- カテゴリ:一般
- 販売開始日: 2019/09/26
- 出版社: 岩波書店
- ISBN:978-4-00-420258-5
電子書籍
記号論への招待
著者 池上嘉彦
いま広範な学問・芸術領域から熱い視線を浴びている「記号論」。それは言語や文化の理解にどのような変革を迫っているのか――。ことわざや広告、ナンセンス詩など身近な日本語の表現...
記号論への招待
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記号論への招待 (岩波新書 黄版)
商品説明
いま広範な学問・芸術領域から熱い視線を浴びている「記号論」。それは言語や文化の理解にどのような変革を迫っているのか――。ことわざや広告、ナンセンス詩など身近な日本語の表現を引きながらコミュニケーションのしくみに新しい光をあて、記号論の基本的な考え方を述べる。分かりやすくしかも知的興奮に満ちた、万人のための入門書。
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紙の本
自分のいる世界を外から眺められる
2001/10/28 13:21
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:某亜 - この投稿者のレビュー一覧を見る
近代を読み解く一つの鍵である記号論。それを入門者のために理解しやすく語る良書である。
一つの例を出そう。私たちは「同じ」という言葉を使う。しかしこの「同じ」はどう規定されるのだろうか? たとえばある人が「あ、私も同じ本持ってる」と言った場合、「同じ」とは「相手の本を持っている」ということではない。その人が持っているのは明らかに別の物質である。人は違う物質を「同じ」と見ることができるのである。
こんなこともある。大人が子どもに向かって「また同じ番組ばっかり見て」と言う場合、それは子どもにとっては「違う」番組であることも大いに考えられる。これは先の例とは違い、両者の「コード」が食い違うために起こる問題だ。大人にとっては両者を「意味」に変えるとき同じコードをたどるのに対し、子どもは違うコードをたどって「意味」に変換させるのである。
これが「大人と子ども」ではなく、「二つの文化」となればそのコードの違いは著しく表れてくる。その研究が文化記号論であり、記号論の中で最も代表的な分野なのだ。それは一言で言えば「世界が言語を生み出すのではなく、言語が世界を規定するのだ」となる。
自分の世界観が一挙に広がっていくのを実感できる。