読割 50
電子書籍
風樹の剣―日向景一郎シリーズ1―(新潮文庫)
著者 北方謙三
「父を斬れ。斬らねばおまえの生きる場所は、この世にはない」。謎めいた祖父の遺言を胸に、日向(ひなた)景一郎は流浪の旅に出た。手挟(たばさ)むは二尺六寸の古刀来国行(らいく...
風樹の剣―日向景一郎シリーズ1―(新潮文庫)
風樹の剣 (新潮文庫 日向景一郎シリーズ)
商品説明
「父を斬れ。斬らねばおまえの生きる場所は、この世にはない」。謎めいた祖父の遺言を胸に、日向(ひなた)景一郎は流浪の旅に出た。手挟(たばさ)むは二尺六寸の古刀来国行(らいくにゆき)。齢(よわい)十八の青年剣士は赴く先々で道場を破り、生肉を啖(くら)い、遂には必殺剣法を体得。そして、宿命の父子対決の地、熊本へと辿り着く――。獣性を増しながら非情の極みへと向かう男の血塗られた生を描く、凄絶な剣豪小説シリーズ、第一弾。
関連キーワード
あわせて読みたい本
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
この著者・アーティストの他の商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
小分け商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
この商品の他ラインナップ
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
紙の本
好き嫌いが分かれる作品
2000/12/18 18:07
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:大鳥啓介 - この投稿者のレビュー一覧を見る
北方謙三とはどういう作品を書くのだろう、ととりあえず時代小説が好きなので本書を読んでみた。
びっくりした。読み進めていくうちに“ヒーローもので、一人の剣士の成長物語なんだ”と気を抜いていたら、話の最後のほうになると大変なことが起こったからだ。それまでは『鬼平犯科帳』みたいにほのぼのした展開だったのに…。結局読むのを途中でやめてしまいました。
人情とか、ほのぼのにはもううんざりだ!という人にはおすすめかも。
紙の本
心に潜む魔性との戦い
2000/09/09 22:31
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:伊藤克 - この投稿者のレビュー一覧を見る
日向景一郎シリーズの第一作目である。
「生が死を抱いているものなら、ある時からそれが入れ替わり、死が生を抱き込む」
小説の冒頭に出てくる一文である。
北方謙三は、日向景一郎をとおして人生観を語らせていると私は思った。
日向流創始者であり、景一郎の師である将監は、老いて病魔と闘いながらなおも剣の修行に励む。
「闇が切れぬ」と将監はいう。
そんな将監も敵と切り結ぶさなかに病死する。
祖父でもあり、師でもある将監から、「父を切らねばおまえの生きる道はない」との遺言を受けた景一郎は、父を倒すべく旅にでる。
冒頭に出た”闇”に対する回答は終盤にあらわれる。
”剣は光でしかなかった。闇と体が共に切られ、闇は静かにその切り口を閉ざす”
その人物に相対するまでの道のりの中で、景一郎は成長する。
現代の人でも皆心の中に猛獣を飼っている。
大人になる課程で、心の中の”猛獣”を飼い慣らす術を覚えていく。
日向流継承者、日向景一郎の心の旅は第一作を終わった所から始まる。
私は無性に二作目を読みたくなった。