電子書籍
知と熱 ラグビー日本代表を創造した男・大西鐵之祐
著者 藤島大
世界に真剣勝負を挑んだ「最初の男」は、寄せ集めの代表チームを、いかにして闘争集団「ジャパン」へと変革したのか――。戦場から生還後、母校・早大のラグビー復興と教育に精力を注...
知と熱 ラグビー日本代表を創造した男・大西鐵之祐
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知と熱 ラグビー日本代表を創造した男・大西鐵之祐 (鉄筆文庫)
商品説明
世界に真剣勝負を挑んだ「最初の男」は、寄せ集めの代表チームを、いかにして闘争集団「ジャパン」へと変革したのか――。戦場から生還後、母校・早大のラグビー復興と教育に精力を注ぎ、日本代表監督としてオールブラックス・ジュニアを撃破。ラグビーの母国・イングランドに初めて臨んだ代表戦では3対6の大接戦を演じた、戦後ラグビー界伝説の指導者・大西鐵之祐。闘争のただなかから反戦思想を唱え続けた男の79年の生涯を描いた傑作。第12回「ミズノスポーツライター賞」受賞作。カバーデザイン/Kotaro Ishibashi。解説/釜谷一平
目次
- プロローグ
- 1 インゴール組 楕円球にしがみついて
- 2 戦前のラグビー 「ゆさぶり」対「押しまくり」
- 3 ま、銃で撃つんだが 「闘争の倫理」の原点
- 4 「展開、接近、連続」 オールブラックス・ジュニア戦勝利まで
- 5 歴史の創造者たれ 母国イングランドとの死闘
- 6 接近の極致 横井章
- 7 テツノスケに教わったんや 小笠原博
- 8 デューイを突き抜ける 勝負の哲学
- 9 大西アマチュアリズム 決闘の渦中から
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紙の本
スポーツをする意義、スポーツを通じて養われる生き方を説いた大西鉄之祐氏の数々の言葉に迫る!
2023/12/06 17:30
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投稿者:YK - この投稿者のレビュー一覧を見る
日本ラグビーの黎明期にラグビーを始め、当時は大学対抗など国内での試合がメインであった日本ラグビー界に日本代表チームの存在を打ち立て、海外の代表や大学チームとの試合にも実績を残した指導者、大西鐵之祐氏のラグビー人生と、ラグビーに対する哲学をまとめたノンフィクション。
ラグビーに限らず、スポーツとは何か、なぜ勝ちにこだわるのか、といったスポーツに纏わる普遍的な問いに対する大西氏の哲学が、様々なシチュエーションでの大西氏の言葉で綴られいます。以下、本書抜粋
「スポーツにおける闘争を教育上重要視するのは、ラグビーで今この敵の頭を蹴っていったら勝てるというような場合、ちょっと待て、それはきたないことだ、と心の葛藤を自分でコントロールできること、これがスポーツの教育的価値ではないか」、「ラグビーは楽しく愉快にやるべきものだが、それは散歩やハイキングの楽しさではない。それはエベレストを目標として辛苦を耐え、頂上を極める楽しさである」
”勝つ”ための心構えとしての提言にも興味深い発言が。
「戦法に絶対はない。だが、絶対を信じないチームは敗北する」、「優れた理論を有し、厳しい鍛錬を重ね、チームワークを整えても、闘志を欠けば敗れる。”野獣的闘志”をたぎらせても、こうすれば勝てるという理論が無くては勝利にありつけない。さらに、闘志に満ちて、理論にも優れ、技術と体力に長けようとも、モラルを欠いては勝者にはなれない」等々。
勝つためには「科学(理論面)と非科学(精神面)の統一」が重要であるとの事で、大西氏の指導を受けたOB氏が「百の理屈を教えこんで、百一番目には理屈じゃないと断言できる人」と評されています。
オリンピックを含め、スポーツとお金との結びつきが非常に複雑に絡んでいる今、改めてスポーツをすることの意義など原点に戻る視点が挙げられています。スポーツに関わっている学生の人たち、社会に出てから行動する上で指針となるべき考えを再確認したい人にも、お勧めできる1冊と感じました。本書は『第12回ミズノスポーツライター賞』受賞作です。