投稿元:
レビューを見る
【本屋大賞『極夜行』完成までの三年間に何があったか】『極夜行』完結に要した時間は三年。天測を現地で学び、夏にはセイウチに襲われた。そして犬との愛憎物語等スリリングなプロセス。
投稿元:
レビューを見る
『極夜行』の準備期間の数年を描いた一冊。『極夜行』の中で、折に触れて登場する、準備期間のいろいろな検討や事件などが詳しく記載されていて楽しいです。
また、『極夜行』は基本的に単独行だったけど、こちらのほうはタッグを組んで旅をしていたり、シオラパルクの人たちとのいろいろなやりとりもあったりして、それも楽しいところかなと思います。
『極夜行』を読んだ後だから楽しめる部分も大きいと思うけど、『極夜行前』を読むとまた『極夜行』を読みたくなります。どっちから読んでも結局はとても面白いと思います。
投稿元:
レビューを見る
自分のオススメは『極夜行』読後に本作を読むこと。
『極夜行』は予備知識などなく、いきなり読んで感じて欲しい。
投稿元:
レビューを見る
2021年4月11日読了。
その名の通り、「極夜行」への準備を綴った本。
Amazonで買った六分儀を手にカナダ極北で、極夜を体験し、本番の「極夜行」の舞台を決め、グリーンランドのシオラパルクに行くこと数回、極夜行に向けて、食糧をデポしながらルート調査を行う。
「極夜」とは、冬の間太陽が出ないことを意味し、よく聞く白夜の逆である。
真っ暗な中、GPSを持たず天測で自らの位置を測り、全てをおいて自己の責任で探検する。
19世紀の探検家に近いかたちの探検だ。
何年にも渡り、膨大な準備をしたにもかかわらず、本番の開始時期にトラブルが発生するのは読んでのお楽しみとしておこう。
「極夜行」は数年前に読んだのだが、本作を踏まえ再読してみたくなった。
投稿元:
レビューを見る
前作「極夜行」は非常な名作でした。
息苦しい明けない夜の中を犬を道連れにさまよう臨場感が最高でした。
コミカルさがブレンドされて思わずくすっとさせる能力まで手に入れて、何処まで行くのか角幡唯介という出来でした。
今回はそんな「極夜行」の準備段階を本にしているのですが、侮るなかれ、本編に負けず劣らず、というか準備の方が死にかけている位すごい。セイウチとの海上チェイスから寒中水泳までありえないエピソードが山盛りです。
そして本編でパートナーとして愛くるしくも凛々しく旅をした、犬橇犬のとの出会いが読めます。
そして何よりも「天測」という方法を身に着ける為に、既に捨てられつつある技術の習得と創意工夫をする姿に胸が熱くなります。
冒険家は文章力重要ですね。どんなにすごい冒険をしても僕らに伝えてくれないと自己満足ですから。現在の冒険家で最高の文章力を持った人だと思います。高野秀行ももっとがんばれ。
投稿元:
レビューを見る
ラストのオチがすごい。極夜行本編を読みかえさずにいられない。これからも冒険記を書き続けて欲しい。
この人の非凡な冒険と比較して、ときどき出てくる脱システムの思考は凡庸としか思えず、こだわっているのを不思議に感じる。犬との関係がやはり最も素晴らしく、そこからの方がユニークな哲学が出てくるんじゃないかと思った。
投稿元:
レビューを見る
一日中、闇の極夜の冒険に挑む。
極夜行の前日譚である。
その冒険に前、三回現地へ行き食料などをデポする。
それだけで既に冒険だ。
一回目のデポは何者かによって消費されて無駄となる。
二回目のデポで犬ぞり用にウリミヤックを引き連れるが、この一歳犬は言うことを聞かない。
怒りがこみ上げるたびにボコボコにする。
三回目のデポではカヤックで荷物運搬をするが、海氷に阻まれ、さらにはシロクマ以上に危険な海象に襲われる。
そしてラストは極夜行のトラブルの原因となる。
段取り八分。
ただし、相手は自然である。
自然は非常である。
冒険をスポーツから取り戻す。
筆者の今後の活動に期待。
投稿元:
レビューを見る
タイトルの通り、「極夜行」の探検の前日譚、というか準備編。
海象にカヤックを襲われる話や特別製の六分儀など、「極夜行」で触れられたエピソードも詳細に確認できて楽しい。
なるほど、この準備があっての「極夜行」か、と改めて感じさせるが、本書の結末は尻切れトンボな感も。
「極夜行」本編の予告編と思えばそれもありなのだが。
投稿元:
レビューを見る
風とは何か?闇の世界にいるとその答えが分かる。すなわち風とは音である。それを知るのには視覚は余計な情報だ。
私は北海道に住んでいますが、比較にならないほど、寒さ、それと、自然の驚異に驚かせた。極夜行を読んでみたい。
投稿元:
レビューを見る
1日中太陽が昇らない「極夜」の北極を
単独で、GPSも持たずに、星の位置から
自分の位置を導き出す「測量」で、横断
を果たした内容を綴ったノンフィクショ
ン作品「極夜行」の前日談です。
当然、測量方法の技術習得や、ソリを
曳く、犬の調達、さらに中継地点のデポ
への食料蔵置など、何日もかけて準備
する姿は素晴らしいです。
決して無謀な冒険ではなく、入念な準備
の上で成し遂げられた探検であり、それ
でも過酷な行程であったことを思い知ら
される一冊です。
投稿元:
レビューを見る
読了せず。
極夜行を読む前に読んだ方がいい気がする。読んだ後に読もうとしたのだが、今はそこまでの気力がなかった。時間を空けて再読したい。
投稿元:
レビューを見る
極夜行の前を書いた本。極夜行がすごく面白い本だったため、ハードルが上がって読んでしまい、読みきれませんでした。
投稿元:
レビューを見る
極夜行に行く前の準備段階での六分儀、犬の手配、犬と一緒の夏の極地体験での犬との駆け引きなどが実に面白い。海象なる怪物との出会いと、必死の逃避行は凄い迫力だった。カヤックでのデポ拠点への物資補給も済ませ、いよいよ極夜に出発という前に、デンマーク政府からの入国期限切れ、国外立ち退き命令は急に現実に戻されたよう。実は今や全くの未開地なるものは存在しておらず、その中で探検もスポーツになってきている。それに抵抗している著者の意気込みが凄く分かる!
投稿元:
レビューを見る
「極夜行」に出てきた、準備段階の旅の話。その中にもこれらの旅がいかに過酷かがあって気になっていた。
エスキモーの犬が愛玩動物でないのは知っているのが、どういった扱いが正しいのかはわからない。
ただ文中にもあったように、言うことを聞かない犬に暴力をふるいその後に優しくするのはまさにDVの常套手段ではないかと思ってしまった。
どうしてあのルートになったのか、という流れも興味深かった。
準備の為ではあるが、それぞれの冒険も波乱万丈で読んでいる分には面白かった。
水族館で柵越しに見てもセイウチは大きくて迫力がある。カヌーに乗っている状態で襲撃を受けるのは勘弁したい。
六分儀や犬を利用するための訓練や食糧などの備蓄も含め、あの旅のためにこれだけの準備が必要なのかと驚いた。改めて「極夜行」を読んでみたい。
投稿元:
レビューを見る
数カ月間、太陽が昇らない暗闇の氷の世界、北極。そんな土地を、GPSや衛星電話、地図、コンパスなど文明の器具を使わずに旅をしたい。結婚し、娘も生まれたばかりで、こんな決断をすることにあきれつつも、著者の冒険心に感動。世界の果てを見たいという若い頃からの思いが著者を動かす。
本書は、極夜への冒険を目前に控えて、様々な準備に四苦八苦する著者の行動の記録。ちなみに本番の極夜記は本書より前に発表されている。
まずは何度も現地を訪れて、準備および旅のシミュレーション。現代の最先端ツールを自ら禁じたため、方角と現在地を知るために六分儀の使い方を学ぶ。荷物を運ぶための橇を木材から自作し、その橇を引っ張る犬を調教。現地で狩猟して、干し肉や毛皮を作ったり、旅の予想コースに物資を先行配置しておく。
冒険前の準備だけで、相当な見せ場だらけで、過酷な現場。カヤックに乗っていてセイウチに追いかけられる。貯蔵していた食料を盗まれる。動物愛護団体が絶句しそうな犬への調教もある。本番前に遭難しそうなエピソードばかり。
そんなこんなで準備完了、あとは極夜の時期を待つだけ。しかし、その直前に意外な展開。ここからどうやって「極夜行」につながるのだろうか。そんな疑問を感じながら、本書は唐突なエンディング。