電子書籍
猪瀬直樹電子著作集「日本の近代」第11巻 日本凡人伝
著者 猪瀬直樹
語っているのは、「あなたによく似た」ふつうの人々。収録作『日本凡人伝』(1983年11月弓立社刊、1985年2月新潮文庫、2013年3月ちくま文庫)は、「日本の近代」を現...
猪瀬直樹電子著作集「日本の近代」第11巻 日本凡人伝
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日本の近代猪瀬直樹著作集 11 日本凡人伝
商品説明
語っているのは、「あなたによく似た」ふつうの人々。
収録作『日本凡人伝』(1983年11月弓立社刊、1985年2月新潮文庫、2013年3月ちくま文庫)は、「日本の近代」を現場で作ってきた人たちの声を集めたインタビュー集。語っているのは、「あなたによく似た」ふつうの人々。
葬式中継アナウンサー、鉄道のダイヤを組む「スジ屋」、人の死期が臭いでわかってしまう化粧品会社の調香師……有名でも何でもない人たちの、怒り、悲しみ、仕事への誇り。市井の人々の胸中にさりげなく入り込み、ときに本気で怒らせながら、巧みに本音を引き出した痛快無比のインタビュー。日本人の過去、現在を映し出す、名もなき人の声を聞く。
本書には巻末に文庫にはない、自伝的エッセイで構成された「猪瀬直樹略年譜」を収録。「猪瀬直樹」がいかにして出来上がったかをうかがわせる内容になっている。ほかに、「日本凡人伝」シリーズの解説として、関川夏央氏「『普通』であることの偉大さ」(新潮文庫版『日本凡人伝 二度目の仕事』1988年4月刊)、大岡玲氏「夢の新しい叙述法」(新潮文庫版『日本凡人伝 今をつかむ仕事』1993年12月刊)を収録。また、シリーズの雑誌連載開始時を振り返る佐山一郎氏のエッセイ「『日本凡人伝』の頃」、小島信夫氏との対話「ノンフィクションと文学のあいだ」(1996年3月河出書房新社刊 文庫版『ミカドの記号論』所収)も併録する。
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紙の本
八〇年代を体感しよう!
2002/11/17 17:01
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:クマちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
猪瀬直樹っていうと、理解するのに相当な知性とか知識が必要で、電車での通勤通学途中にちょこっと読むっていうイージーリーディングにはまったく向いてないものだと思っていた。でも、周囲の友達、特に三十歳代の編集者とかフリーライターとかやっている人たちが「日本凡人伝」はおもしろいなんて言うから買ってみて読んだら、なかなかおもしろかった。インタビュー集ってこともあるかもしれないけれど、文章が音楽のように体の中を流れていく。言葉が気持ちよく流れていくまま、編集者、漫画家、アナウンサー、資生堂やソニーの社員などなど、いろいろな人たちの語りから一九八〇年代の日本が見えてくる。
私が特におもしろいと思ったのは、「明日のジョー」の梶原一騎のインタビュー。栄華を極めた人が没落した様が、その人の生の声を通して痛々しく伝わってくる。
約二十年前に書かれた本だけれど、ライブ感があって生き生きとしている。八〇年代に思い入れがあって、その頃の時代性を再現して「体感したい」人にオススメです。
紙の本
職業と日本人の勤勉性
2004/09/04 18:28
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ヤタガラス - この投稿者のレビュー一覧を見る
猪瀬直樹著作集12巻を購入し、1から順に読んで11番目まできたが、もっとも気軽に、退屈しないで、すらすらと読める内容であった。10巻目までは、緻密な取材によって事実を丹念に掘り起こしての検証であり、かつまた、巻末の解題がなぜこんなに長いのかと少々読みあぐねていた。
凡人とは、普通の人という意味であるが、本書の帯には「あなたに似た人」の痛快な人生と紹介されている。しかし、葬式中継アナウンサー、鉄道ダイヤの作成をするスジ屋、捕鯨の砲手、都はるみのマネージャー、山口百恵ちゃんに億ションを売った人など、その世界でそれなりに力を発揮した必ずしも凡人ではない人たちである。それとも、自分自身に才能がないし特技がなくて、あらゆる人たちの人生がすばらしく見えてしまうのだろうか。
資生堂の香料研究所に勤める人物で、ラブホテル帰りも見分けられる臭覚の持ち主の話が紹介されているが、死期が近い人の臭いも感じとったというのであり、こんなに敏感な能力があれば他人のいろんなことを感じて観察することができるのであろうが、必ずしも仕事に必要とされる能力でないときは、かえって雑念が入って仕事にならないだろうと思ってしまう。
敗戦から日本が世界第2位の経済大国となった要因の一つは、その職場その職場で生産性を上げられる人間が多いからである。本書は、いろんな分野での日本人の勤勉性をよく表現したことに意義があり、日本人の勤勉性こそが凡人と言い得ることを立証している。