- カテゴリ:一般
- 販売開始日: 2018/08/16
- 出版社: 岩波書店
- レーベル: 岩波科学ライブラリー
- ISBN:978-4-00-029654-0
電子書籍
クモの糸でバイオリン
著者 大崎茂芳著
クモとつきあうこと40年.「クモの糸にぶら下がる」など数多の挑戦を経て,ついに「クモの糸でバイオリンの弦をつくる!」という無謀な試みへと突き進む.――暗中模索,数年がかり...
クモの糸でバイオリン
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クモの糸でバイオリン (岩波科学ライブラリー)
商品説明
クモとつきあうこと40年.「クモの糸にぶら下がる」など数多の挑戦を経て,ついに「クモの糸でバイオリンの弦をつくる!」という無謀な試みへと突き進む.――暗中模索,数年がかりで完成した弦が,やがて名器ストラディバリウスの上で奏でられ,世界的な反響を巻き起こすまで.たゆまぬ好奇心が生んだ成功物語のすべてをレポート.
目次
- 目 次
- はじめに
- 1 クモのことをもっと知りたい
- クモとの出会い/クモの巣のいろいろ/7種類の糸を使い分け/クモの命綱/行く先々でクモを採集/クモとのコミュニケーション
- コラム タバコの煙でクモが暴れる
- 2 クモが繰り出す魔法の糸
- 柔らかくて強い/クモの糸の不思議な構造/クモが教える安全対策/高温に耐える/紫外線で強くなる/水を吸って縮む/ヒトはクモの糸にぶら下がれるのか?/クモの糸でトラックを牽く
- コラム 人工クモの糸の夢
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紙の本
「努力の楽しさ」が感じられる。
2016/12/16 16:59
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投稿者:銀の皿 - この投稿者のレビュー一覧を見る
高分子化学が専門の著者がクモの糸に関心を持ち、それはバイオリンにまで広がっていく。
クモの糸をどうやって集めるのかのあたりは動物行動学の面白さ。どのぐらいの強度があるかの研究では、化学的な測定はもちろん自らハンモックでぶら下がったりテレビ番組で車を引っ張ったりもする。「糸なら音はどうだろう」もどんどん話が大きくなっていってしまい、読んでいると「この人は何の専門家なんだろうか」と不思議になってくる。しかし「なぜ良い音がでるのか」の波長分析をしたり、断面構造を解析したり、ちゃんと論文という形にまで持っていく過程は科学者そのもの。論文の投稿先をどこにするかに苦慮した、というのも興味深かった。発想が独創的であれば、既成の枠からはみ出てしまうということなのだろう。
高分子からクモ、そしてバイオリンの音響学へ。著者の関心の広さに驚くとともに、課題を一つづつ片付けていく行動力をうらやましく感じた。なかでも「努力の楽しさ」が感じられるのが一番うらやましかったかもしれない。
他にも既に一般向けの著書も出ているので、かなり著者もまとめに手馴れてこられたのだろう、著者の広く「知りたい」心が良く伝わってきて、門外漢でもするすると楽しく読めた。