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死にゆく者の微笑 イヴ＆ローク４
ロークのもとで働く若者が首吊り自殺を遂げた。口には笑みが張りついていた。それからまもなく、ひとりの悪徳弁護士が自宅の浴室で手首を切って死亡した。血に染まったバスタブのなか...
死にゆく者の微笑 イヴ＆ローク４
死にゆく者の微笑 （ヴィレッジブックス イヴ&ローク）
商品説明
ロークのもとで働く若者が首吊り自殺を遂げた。口には笑みが張りついていた。それからまもなく、ひとりの悪徳弁護士が自宅の浴室で手首を切って死亡した。血に染まったバスタブのなかに横たわる彼は、無気味にもほほえんでいた。ともに自殺の動機はまったく見当たらない。果たして謎の笑顔は何を物語るのか？ ハネムーンから帰国したばかりのイヴは、ピーボディ巡査を従えて捜査に乗り出す。だが、彼女は知らなかった――事件の背後には彼女とロークを虎視眈々と狙う人物が潜んでいることを！
ロマンティック・サスペンスの大ベストセラー、第4弾！
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紙の本
今回のカギはマインドコントロール
2011/08/02 09:07
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者：紫月 - この投稿者のレビュー一覧を見る
シリーズ第4作目。
ロークの元で働いていた若いエンジニアが自殺。続いて弁護士、議員と自殺者が続く。
何の繋がりもない彼らだったけど、死体に張り付いた笑み、脳の小さな損傷といった共通項があった。
イヴは他殺の可能性を考えて、捜査に乗り出す。
しかしイヴとロークも犯人の標的となっていて……。
ハネムーンを終えたばかりのイヴとローク。ラブラブ度急上昇といったところだ。二人の固く結ばれた絆をベースに、物語は展開していく。
また助手となったピーボディーは有能で、コミカルで、イヴとはベストマッチだ。信頼のおける、新たな友情の始まりでもある。
そして今回のカギはマインドコントロール。
知らぬ間に、誰かに心が操作されていたら。
それと気づかないうちに、意に染まぬ行動をとらされていたら。
誰かの支配欲のために、自ら死を選ぶよう、操られてしまったら。
心を操作するということは、暴力によって他人の言動を封じるのと何ら変わることはない。
進歩した科学や技術によって、様々なことが可能になった近未来の世界においても、イヴの正義はゆるがない。
今回も、犯人に対して敢然と立ち向かうイヴの姿は爽快だ。
また、近未来という舞台設定の本書では、ヴァーチャル・リアリティ?・プログラムなるものが出てくる。
海でのクルーズや田舎の牧場などのリクラゼーション、セクシャルな幻想、イヴが行ったように、薄汚れた路地での敵との格闘など、様々なプログラムを、まるで現実のように体験できる。
いいなあ、こんなプログラムがあったら。
世界中どこにでも旅行に行けるようなものだし、小説の世界の主人公になることだって可能だ。
しかし、ひょんなことからセクシャルなプログラムを体験してしまったイヴが、ロークにきまり悪げに告白するシーンは笑える。プログラムを仮想浮気として罪悪感に囚われ、しかも、嫉妬してほしいと考えるなんて!
イヴも、ロークと出会ってから随分と変わってきたようだ。
