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カラマーゾフの兄弟 4
著者 ドストエーフスキイ著 , 米川正夫訳
暴力を否定し,調和的な愛を強調するこの作品は,作者最後のかつ最高の傑作で雄大な構想,複雑で緻密な構成,人間精神の深刻な把握,また人類の苦悩に対する深い理解と愛情とをもつ....
カラマーゾフの兄弟 4
カラマーゾフの兄弟 改版 第4巻 (岩波文庫)
商品説明
暴力を否定し,調和的な愛を強調するこの作品は,作者最後のかつ最高の傑作で雄大な構想,複雑で緻密な構成,人間精神の深刻な把握,また人類の苦悩に対する深い理解と愛情とをもつ.淫蕩なフョードルを父に持つ三人の兄弟を主人公に,悪夢のような一家の形成から破滅に至るまでの複雑多岐な内容を短時日の事件の中に描き出す.
目次
- 目 次
- 第十一篇 兄 イ ワ゛ ン
- 第 一 グルーシェンカの家で
- 第 二 病 め る 足
- 第 三 悪 魔 の 子
- 第 四 頌歌と秘密
- 第 五 あなたじゃない
- 第 六 スメルヂャコフとの最初の面談
- 第 七 二度目の訪問
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紙の本
アリョーシャと少年たち
2004/04/04 17:13
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投稿者:明けの明星 - この投稿者のレビュー一覧を見る
ドストエフスキーはもともと2部構成の第1部としてこの物語を書きましたが、第2部は彼の死によって永久に日の目を見なくなりました。第2部について、ドストエフスキーの頭脳にどんな構想が渦巻いていたのか、我々は知る由もないのですが、逆にいえばアリョーシャの未来、少年たちの未来を自由に空想することができます。第2部は読者にゆだねられていると言えます。
アリョーシャは最後のシーンで「このことを憶えておきましょう!」と少年たちに言います。憶えておくということは追憶することで、追憶することは物語ることです。物語るということは体験との真摯な格闘を意味します。その体験が自分にとって重要なものであればあるほど我々は慎重に物語るはずです。物語ることはその体験に意味を付与することだからです。アリョーシャはこの体験を幻想か夢かにしてしまうのではなく、真摯にその意味を考えよう、と言っているのです。そしておそらく、アリョーシャは読者にも「憶えておきましょう!」と言っていると思います。