読割 50
電子書籍
宣教師ニコライとその時代
著者 中村 健之介
幕末の文久元年(1861)七月、25歳の若きロシア人司祭が箱館に到着した。その名はニコライ。それから約50年にわたって、彼は日本人にロシアのキリスト教を伝えるべく奮闘。 ...
宣教師ニコライとその時代
ワンステップ購入とは ワンステップ購入とは
宣教師ニコライとその時代 (講談社現代新書)
商品説明
幕末の文久元年(1861)七月、25歳の若きロシア人司祭が箱館に到着した。その名はニコライ。それから約50年にわたって、彼は日本人にロシアのキリスト教を伝えるべく奮闘。 ロシアに帰ったのは二回だけ。それも布教の資金を集めるための一時帰国だった。「(駿河台にある)ニコライ堂のニコライ」として知られ、多くの人びとの尊敬を集めた彼が遺した膨大な日記から読み解く「もう一つの明治」。
目次
- はじめに
- 第一部 布教者ニコライ
- 第一章 激動の日本へ
- 第二章 活動資金に悩みつつ
- 第三章 意志の人
- 第二部 観察者ニコライ
- 第四章 文学者へのまなざし
- 第五章 あまりにもロシア的な
- 第六章 日本、にしひがし──各地布教の旅日記
- 第三部 日露戦争とその後
あわせて読みたい本
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
この著者・アーティストの他の商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
小分け商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
この商品の他ラインナップ
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
紙の本
ニコライ堂に行く前にどうぞ!
2011/05/07 23:07
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ゆうか - この投稿者のレビュー一覧を見る
御茶ノ水の駅前から見える、ニコライ堂を見たことがありますか?
ロシア正教会(ギリシャ正教)は、カトリック、プロテスタントと共に
キリスト教の流れのひとつ。
1861年から約50年間、日本人に教えを伝えるために奮闘した
ニコライ。彼は明治期の外国人の中でもひときわ大きな存在感を示して
いる。
彼は40年に渡って日記をつけていたのだが、関東大震災で失われたと
思われていた。死後残した財産もなきに等しかったニコライの「記録」。
1979年秋、この本の著者中村健之介は、ペテルブルクの古文書館に
「日記」が保管されていることを突き止める。
2007年に中村氏を含む19人の訳者による「宣教師ニコライの
全日記」が教文館から全9巻で刊行されているが、なかなか高価でかつ
分厚く、素人としてはちょっと手が出しづらい。
この本も350ページと、講談社現代新書にしては厚めだが、とりつき
やすさは比較にならない。
日本の各地に正教徒がいたこと、資金をロシア本国から必死に送って
もらっていたことなど、活動の内訳もわかりやすく紹介されている。
ロシア文学に興味がある人は、プーシキンやトルストイ、ドストエフ
スキーについて言及されている部分を楽しく読めるだろう。
何より、この本を読んでしみじみと感じるのは、ニコライの人間と
しての豊かさだ。おしゃべりなおばさんたちの生態を、身分の高低に
関係なく皮肉に書き留めてみもする。本人が善意の人、ずるい人間の
言動を想像する能力に欠けていて、しかも報復しないので、何度も
だまされ、利用される。かと思えば自分の感情のままに怒りをぶつけて
しまったと反省してみたり・・・
こんなニコライが信じている神は、素朴であたたかい。彼はひたむきに
神のために行動し、伝道旅行をする。読み進むうちに、彼が出会う信者の
誠実さにこちらまで、ほっとしてしまう。
こんな人がいたのか、と思わせてくれる、おすすめの1冊です。
紙の本
続編的なもの
2024/02/25 00:03
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ichikawan - この投稿者のレビュー一覧を見る
同じ著者による『宣教師ニコライと明治日本』がすでにあるが、本書はこの続編的なものとなっている。前著では十分に取り上げられなかった人物や出来事にも触れられているので合わせて読みたい。