品まだまだ初心者だけど怖い家の話はぜんぶ素晴らしいです。