紙の本
認知表現学の知見を使って、読ませる・聞かせるテクニックを教示してくれます!
2020/02/09 14:26
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投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、表題にもありますように、私たちが相手に伝えたいことを、相手にしっかり読んでもらえるように、また聞いてもらいえるようにするためのコツ・テクニックを認知表現学の知見から系統的に教示してくれる画期的な一冊です。内容も、「わかる技術の基礎」、「表現の目的」、「表現する前に頭の中で起こっていること」、「さまざまな<わかり方><わからせ方>」、「気持ちを引き込む表現の工夫」、「相手の知識の世界に配慮する」、「<読みたい><聞きたい>気持ちにさせる表現の技術」となっており、これを読むことで、会議での提案、学会発表、講演、道の案内板、上司の指示などが今までとは一味も二味も違ったものになること間違いありません!
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文章の「書き方」の本はたくさんあるが、この本で何か画期的な書き方が提起されているわけではなく、むしろ「題目文は最初に」など、ごく当たり前のものがほとんど。
この本が面白いのは、それらの「書き方」がなぜ分かりやすいのかを、認知心理学の知見を用いて解説しているところ。
つまり、どうすれば「読ませる」「聞かせる」ことができるのかではなく、なぜ、その方法で「読ませる」「聞かせる」ことができるかの解説書。
ただ、そうは言っても、もう少し具体的な「書き方」の実践例があるともっと分かりやすかったかなぁ。
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<目次>
認知表現学の基礎
第1章 わかる技術の基礎~人間の情報処理システム
第2章 表現の目的~自分を知る・心を開放する・伝える
第3章 表現する前に頭の中で起こっていること
第4章 さまざまな「わかり方」「わからせ方」
認知表現学の実践
第5章 気持ちを引き込む表現の工夫~「わかりたい」「わからせよう」と思わせる
第6章 相手の知識の世界に配慮する
第7章 「読みたい」「聞きたい」気持ちにさせる表現の技術
<内容>
昨年まで東京成徳大学学長だった心理学者の本。この本はもともと1988年出版の『こうすればわかりやすい表現になる』(福村出版)のリメイク本である。30年ぶりの復刊だが、古さは感じられない。むしろ今の世の中でわかりにくい表現がてんこ盛りの中、本の作りも語り口もわかりやすく、飲み込みやすいものである。30年間で認知表現学(心理学)も大幅に発展したと思われるが、基礎の部分はここに盛り込まれているのではないか?と思われる。
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ブクログの献本に当たりました!ありがとうございます。
筆者が教職者であることを随所に感じる本。
微に入り細に入り、あらゆるケースに適応出来るよう浅く広く説明してくれている。
幅広く伝える技術を学ぶにはとても参考になる本。
エンタメ性はほぼない。書いてる方がものすごくまじめで、正確さにこだわっているのがよくわかる。
やはり、いい意味でも悪い意味でも教職者が書いた本で有るという印象が強く残った。
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献本です。楽しみにしてた。
けど、
読んでもよくわからない。
頭悪い人間にも、わかりやすく書いてほしい。
気軽に読むより、その道すすむひとが
知識の一冊として、積んどくかんじ。
ポンコツ脳には、わかりやすく、腑に落ちて、
明日誰かに話したい〜って思えるモノにしてほしい。
タイトル変えた方がいいな。
理解できるよう繰り返し読みたい。
目的はそこか?
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ブクログさんの献本企画に応募して、頂戴しました!ありがとうございます!
海保先生の本では、以前「こうすればわかりやすい表現になる-認知表現学への招待」(福村出版)でお世話になったことがある。本書はそのリメイク版であると書かれていた。
ブルーバックスからの出版ということで、単なるノウハウ本ではなく、根拠となる心理学上の理論を関連付けて展開されているということですね。確かに、前書より深い。
認知心理学を表現に生かすことにより、より分かりやすく相手(読者)に伝える技術を身に着けることができる。
その原点に、人間の情報処理システム、つまり短期記憶と長期記憶のメカニズムが説明されており、これを知ることが大前提のようだ。
表現活動が発生しているとき、短期記憶内で、①構想を練り表現システムへ変換し、②その結果を評価して、もっとよい表現を考え、③あるいは構想を練り直すと言ったことをしているという。・・・確かに、短期記憶の領域でやっているような気がする。
そしてその上記のプロセスは、長期記憶の中に貯蔵されている膨大な知識を存分に活用して実行されるという。
・・・確かにそうかもしれない。
著者は言う。「したがって、よりよい表現ができるかどうかは、この知識の量と質にも強く影響している」と。
またあるページでは、国際化に伴う異文化の交流や異なる言葉での交流が増えたり、寿命(一生のサイクル)が長くなったこと、生活スタイルの多様化などにより、「伝えたい情報の増大化」傾向を指摘され、だからこそ「わかりやすい表現」は伝達コストを下げるという社会的な有用性があると述べられている。なるほど~と、著者の考え方に思わず共感した。
本書にも例示されているが、巷には、わかりにくい表現が蔓延っている。これらは結局、一人ひとりのロスタイムにつながり、トータルでみれば莫大なコストの無駄遣いと考えられないことはない。これは恐ろしいことだ。
上記のメカニズムに基づき、読み手の短期記憶時の負荷を下げるにはどう表現したらよいかとか、長期記憶に貯蔵されている知識や質に応じた表現とかの各論へ展開されている。各論の中では、さらに細部の手法などについて紹介されている。
認知心理学の権威である著者とすれば、「メンタルモデルに配慮した分かりやすい表現」のあたりが特に訴えたいポイントであるのかもしれない。
多少、表現技巧のまずさがあっても、相手の心を動かす熱意のようなものがあれば、そのまずさを相手のほうで補ってもらえることがあると言われている。少々の表現下手は、熱意でカバーできるということか。これは本書の趣旨とは異にする部分だろうが、興味深い。
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人が文章をどのように理解するのかを,脳の特性に基づいて説明してくれえるため,わかりやすい。
ありがたい本です。
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わかりやすい表現というのは本当に難しいけど、その事に取り組むことは非常に面白い。
興味深い内容だが、どうも私にとってはわかりづらい文章でした。
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心理学者が、心理学(+脳科学)の観点からどうすればわかりやすく、記憶に残るようなコミュニケーションができるかを書いた本。文章はわかりやすいとも言えないし、少し上から目線なところがあるが、コミュニケーションの上で大切なことも述べられており、勉強になりました。
新しい学び
・わかるということが、「長期記憶」と同化できたときに起こる
・人は分からないという不安定な状況を解消するために個々人のメンタルモデルを持っており、それに合ったコミュニケーションをとること
・事実・内容よりも表現方法が重要なことがある(アメリカの実験:内容がハチャメチャな面白おかしい講義のほうが評価が高い)
あと、外山滋比古さんが「日本はパラグラフ感覚がないから、大きな思想が生み出せない」ということを紹介していて納得。
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自分と筆者とは、ベースとなる長期記憶の中身が違いすぎて、とてもわかりづらかった。心理学を学ぶ人との接触が一切ないからだろう。メンタルモデルの大きな相違。「わかる」だろうと思われてるだろうが、よくわからない。しかしそこだけでも、この本を読む意味があったかもしれない。
それにしても、もっとわかりやすい表現があろうかと思う(笑)
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誰もがブログやSNSで表現者となっている時代。表現することの大切さと難しさを痛感している人も多いはずです。本書では、表現することを、どうしたらわかりやすく伝えられるのか、著者みずから名付けた「認知表現学」をもとに系統立てて解説します。あふれる情報のなか、自分の発信するものをどうしたら読んでもらえるか、聞いてもらえるかが見えてきます。1988年刊の著書『こうすればわかりやすい表現』新装版。
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どうすればよいのかをポンッと提示している
よくあるハウトゥー本とは違った。
認知心理学に基づき
なぜそうすべきなのかを解説している。
新鮮なアプローチだがよい表現者になるには
理論、実践、評価を繰り返すことだと
定説に落ち着いている。
実生活に即した例が少なく
実践するには自身で消化することが必要。
ただ、言われたことをやるのは抵抗がある
自分で考え、納得してことを進めたいタイプにおススメ。
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無邪気に「わからなかった」とか言っちゃいけない本。自分のレベルが達していないだけ、と自白するようなもの(かも)。
認知心理学の視点で「わかる」とは何かを初歩から解説しているのは丁寧だけどまだるっこしいと感じる面もある。
「メタ認知」という概念は、いろいろ解明されていないらしいけど面白いですね。
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文章の書き方や、プレゼンの仕方の指南書。
それらの技術を伝授する本はたくさんあるが、認知心理学の立場から述べているところが、本書の特徴だろう。
つまり、わかるとはどういうことかを解き明かして、その状態をもたらすにはどうするか、という考え方をするのだ。
本書で「わかる」とは、外部から短期記憶に入った情報を、長期記憶にある既有知識と照合することだそうだ。
わかるには、いくつかの種類がある。
本書では、論理的に、行動的に、直感的にわかるというものと、確信をもってわかる、気持ちよくわかるというものが並置されている。
メカニズムについてもわかっていないものもあるらしく、くいう気持ちの悪い分け方になるのは仕方がないことかなあ。
自分にとって意味のあったのは、わかることには結構情意的なものも重要だということだった。
わかった感覚を持たせるのも大切だ、ということだ。
わかりたいという気持ちを喚起するには、適度なわからなさが必要。
そのためには相手の反応を見て、少し冗長な表現、専門用語をさけるなど、わかりやすい表現をするといいらしい。
しかし、ここで情緒に訴えることも有効だそうで、有名人とのつながり、面白いエピソード、身だしなみやジェスチャーを利用するなども手だし、あえて専門用語をちりばめてすごそうな雰囲気を見せることもあり、だという。
表現には相手のバックグラウンドに配慮するのが大事とはよく聞くことで、本書でもそれがとりあげられている。
その際、メンタルモデル(頭の中にあるその人の世界)によって説明していく。
で、それが大切なことは、本書以前に誰しもいうことで、このモデルを持ち込んで何か新しい知見や、整理の仕方ができたかというと、残念ながらそうでもない。
結局、比喩、図などイメージの活用、全体像を最初に伝える、今どの段階にいるのかを伝える、区切りごとにまとめをする…と挙げられていく。
経験的に知られていたこと、まあ、経験則が正しかったということなのかなあ。
あと、「自然な文」(p105)、「題目語を冒頭に」しているためわかりやすい文(p182)の例文が、ちょっとどうかな?と思わせてしまうのも残念。
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人が“わかる”ということを説明した上で、どうすればいいかを書かれている本。
どうすればについては更に詳しい技術本があるでしょうが、“わかる”ということをこれだけわかりやすく要点をまとめた本は珍しい。