読割 50
電子書籍
外食王の飢え
著者 城山 三郎
私大卒業まぎわ、倉原礼一は卒論を破り捨てた。自分は一流の人間でなければならぬ。私大卒の資格はいらない。野望は福岡に端を発した。レストラン「レオーネ」のチェーン化に奔走する...
外食王の飢え
ワンステップ購入とは ワンステップ購入とは
外食王の飢え (講談社文庫)
商品説明
私大卒業まぎわ、倉原礼一は卒論を破り捨てた。自分は一流の人間でなければならぬ。私大卒の資格はいらない。野望は福岡に端を発した。レストラン「レオーネ」のチェーン化に奔走する倉原。一方、首都圏には沢兄弟の「サンセット」が進出。倉原は首都圏決戦を挑んだ。外食産業の覇者をめざした男の野望と情熱をえがいた傑作長篇小説。
あわせて読みたい本
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
この著者・アーティストの他の商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
小分け商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
この商品の他ラインナップ
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
紙の本
選ばれた男の生き様
2001/02/16 14:15
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:taigo - この投稿者のレビュー一覧を見る
経済小説の書き手としては一番好きな城山三郎の最高傑作。一代で巨大レストランチェーンを築き上げた男の物語である。
大きなことを為し遂げる男というのは、何者かの大いなる意志によって動いているのではなかろうか。そう思うことが、成功者の評伝を読んでいる時ある。もちろん本人は自分で考え決断しているのだが、俯瞰してみると最初から定められた道をたどっているように見えるのだ。その道に進もうとした最初の一歩、数々の苦難・逆境、大きな成功、そして終焉。
本書の主人公倉原礼一の人生も、そのように書かれているように私は思う。働き過ぎによって体を壊しぼろぼろになっても、なお前に進み続ける。そこにはもはや外食産業の覇者を目指すという当初の目的はない。前に進まなければいけないという何者かの声を聞いているかのように、行き着くところが奈落の底だとしても前に進む、ただそれだけである。
だから私は本書のラストに、納得した。このような生き方をしてきた人間は、このように終わらなければいけないはずだ、そう読みながら思っていたからだ。
選ばれた男はいかに生きるべきか。その答えがここにある。