紙の本
食べることは、生きること。遺伝子組換のその先に。
2018/08/18 21:07
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投稿者:I - この投稿者のレビュー一覧を見る
食の安全が問題となっているが現在、
私たちは、食べ物についてどのくらい把握しているのだろうか。。。
種がいかに大切かが分かる1冊。
遺伝子組換え技術と薬品会社が繋がっていること。
家庭菜園の種って?
扱いやすさ、生産性を追い求めた先は?
身近な問題であり、生物全体の問題。
多くの人に読んでほしい。
紙の本
「火の鳥」のタネ屋が考えたこと。
2018/10/10 21:12
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投稿者:銀の皿 - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者の野口さんは関東で代々作物の種を得る「種屋」の三代目。家業を継ぐ前に虫プロに勤めていた。「手塚漫画世代」と言っても良い著者の世界観には手塚治虫さんの影響が大。本書は作物用の種子の現状を著した物なのだが、その背景にはその世界観がある。
商業栽培から家庭菜園用まで、今はF1(エフワン)とよばれる「そこから種を取って植えても違う形質が出る」または「種が取れない」種子が販売の主流になっているというのだ。
種子の作り方から売り方まで、日本での過去から最先端までを原理的の説明を混ぜながら語られる。科学的な基礎を理解しておこうとのあたりは、これも医学を学んだ手塚治虫さんの精神を継いでいるようなところかもしれない。古くから地方ごとに適応して作られていた特徴のある品種が売られなくなり、世界的に均一になっていくことへの疑問も良く理解できるところである。
ただ、後半ミトコンドリアの話が出てくるあたりからは飛躍が多くてついて行きにくかった。
タネの話なのであるが、虫プロや「火の鳥」の話としても面白い。いや、実はその部分が一番面白かったと云う方が正確かもしれない。
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知人から植生の問題としてF1種ことを聞いたのが、この本を手に取るきっかけとなりました。
F1と言っても自動車レースのことではありません。一代雑種、異なる品種をかけあわせた一代目の雑種のことだそうです。学校の生物の時間にメンデルの法則というのを習いましたが、子の代には両親の優性形質だけが現れる。また、縁遠い交配には、雑種強勢といって成長が早まったり、収穫が増大する効果があるそうです。
今市場にある野菜のほぼすべてが、これらを利用し成長も品質も均質な収穫ができるようにしたF1種だとか。ただし、このF1種から取れたタネを育てても、孫の代では遺伝子の劣性形質を現すものも出現するため、F1種は一代限り。
一方、異種交配の無い固定種と呼ばれるものは、兄弟姉妹でそれぞれ個性があるように、成長も大きさもまちまちで、現状の流通に適さないが、味や品質と言った面では優れている点が多く、採れたタネでまた次の世代を育てることができる。その過程でよく育つものを選り分け、何年かかけてその土地にあった品種に育てていくことができるそうです。
現代の流通機構に都合のいいF1種ですが、その親種を維持するのが大変だそうで、元々おしべの欠如した変異種を育てたり、遺伝子操作による方法が主流になりつつあるとのこと。
著者は、本来の野菜の味、その土地に合った野菜の重要性の再認識、こういった人為的操作で育てられた野菜を摂る人間側への影響について警鐘を鳴らす。
固定種が失われ、F1種を生むための歪められた親種が席巻しつつある中に、温室効果ガスだけでない重要な環境問題が含まれているように思います。
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引用
アインシュタインの予言と言われるものに、「もしハチが地球上からいなくなると、人間は四年以上生きられない。ハチがいなくなると、受粉ができなくなり、そして植物がいなくなり、そして人間がいなくなる」
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普段食べている野菜がどうやって作られているのかを知ることに、役立つ本です。
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『火の鳥』の意志を継ぐ者
~~小さな生命を守り伝える物語~~
著者である野口さんに一度でもお会いしたことがある方は、その独特な雰囲気に圧倒される。
口を開けば微小なミトコンドリアから宇宙の話、太古の昔から未来まで話題は縦横無尽に飛び交う。
田舎の種屋さんとは思えない博識さと発想の豊かさにきっと驚かれることだろう。
その野口さんが世に訴えてきたことが一冊の本になった。
永遠の生命を持つ『火の鳥』、そして今も野口さんの心のなかで生き続ける手塚治虫の意志を継ぎ、小さな生命(いのち)に願いを込める。
本書の中で野口さんは訴える。
「僕は、まだ地方の固定種が細々とでも残っているうちに、各地のいろいろな固定種のタネを日本中にばらまきたい。そしてタネの持つ多様性の花を開かせ、地域地域に合った『新品種』に変化させたい。
タネを入手した人の中から、江戸時代のタネ屋のような、野菜の進化の手助けをしていくれる人が少しでも増えて、未来の野菜が生命力に満ちあふれ、それを食べた人々がより健康になって、『火の鳥』のようにあらゆる生命が光り輝く地球となるよう願ってやまない」
タネに関心のある万人にとって必読の書である。
【Radix事務局:成田】
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今、読んでいる途中ですが、僕の中ではベスト10に入るでしょう。ちょっと衝撃を受けました。野菜がこういうことになっているなんて、知りませんでした。ひいては、蜜蜂が、人間の精子に至るまで。確かに、考え得ることです。「ハチはなぜ大量死したのか」もよみました。
タネ、ミトコンドリア、自分が口にするモノ、もう少し考えていきたい。
今までのことを否定するわけではないが、一つの方向しか考えてこなかったことは確かであろう。それが、正しいとか、間違っているとかではなく、別の方向も考えないと、何かを失いかねない。もう、かなり失ってしまっているが。
この本を読んで、再度深く考えるものがありました。
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帯表
タネを守ることは、生命を守ること。
菅原文太さん木村秋則さん推薦!
帯背
タネから生命を考える
帯裏
F1種は現在、雄性不稔という花粉のできない突然変異の個体から作られることが多くなっている。
子孫を残せないミトコンドリア異常の植物だけが、たった一粒から一万、一億、一兆、一京と無限に殖やされて、世界中の人々が食べていることを、どれだけの人が知っているだろう。
子孫を作れない植物ばかり食べ続けていて、動物に異常は現れないのだろうか。
タネ屋の三代目だから感じた素朴な疑問を、しばらく追究してみたい
-「はじめに」より
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私が子供の頃から「種なしブドウ」を食べてきましたが、最近では「種無し巨峰」も売り出されていて食べる側としては種を出す手間が省けて良いなと思っています。しかし「種無しブドウ」の「種」はどのようにできるのかと考えた場合、そのタネこそが、この本で取り上げられている「F1種:一代雑種」です。
10年以上前に遺伝子組み換え植物がアメリカで導入されたときに、多くの議論があったと記憶していますが、アメリカではかなり浸透しているようです。この本を読みながら、私たちの食べている果物や野菜の「タネ」について興味を持つ必要があると思いました。
この本でも触れられていましたが、最近ミツバチが失踪しているのが気になりました。
以下は気になったポイントです。
・メンデルの法則により、系統が遠く離れた雑種の一代目には雑種強勢という力が働いて、生育が早まったり収量が増大することがわかり、こうした原理を応用して人工的に作られたタネがF1である(p5)
・野口種苗は全国で唯一、固定種のタネの専門店を自称している(p6)
・昭和30年代頃までの固定種は、何世代もかけてその土地の気候風土で選抜淘汰を繰り返してきた野菜である(p16)
・欧州では食べ物にも階層があった、ローマ皇帝・法王は鳥、その次は空中になっている樹上の果物、次に野山を走り回っている獣、その次が葉っぱ、最下層が土の中から引きぬく大根やカブで悪魔や家畜、奴隷の食べ物(p36)
・日本は西洋とは逆に、菜っ葉類のカブや大根は五穀に次ぐ食べ物と見做された、漬物等は位が上の者も食した(p36)
・日本国内で最も古い人骨は約1万8000年前のもので、沖縄県具志頭村で見つかっている女性のもの(p45)
・20万年前にアフリカで誕生した人類は、定説では約6万年前にはアフリカ大陸を伊達世界中に広がった(p46)
・精子のミトコンドリアDNAは遺伝しないのは、哺乳類の場合、卵子の中のミトコンドリアは10万個、精子は100個で、卵子の中に入るとすぐに分解されるため(p51)
・アフリカ大陸では太陽光線が照りつけ紫外線が非常に強いので、肌にメラニン色素がたまって黒肌となったが、北欧では太陽光線が弱いのでメラニン色素が欠如することになり白人が生まれた(p64)
・外国野菜は業務用、外食産業で消費されている(p70)
・世の中が平和になって一番困るのは、爆弾や毒ガスが余ったこと、爆弾の材料は化学肥料に、毒ガスの材料は農薬に変わった(p91)
・単一作物を生産して都会に提供する農家であれば、価格が暴落しても作物を廃棄して生産調整に協力すれば補助金を出すという「指定産地制度」のおかげで日本中の農業がモノカルチャーになり、周年栽培を売り物にしたF1が台頭した(p95)
・密閉されたハウスの二酸化炭素濃度を3~5%に高めると、成熟した花が自分の花粉でタネをつける、その際にミツバチを放して受粉作業をさせる(p114)
・雄性不稔とは、植物の「やく」や「雄しべ」が退化して、花粉が機能的に不完全���なる(不妊症)となることで、これを利用してF1のタネが作られる(p121)
・中国では雄性不稔のF1米が稲全面積の58%(短粒子は3%)、アメリカは39%、日本では1%弱(p147)
・ターミネータ技術により、種の次世代以降の発芽を抑えて、農家で自家採取が不可能になり、特定のタネ会社からしかタネが買えなくなる(p155)
・ネズミやサルなどの野生動物は、F1品種(雄性不稔という技術を使ったもの)は食べなかった(p196)
2011年11月23日作成
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植物の種子についての本。
現在手に入る種子はほとんどが一代雑種とよばれるF1です。
F1は生育が早い、収量が大きい、耐病性が高いなど、大量生産大量消費の現代に呼応して作られた品種です。
スーパーなどに陳列される際には、大きさや見た目が均一であることも求められます。この要求にもF1は応えることができます。
と、良いことづくめのように聞こえますが、良いことの裏には悪いことがついているものです
ある植物から取れた種子を植えると、次代に親と同じ性質の植物ができるのが自然の摂理。でもF1の種からできる次代は、姿形が揃わず「メチャクチャな異品種ばかりになってしまう」のです。
F1種は、雄性不稔という花粉のできない突然変異個体から作られることが多くなっていて、これらは子孫を残せない。著者は、子孫を残せないミトコンドリア異常の植物を世界中の人が食べ続けていて、動物に異常が現れないのか、という疑問をもとにこの本を書いています。
現在、市場に出回っている野菜は、
・キュウリ:「ブルームレス」というカボチャ台木に継いだ真っ青なF1
・小松菜:小松菜に青梗菜をかけ合わせ、茎が太く線維が強くなっている。出荷の時に折れにくく日持ちも良い。
・白菜:家畜用カブの花粉を白菜につけたもの。家畜用カブの性質が現れるため耐病性が高い
また、菜の花では、受粉をさせるときに周囲の二酸化炭素濃度を3~5%(通常濃度の100倍以上)に高めると、植物の生理が変わって自家受精するようになるそうです。かつて受粉は人の手で行われていましたが、二酸化炭素濃度が高いのでミツバチを使うそうです。
などなど、知らなかったことがたくさん書かれていました。
F1種を食べることで、動物に異常がでるのかは分かりませんが、人為的な遺伝子組換えやクローン動物を認めるときに感じる不自然さは否めません。
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男性の精子減少の原因は「タネ」にあり?
タネには「固定種」と、「F1種」がある。
固定種とは、地域で何世代にも渡って育てられ、自家採種を繰り返すことによってその土地の環境に適応するよう遺伝的に安定していった品種。昭和30~40年代ごろまで伝統的に使われていた。味がよいが、サイズや生育速度にばらつきがある。
F1種(first filial generation)とは一代雑種、または交配種とも呼ばれ、異なる性質のタネを人工的に掛け合わせて作った雑種の一代目。味は固定種より落ちるが、生育が早く、収穫後の日持ちがする。サイズの揃いがよい。
戦後から高度成長期にかけて食糧事情を改善するため、より多く、より早く、均一な作物(ばらばらのサイズだと量り売りせざるを得ず手間がかかる。均一な大きさだと一本単位で販売できる)に対するニーズが高まったため固定種からF1種へのシフトが起こった。現在世の中に流通している野菜や花の種のほとんどがF1種である。
さて、ここから本題だが、そのF1種の作り方に問題があると著者はいう。
F1種は「雑種強勢」を利用しているので、自家受粉しないようにする必要がある。昔は雄しべを一つ一つ摘み取っていたのだが、手間がかかり過ぎるため、現在では花粉を持たない「雄性不稔」のものを見つけ、それをかけあわせに使っているのだ。この雄性不稔が曲者で、人間で言ったら精子がないことに相当するのだ。
これは科学的に立証された話ではないので仮説の域は出ないのだが(本人も仮説だといっている)、潜在的リスクを意識する上で傾聴に値する話だと思う。
つまり、こういうことだ。
1940年代には精子1ccあたり1億5千万の精子がいたという。それが今、平均値は4千万以下で約4分の1に減少した。さらに、成人男性の2割が不妊症といわれるレベルの2千万以下だという。
1940年代以降、固定種に代わってF1種が市場に流通するようになった。いまでは人間が摂取する食物がほとんどF1種のものになった。F1種は雄性不稔性をもつ。雄性不稔性の食物を大量摂取することで人間の精子減少に影響を与えているのではないか。
これに対する遺伝子組み換え産業や分子生物学者のいう反論はこうだ。
「人間が食べたものはすべて体の中で胃から小腸へ行って、低分子のアミノ酸に分解され、それが血管を通じ全身の細胞に再分配されて高分子のたんぱく質に組み立てられる。だから、遺伝子組み換えされた植物を食べても、消化吸収されて血液を通って全細胞に向かう。遺伝子もみんな高分子のたんぱく質だから、低分子のアミノ酸に分解されてしまえば消滅してしまう。低分子のアミノ酸は細胞の中のDNAやRNAで高分子のたんぱく質に組み立てられる。だから遺伝子組み換えされた野菜を食べても、人間の細胞や遺伝子が異常になるようなことはない。」
これはDNA研究の第一人者、フランシス・クリックのセントラルドグマで分子生物学の基本原則である。高分子の遺伝子やたんぱく質を食べても、それがそのまま人間の体や動物に作用するわけがないという考え方である。
ところが、その節はBSE(狂牛病)の発生によって崩れた。BSEはプリオンと呼ばれるたんぱく質で構成された物質が原因という見方が主流になっている。アミノ酸にまで分解されるのであれば、狂牛病の牛肉を食べてもまったく害はないはずだが、現実に人間が感染してしまった。もちろん、BSEがどのような経緯で人間に感染したのか諸説さまざまあるが、遺伝子の動き、人間が吸収する食べ物がもたらす影響はなお分からないことだらけなのである。
だからといって、安全な固定種だけにせよ、といっているわけでもない。固定種だけでは膨大な人口を抱える人類の食料需給を満たすことはできないからだ。著者はせめて自家菜園くらいは固定種をつかったらどうかと提案している。F1種の内在しているリスクを知った上で、これからの「タネ」のあり方を考える必要があるのだろうと思う。
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世界大戦が終わり 爆弾の使い道が無くなったために その材料である化学薬品を 農薬に転用して 世界に広めていったことは 非常な皮肉・・ 元々の地力を化学肥料で弱めているのに、食物の育ちが思うようにならないからといって、品種を改良し、虫がつくからと農薬を撒いて と、読んでいると 地球にも 植物にも申し訳なくなるような気持ちがします。
F1の野菜 および 種 がほとんどを占めてしまう今日、F1が悪 だ とは言い切れませんが 人間のあまりに欲にかられた姿に ぞっとしました。
F1の種の作り方も大変衝撃的で、「雄性不稔」から後の 著者の推測は 著者ならずとも 私自身も〝もしかしたら・・〟という考えは頭をよぎりました。
食育が叫ばれていますが、種の作り方 食物の作り方という 根っこのこの部分のことも 知っておかねばならないのではないでしょうか・・
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普段、私たちが食べている野菜のタネはどんなものなのか。
F1と呼ばれるタネについてわかりやすく解説。
たかがタネと思われがちだけど、タネは私たちの食べるものを作るもの。すなわち私たちの体はタネの影響を大きく受ける、といっても過言ではないはず。もっとたくさんの人に関心を持ってもらいたい問題
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敢えて
社会評論にしたい!
ただ
「おいしいもの」を食べていることが
「是」とされる現代だからこそ
全ての人に届けたい
その根本に存在する「危ないタネ」の事を
こうして 発信しておられることの意義を感じる
「形のそろった野菜」
「突然変異の個体」
「雄性不稔」
「子孫を残せない」
「ミトコンドリア異常」
これらが
全て
一粒の「タネ」から
始まっている
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著者は、若い頃は手塚治虫の下で編集者として活躍し、その後実家の種屋を継いで現在に至る経歴の方。
タイトルに惹かれて読んでみたが、勉強になって面白かった。
野菜の種というのは現在、F1と呼ばれる一代限りの種が主流で、市場で流通している作物はこの種で生育されたものがほとんどである。この種の利点は、取れた作物の大きさや形が均一で見栄えが良いことや、生育までの期間が短い、病気に強い等市場が求める大量生産と農家が求める耕地の収穫効率アップに貢献していることなどである。その反面、野菜の持つ味やにおい等「野菜らしさ」にはやや欠けていて、味に個性がないし、一代限りなので、この野菜から取れる種は、次世代には使えない。或いは実を結ばないなどの欠点もある。
著者は、小規模な種屋として、従来型の固定種を販売しているが、美味いけれど形も大きさも不揃いな固定種は、市場からは少なくなっているのが現状である。(それがタイトルにもなっている)今一度、この在来型固定種で作られた野菜を見直して欲しいというのは著者の願いでもある。(手塚漫画のポリシーを各所に引用)
内容はエッセイ風で著者の経験と主張がとても判り易い。
昔は果物の種を取って育てたりしたが、現代の市場の野菜が一代限りのタネ作られているということは知らなかった。都市に住んでいると、値段の高い野菜=美味い野菜というイメージがあるが、供給側に立つと均一で味がそこそこで見栄えが良い=値段が高い野菜であって、美味い野菜なのに見栄えの良くない野菜は、出荷されず地元で消費されているらしい。固定種は世代を経る毎にその土地に馴染んだ美味い野菜になる。そこで著者は、何代でもタネが取れる固定種こそが、自家菜園に向くと考えてこれを推奨している。
マンガ「美味しんぼ」の山岡さんが、美味い野菜を求めて、田舎の産地を巡るのはその辺の事情をよく知っているのかもね。
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何億年、何千万年と続いてきた植物(特に野菜)の営みが今このような状況にあるとは知りませんでした。経済優先、人間のワガママの結果とはいえ恐ろしく感じます。ミツバチのイナイイナイ病を取り上げ、人類への警鐘を鳴らしています。毎日口にするものであり、もっと真剣に考えなければいけないでしょう。