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現代思想としての環境問題 脳と遺伝子の共生
著者 著:佐倉統
環境問題はいまや世界的関心事であり、政治・経済・文化(倫理)・科学等の次元から論じられるが、〈自然対人間〉という二項対立を越える議論は数少ない。本書は「環境と人間は生物の...
現代思想としての環境問題 脳と遺伝子の共生
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現代思想としての環境問題 脳と遺伝子の共生 (中公新書)
商品説明
環境問題はいまや世界的関心事であり、政治・経済・文化(倫理)・科学等の次元から論じられるが、〈自然対人間〉という二項対立を越える議論は数少ない。本書は「環境と人間は生物の進化の織りなすDNAメタ・ネットワークとして一体化する」という立場から、環境問題とは情報の肥大化した文化によって人間が危機に立っていることを意味するとして、コンピュータに希望を見る。生命をめぐる現代思想を軽快に駆け抜けて展開する論考。
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紙の本
生物学から見た環境問題の真相
2001/07/01 01:49
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投稿者:sai - この投稿者のレビュー一覧を見る
「脳と遺伝子との共生」。これが本書の副題だ。なぜ、環境問題に脳や遺伝子が関係するのか。筆者によれば、ぼくらの遺伝子は「地球上のあらゆる生物と類縁関係にある」。なにせ人間とチンパンジーとでは、99%遺伝子がダブっているのだから。その意味で、人間は他の動植物とともに、自らの適応情報であるDNA遺伝子を持った存在だ。
でも一方で、チンパンジーと異なる1%がある。これが脳が監督役となって生み出した「ミーム」と呼ばれる文化の遺伝子である。たとえば避妊法やら酒、タバコなど、どうみたって適応に反するような(生物的な遺伝情報としては引き継がれない)文化を、脳は、わずかの時間で作り出してしまった。そういう意味では、文化の幕開けを告げる大規模な農耕から現在の森林伐採にいたるまで、どれも「ミーム」の仕業なのだ。ここから筆者は、環境問題を、遺伝子情報を無視した脳の暴走と解釈する。では脳の暴走を食い止める、すなわち脳と遺伝子との共生のための秘策はどこに求められるか? 本書の最終章にそのヒントが記されている。