移動都市
【『モータル・エンジン/移動都市』映画原作】トムは移動都市ロンドンに住む、ギルド見習いの孤児。久々にロンドンが獲物を追って疾走中だというのに、博物館で陳列品のほこり払いだ...
移動都市
商品説明
【『モータル・エンジン/移動都市』映画原作】トムは移動都市ロンドンに住む、ギルド見習いの孤児。久々にロンドンが獲物を追って疾走中だというのに、博物館で陳列品のほこり払いだ。我慢できずに仕事を放りだし、けんか騒ぎまでおこした罰に、最下層での作業に追いやられてしまう。そこで出会ったあこがれの史学ギルド長は、親しく声をかけてくれたばかりか、捕獲した町の解体作業の監視に同行させてくれた。天にものぼる心地のトム。だが、ギルド長の命を狙う謎の少女ヘスターを助けたことで、彼の運命は一変する。大きな都市が小さな都市をむさぼり、大都市同士が共食いする奇怪な世界を舞台に、たくましく生きるトムとヘスターの冒険を描いた、傑作シリーズ第1弾。
目次
- 第一部
- 1 〈狩り場〉
- 2 ヴァレンタイン
- 3 ダストシュート
- 4 アウトカントリー
- 5 ロンドン市長
- 6 スピードウェル
- 7 ハイ・ロンドン
- 8 交易寄合
- 9 〈ジェニー・ハニヴァー〉号
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宮崎駿のアニメを連想させる冒険活劇
2009/01/19 12:33
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:homamiya - この投稿者のレビュー一覧を見る
作者名もよく見ないで適当買いした本が「あたり!」だと、とても嬉しい。この本は久々なそんな出会い。
イギリス発の未来SFファンタジー。
宮崎駿のアニメがよく似合いそうな、生き生きと冒険が描かれる映像的な作品。
日本SF大会に参加したSFファンの投票で決定される「星雲賞」受賞作。というから、人気もあるのだろう。確かに面白い。
60分戦争と呼ばれる戦争で荒廃した世界。
人類は、キャタピラのついた移動都市に住み、荒地を移動しては、他の移動都市を襲い、資源を奪う。
反移動都市連盟という一部の人々だけが、土の上に住み、移動都市の民からは「野蛮人」と呼ばれている。
時に、発掘により、古い文明の一部が垣間見える。
CDと呼ばれるキラキラ光る円盤だったり、アメリカの神だったと推測される「ミッキー」「プルート」という像だったり(こういうユーモアも面白い)、ストーカーと呼ばれる、人間の死体から作る兵器だったり・・・。
主人公・トムが居るのは、移動都市ロンドン。
(このように、現代の都市の名前をそのまま引き継いだ移動都市が出てきて、それぞれ、都市の特色が豊かで面白い。小技が効いている)
史学ギルドで下っ端の仕事をやっている最中のふとしたきっかけで、アコガレの人・史学ギルド長ヴァレンタインと知り合う。
そこから、物語が始まる。
ヴァレンタインを殺そうとする少女。
なぜ、立派な人物であるヴァレンタインが少女の恨みをかっているのか?
少女の顔についたいたましい傷のワケ。
少女の襲撃を必死で止めたことから、トムの運命は大きく変わり、生まれて初めてロンドンを出て世界を放浪する旅に出る事になる。
大小さまざま多彩な移動都市。
空にうかぶ飛行都市もあり。
疾駆する都市どうしの争い。狩り。
発達した飛行技術。飛行船や飛行都市での戦闘。
発掘された古代兵器の暴走。
反移動都市連盟のスパイ。芽生える小さな恋。
目をつぶると、いちいちダイナミックな映像が浮かぶようで楽しい作品。
シリーズ4部作の1冊目。2冊目までは翻訳されて文庫が出ているようだ。