0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:showan - この投稿者のレビュー一覧を見る
タイトルどおり、いろいろな風が吹いていました。一人の人生には、たくさんの気持ちのいい風、悲しくなるような風、恐ろしいことをもたらす風、それを救ってくれる風など。バルサが単そうを振り回す時、馬に乗って旅をする時、シャタが鳴る時に感じる風は、読みながら、バルサたちが感じるのと同じ風を感じる自分がいました。また次の作品で新たな風と行くバルサに会いたいです。
紙の本
エピソードで物語りが増幅
2019/03/12 21:20
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ぽんたろう - この投稿者のレビュー一覧を見る
本編の登場人物たちのエピソード。過去であったり、その後の話であったり。守り人の世界の人たちのエピソードは読めば読むほど本編の世界が膨らんでくるので、もっともっとと期待してしまいます。
エピソードを読むと、本編をまた読みたくなってしまう、そんな魔法にかかってしまうのです。
守り人シリーズのことを思うたび、青少年期、思春期と呼ばれる頃に読みたかったな、と今正にそんな年齢の人たちにちょっと嫉妬したりします。この物語を夢の中まで引きずってしまうくらいに感受性の高い頃に読んでいたら、もっと違った視点を持って世の中を見ることができるようになっていたように思うのです。大人な友人たちは、ファンタジーはちょっと難しい…と言うけれど、緻密に描かれている世界の中に身を置いて、自分も生きてみたいと思う、それだけ魅力のある妙に現実味のある物語だと感じています。
紙の本
それでも生きていく
2018/12/10 12:07
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:るう - この投稿者のレビュー一覧を見る
今回の作品には「天と地の守り人」「炎路を行く者」に感じた圧倒的な熱量がないように思った。
亡き人たちへの惜別、残された者たちの哀しみと寂寥感を抱えながらたくましく生きて行く力ががこの作品の柱だと思う。
バルサたちの世界がタルシュとの戦いの後、皆が焼き尽くすような熱量を必要としない世界になったということなのかもしれない。たぶん、それでいいのだろう。
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ぽぽ - この投稿者のレビュー一覧を見る
バルサの過去の話も交えながら、なかなか奥が深かったです。ファンでなくても楽しめる内容だったように思います。
投稿元:
レビューを見る
つれあいタンダとともに訪れた先で、若いころ護衛したサダン・タラムたちに会う。また護衛することに。
ジグロとバルサ短編集。
ジグロの艶聞。あの頃のサダン・タラムのリダとジグロは恋仲だったのか?トル・アサ(楽しみの子)これって2つの意味がある。
こういう短編集なら、まだまだいけるらしい? でもやっぱり本編だな。久々上質のファンタジーだった本編。
投稿元:
レビューを見る
通勤電車の中で立ったままでも読み進めたくなる本でした。あまりののめり込みすぎに、座って読んでいた時は乗り越しそうにもなりました。
バルサが少女だった頃を思い返しながら辿る護衛の旅。あの時のジグロの想いに気付きながらのこの旅はまた、守る者と守られる者の心のありようを、大人になって幾多の経験を積んだバルサだからこそ気づけたこと、と綴られています。
上橋菜穂子さんご自身も齢を重ね、経験を積んだからこそ紡ぎ出すこと川出来る物語のように思います。
人生経験を積んだ中高年が楽しめる物語だと、思いました。今の子どもたちがこの物語を読めることに嫉妬します。でも、この作品の味わいは時を経てまた読み直すことでわ違う感情が湧き出てくるように思うので、いつも書棚の片隅に鎮座させいつでも手に取れるようにしておきたい、そんな作品です。
成長したチャグムに会いたいな。
投稿元:
レビューを見る
守り人シリーズ外伝。
守り人シリーズを読んだのが数年前なので、前の戦の事情とか、殆ど覚えていなかったのですが、さすが上橋さん。物語の世界へずんずん引き込まれていきました。
サダン・タラム〈風の楽人〉の頭の護衛を請け負ったバルサ。過去にもサダン・タラム〈風の楽人〉達と共に旅をした時の話が挿入されている構成です。
まだバルサがジグロと共に旅をしていた頃、10代のバルサとジグロとの厳しくも固い絆が素敵です。ジグロは本当に“プロ中のプロ”という感じでゆるぎないものを感じますね。
バルサもこの頃の感情の揺れを乗り越えて、その後のブレないカッコイイバルサに繋がってゆくのですね。
ジグロとサリのロマンス(?)や、話の本流にある民族間の確執など、読み応えも満足です。やはり『守り人』好きですね~。
投稿元:
レビューを見る
つれあいのタンダとともに、久しぶりに草市を訪れたバルサは、若い頃に護衛をつとめ、忘れ得ぬ旅をしたサダン・タラム〈風の楽人〉たちと再会、その危機を救ったことで、再び、旅の護衛を頼まれる。シャタ〈流水琴〉を奏で、異界への道を開くことができるサダン・タラム〈風の楽人〉の頭は、しかし、ある事情から、密かに狙われていたのだった。ジグロの娘かもしれぬ、この若き頭を守って、ロタへと旅立つバルサ。草原に響く〈風の楽人〉の歌に誘われて、バルサの心に過去と今とが交叉するとき、ロタ北部の歴史の闇に隠されていた秘密が、危険な刃となってよみがえる。
守り人シリーズは随分久しぶりなんですが、読み始めたら一気にあの世界の中へ引きずりこまれてました。作り込まれた世界観と相変わらず食事の場面が細かくてとても美味しそう!(笑)バルサとジグロの旅が回想として描かれていて、キイやサンサたちとの会話など、小さなところで若きバルサが背負った苦しみの深さが現れます。つらい中でもバルサのことを心から大事に思って気にかけていたジグロの気持ちもサリの目線から描かれていて、血は繋がっていなくとも2人は親子だったんだなあと実感するエピソードでした。どんな人生でもすべてをやりとげることは難しく、その先は未来へ託すしかないと言いながら、それでもできることを一つ一つ積み重ねていく彼女の生き方に読者たちは共感するのかもしれません。
投稿元:
レビューを見る
守人シリーズの外伝。
旅芸人サダン・タラム【風の楽人】、魂を清める旅で、何者かに命を狙われるその頭を守る用心棒バルサ。
20年前、ジグロと共にサダン・タラムを守った旅を思い出しつつ、目の前のサダン・タラムの頭を守る旅。
その課程で、バルサは亡きジグロの思いを感じ、今この時だからこそ、理解していく。
仕事が済んでタンダの処へ戻るバルサ、幸せそうだ。
投稿元:
レビューを見る
『天と地の守り人』のその後も、ジグロとの話も読めて大満足。
今度はもうちょっとタンダが出てくる話を読みたい。
投稿元:
レビューを見る
完結したと思っていた守り人シリーズのまさかの続編。内容的には過去のバルサとジグロの話が中心なので、正当続編とは言いがたい話ではあるんだけど、バルサとジグロの話が読めるだけでファンとしては非常に堪能出来た、というのが正直な感想。
また、外伝と銘打ってはいるものの、物語として蛇足にならないと良いなと思っていたけど、読み進めるにつれてそんなことは全く気にならず、上橋さんの確かな筆力をベースとした物語に身を任せて幸せに浸るのみ、という感じでした。
一方、この形式であと数作書けそうな感じはあるな、とそんな事も思ったりした。また、外伝という形式で、大戦後の新ヨゴ国、カンバルやロタを単に旅をして色んな人と出会うだけ、という物語も読んでみたい。そんな物語、書いてくれませんかね?
投稿元:
レビューを見る
「だけど、お前が思いだすのがいやだといった、そういう旅が……ひとつ、ひとつの旅が、おまえを、おまえに、してきたんだろうな……。」
バルサとジグロ父娘の歩んだ道、バルサをバルサたらしめるに至った道程のひとつ。
許しと救済と鎮魂の物語。
投稿元:
レビューを見る
国と国、氏族と氏族、争いは絶えず、どのように外交を結べばよいか状況は刻々と変わる。流れを読み立ち回って行かないと生き残れない。大きな動きの中で不本意な立場に立たされても逃げず、言い訳せず生きる人物が何人も出てくる。切ない。そう言う人物が胸中に秘めていた大切なものを表したり、温かい思いをしたりする場面に心底ほっとする。
投稿元:
レビューを見る
やっぱり面白い。
バルサの現在と過去を1つの旅で繋ぎ、その過去と今の人々も繋ぐ物語。
ジグロが出てくると無敵のバルサが一生懸命な少女になるから好き。
この作品のバルサ始め旅人の姿をみると毎日を一生懸命丁寧に暮らすことがいかに尊いかって思うんだなぁ。
2019.3.21
46
投稿元:
レビューを見る
話のボリュームは、ジグロと一緒だった頃の部分が多い。青かったバルサと中年で思慮深くなったバルサ。二つの時代の重なりは、守り人シリーズの世界の重なりのようでもある。