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わたしだけのアイリス
著者 源孝志
色覚異常に見舞われた気鋭のカメラマン海咲は、父の死の真相をつかみ、立ち直ることができるのか?故郷・天草を舞台に繰り広げらる赦しと再生。作家・映画監督の著者がおくる感動の物...
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商品説明
色覚異常に見舞われた気鋭のカメラマン海咲は、父の死の真相をつかみ、立ち直ることができるのか?故郷・天草を舞台に繰り広げらる赦しと再生。作家・映画監督の著者がおくる感動の物語。
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紙の本
華やかな女性写真家が、致命的な病を抱えつつ再生する物語
2019/04/16 20:00
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:juzen - この投稿者のレビュー一覧を見る
アイリス(Iris)──眼球の中の虹彩のこと。人気ファッションフォトグラファーでありながら、「虹彩=レンズ」に病を持ち、徐々に進行する色覚異常により生き方を変えざるを得なくなる34才の女性主人公。作者が映像関係の出身の人であることに興味を持ったのが一つと、小説の各章の題名が「色名」で建ててあることに興味をそそられて読みました。各ページにいくつもの「色名」が出てきて、おそらく全文では数百種類に及ぶ「色名」を知ることになります。本編の始めに「色温度」の話が出てきます。私もこの主人公と近い境界領域での仕事をしていたこともあり、もう25年くらい前、MacintoshのPCにモニターを接続するときに「白色」は6500K(ケルビン)に設定したことを思い出しました。物語は、フォトグラファーを諦めたヒロインが病気の進行に合わせて、確執を抱えていた母親もろともに一度は捨てた故郷・長崎へ舞い戻り、過ぎ去った日の恋心を確かめたり、新たな人生をつかむために、正にキリスト教徒のごとく長崎からフランスへ、そしてイタリアへの「巡礼の旅」をする、そして新たな人生を回復させる物語でした。映像が目に浮かぶような小説です
。作者のモチーフとなった遠藤周作の「沈黙」記念館が長崎にあり、本小説のスタート地点だったようです。