紙の本
これぞ三津田信三!
2018/07/06 16:00
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投稿者:ぷわち - この投稿者のレビュー一覧を見る
ここ最近、三津田作品は「忌物堂鬼談」や「魔邸」など、出版されていたものの、どちらもあまり楽しめませんでした。
前者は三津田作品にしては珍しくかなりグロく(グロいの苦手)、後者は何か色々浅いしグダグダで。
でも今作は違いました。
読み始めて数メージで「この本は絶対に面白い!」と確信。
久々に三津田信三ワールド炸裂の本を読むにあたり、もうページをめくるのが、読み終わるのがもったいなくて。
とにかく一行一行丁寧に読み、できるだけ風景などを正確に想像しつつ読みました。
舞台となるのは、正面は海、背後は険しい山という村。
現在でも陸の孤島と言え、険しい山道を行くか、海から小舟で向かうかしか出来ません(遠浅の為大きな船は入れない)。
遠浅の海は、不味いと評判のタコくらいしか獲れず。
背後の山は、畑など作る広さはなく。
貧しさに苦しみ続けた歴史を持つその村では、海でも山でも、不気味な怪異が起こり、語り継がれてきました・・・。
最近の三津田作品に物足りなさを感じていた三津田ファンも、かなり楽しめる作品だと思います。
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海辺の村に古くから伝わる4つの怪談。
今なお進行中のものもあり、冒頭から不気味さが漂います。
この4つの怪談を模したように起こる連続殺人事件。
刀城言耶が偲相手に事件の解釈を語っていき、その中に真実が。
最後はなんとも不気味な終わり方です。
久しぶりのシリーズ、読み応えありました。堪能しました。
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2018年83冊目。冒頭の4つの怪談。その怪談になぞらえたかのように起きる連続殺人。終盤突きつけられる70もの謎。推理のスクラップ&ビルド。最後の圧倒的カタルシス。シリーズの魅力が存分に詰まった大作でした。個人的には最初の事件のトリックがかなりお気に入り。
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刀城言耶シリーズ。恐ろしい四つの怪談と、それになぞらえたようなあまりに不可解な事件の数々。そこはかとなく漂う怪異の気配と、地域に隠された古くて恐ろしい真相。言耶と偲の掛け合いが楽しいのでさくさく読めるのだけれど、重厚で読み応えたっぷりのホラーミステリです。
とにかく謎が魅力的。竹林の謎が一番印象的だなあ。そして恐ろしい方法でもあるし(こんな殺され方はしたくない)。ラストの怒涛の解決篇には振り回されっぱなしで(どれもこれもが真相のように思えるじゃないの!)、村の秘密にも愕然。いや、なんとなく見当はついたものの、そこまでのこととはっ。
とまあ事件は綺麗に片付いたかのように思えたのですが。やっぱり最後の最後でこういうのが来るかっ! 読み終えた後も、不気味な雰囲気がずっと尾を引く一冊です。
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タイトルで一目瞭然の刀城言耶シリーズ。
冒頭の4つの怪談から凄く面白い。そして怪談になぞられる様に起こる4つの不可能事件。怪談の方はウヤムヤな結末でも構わないが、事件は論理的に解決しなければならない。刀城はいつもの如く仮説の推理を組み立てては壊しを繰り返して、やがて真相に辿り着く。
トリック的に一番良かったのは最初の事件で、残りの3つはちょっと苦しい。それでも、ホラーとミステリの融合は今回も成功していたし、このジャンルで著者の右に出る者は当分現れないだろう。
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刀城言耶モノとしては久しぶりの作品。
前作は肩透かしの一作だったが、今回はまさしく三津田ワールド全開。
怪異な話が4本続き、そこから連続殺人事件が繰り広げられる。しかも密室条件付き!
が、何故か満足感は今一つ。こちらの期待が高くハードルが上がったのは仕方ないとしても、話が走らない。
殺人事件が起きるまですでに200ページ、そこからはテンポは良いが捜査側も全く精彩がないし、動機も犯人もさほど意外性もなく、次々に解き明かされる謎もあまり深さを感じなかった。
読みにくいキャラ名や地名は毎度のことながら、不要なモノが多すぎた。
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どの考察も楽しめた。船については人身御供のほうの解釈のがゾッとしたししっくりきたかな。
あれだけ色々な考察、トリックを次々出し惜しみなく披露されると圧巻。
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いくつもの仮説が出され、そのたびにウンウンと思うが実はそうではないというのが続いて、一体真実はどうなのともどかしい。
それにしても怪談は怖いし、後味ももやもやしたものが残る。とりあえず夏の間に読んでしまえてよかった。
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刀城言耶シリーズ。
相変わらずのホラ-調だけど、ストンとはいってくる推理&どんでん返し。
楽しませていただきました。
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刀城言耶シリーズ最新刊。
久しぶりのシリーズで楽しく読めたが、以前に比べて気味悪さが少し薄い気が。
相変わらずの色々な考察は面白かったが、真相のトリックは無理はないのだろうか。
蓬莱さんの存在も結局はっきりしないし。
ただ面白かったのは確か。
次作に期待。
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刀城言耶シリーズ久しぶりの新作。
いつもの「土着風俗」を背景にした殺人事件が・・という流れ。
まあぶっちゃけたこと言うと、トリックというか真相は幾分予想できた流れだったり「え?マジでそれだけ?」な肩透かし感もなくはなかったですが、なんともおどろおどろしい雰囲気だったりするいつもの世界観を堪能できただけでも非常に満足。もっというと新作が読めただけで満足だったりもしますw
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刀城言耶シリーズ最新作。
冒頭に語られる四つの怪談。それになぞらえるかのような連続殺人事件。
いずれも密室状態という、刀城でなくても堪らなく興味を惹かれる…というかと言えば、むしろどんどん陰鬱になっていくような雰囲気。
閉塞的な寒村、歴史を遡ればおぞましくも悲しいほどに貧しいことが印象的で、多分こうしたことは日本だけでなく世界中どこにでもあったのではないかとも思える。
結局刀城が解き明かした真実は明るみにはならない。そうしても意味のない、誰も救われないことが分かっている。
その結末もまた同様。
それでも刀城は全国を訪ね歩くのだろう。
事件の構図としてはなかなか面白い。シリーズ作品はここ最近下降気味かなと個人的には思えていただけに、久しぶりにのめり込んで読めた。
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刀城言耶シリーズ長編。なんだか久しぶりのような気が。しかし安定の怪異っぷりでした。最初の怪談部分はいささか読んでいて長い気もしましたが、怪異に追われる姿を書かせれば右に出るものなし、といつも思うこの恐怖感。その後の展開はあっという間でとんとん拍子に読み進められます。でも今回は久々だったせいか、祖父江さんのわがままっぷりに若干イラつきました。
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刀城言耶シリーズ第9弾。
海と断崖に閉ざされた寒村で、怪談をなぞるように次々と不可解な殺人事件が起こり、居合わせた刀城言耶が古くから伝わる怪談と殺人事件の謎に挑む。
やはり三津田信三ではこのシリーズが一番好き。じっとりと重厚なホラーテイストで、特に怪談はゾクゾクと怖い。
殺人事件の解決はそれに比べるといまいち盛り上がりに欠けるが、ラストでまたスーッと背筋が寒くなるのがこのシリーズの醍醐味。
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民俗学系のホラーが相変わらず素敵。
推理部分はそこまでインパクトなかった。
序盤地名とか名前の漢字読めなくて前ページとだいぶパラパラした。