紙の本
個性的な行間
2018/10/09 22:08
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:オオバロニア - この投稿者のレビュー一覧を見る
中篇集。祖父が人知れず作る壁新聞を孫の視点から描いたロードストーリー的幻想小説の表題作「オブジェクタム」が超個性的。決して派手な物語ではなく登場人物も普通。なのに全体的にはかなり幻想的な作風になっている。面白い、なんて分かりやすい評価を下せない。
初めて読んだ知らない小説のなんでもない一場面なのに、とてつもなく懐かしく感じたり、何気ない祖父の変化がとてつもなく寂しく感じたりする。選ぶ言葉はどこまでも普通なのに、行間が異質な小説とでも言えば良いのだろうか…評価が難しい。
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何だろうかと思った。この読んでるときの気持ち。
子供の頃の、お伽噺と同じ感覚だと気付くまでに少しだけ時間がかかった。
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アトロクで池澤さんが激推ししてたので読んでみた。
が、私の読解力と脳内映像投影力の乏しさにより、池澤さんのような感動は得られなかった…
確かに、美しくも静かな風景なのですが静かに冷ややかなまま終わったという感じでした…
まだまだ修行が足りないな、
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面白かったです!
オブジェクタム
あったかいのと、不思議な気持ちになるのとで、良かった!
太陽の側の島
これが凄く面白かった!!大好き!
なんか、映像でも見てみたいような、、
L.H.O.O.Q
面白かったです!
なんか愛を感じた
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各界の著名人絶賛の書ですが…
これを「素晴らしい!」と言えるほど、読書の達人にはなれてない未熟者です。
表題〝オブジェクタム〟
〝太陽の側の島〟
〝L.H.O.O.Q.〟
の三作品。
どれも文学なのです。
だけどSFなのです。
主人公が子どもの頃の記憶をたどっていく物語。
じいちゃんとの思い出…だけど色々解決せず!
2作目〝太陽の〜〟が個人的には好き。
出生率した夫真平と息子と留守番をする妻シヅの文通。
SF色がはっきりしてて分かりやすい。
3作目、妻が飼っていた犬を探す…謎の短編
もはや何故その題名なのかさえ私の足らん頭では理解不能。笑
でもなんか面白かった。
2019年1月2日
今年の1冊目
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「うどん きつねつきの」に比べると、どれも分かりやすい。分かりやすくなった分、魅力がちょっと減ってる。それは作品の核が意外とつまんなかった、ということではなくて、無理な論理で整理してしまったんじゃないか感があるというか。
それでも表題作の遊園地のシーンは圧巻だし、高山羽根子ワールドの魅力が凝縮されてると思う。
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表題作は、祖父と孫。孫からみた祖父(昔の時代の)を回想したお話。現代と過去が入り混じるので不思議な雰囲気でした。
2作品めは、戦時中の夫婦のお話。
出征したダンナさんと手紙でやり取りする形で書かれているのですが、こちらはどんどん現実感がなくなっていきます。
ラストの小品は、亡くなった妻がかわいがっていた犬を探していて、妻の秘密を知ったダンナさんのお話。
どれもすごく不思議な感じの作品でした。
表題作は、お祖父さんが自分の考え方を持った人のようで魅力的でした。
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日常を切り取った、ちょっと不思議な短編集です。
特に、オブジェクタムでのおじいちゃんとの関係が、読み終わっても、強く印象に残っています。
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不思議な世界を見せてくれるトワイライトゾーン的な短編集。表題作の「オブジェクタム」は、お祖父さんの秘密基地的なカベ新聞制作兼印刷所の話。こんな場所があると楽しいだろうなと思わせてくれる。「太陽の側の島」は戦時中の夫婦の手紙のやり取りがそのまま作品になっている。でも、真相は恐ろしいものだった。「L.O.O.Q.」は、妻に先立たれ、飼犬に逃げられた男が犬を探そうとする話。こちらはさらに奇妙な世界に連れて行かれる。トワイライトゾーン的な作品だ。
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「うどん キツネつきの」以来、2冊目となる高山羽根子作品。
いつの間にか芥川賞候補になるまでの作家になっていたなんて、全然知らなかった。
「うどん キツネつきの」は満点じゃないにしても、それなりに面白く読めた記憶がある。
本作「オブジェクタム」も感想は似たり寄ったり。
中編1編と短編2編からなる作品集で、どれもサラリと読めてしまう。
「オブジェクタム」は幼い頃の記憶を頼りに、当時感じていた違和や謎を解明しようとする、といったようなお話。
日常の中に、ほんの少しだけ異物が混ざってくるのだけれど、そんな異物もやはり日常の範疇に含まれており、立ち止まるでもなく、追いかけるでもなく、自然に目の前を通り過ぎていく、って感じだろうか。
違和の原因や謎は結局は解き明かされることはないのだけれど、逆にこれらが解決してしまったら、きっと作品としてはとんでもなく白けた内容になっていただろうなぁ、と思わせてくれる。
つかみどころがないんだけれど、それが魅力にもなっている、ってところだろうか。
「太陽の側の島」が僕としては一番面白かった。
戦地に赴いた夫と、祖国に残った妻との書簡のやりとりのみで構成されている作品。
ここでも不可思議な出来事が日常的なものとして扱われている。
戦地も母国も、一つの大きな空の下で結ばれているのだが、その結ばれ方が……。
上下逆さまに空を飛んでいく飛行機の謎に触れた箇所には、思わずゾっとしてしまった。
「L.H.O.O.Q.」は正直、僕にはよく判らなかった。
他界した妻が飼っていた犬が行方不明になり、それを探しているうちに……といった内容。
何か大切なものが含まれているように思えるのだけれど、読解力を著しく欠いている僕の頭では見つけられなかった(汗)。
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「うどん きつねつきの」が気になっていたのですが話題になっていたのでこちらを先に読了。
中編と短編を2つ。
とても不思議な世界観。
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中編1作と短編2作を収録している。どれも不思議な話で、不思議なまま終わる。気持ちが温かくなったり、優しくなったり、思慮深かったりして、私は好き。
「オブジェクタム」静吉じいちゃんと秘密の壁新聞。「太陽の側の島」書簡のやりとりに滲む優しさ。「L.H.O.O.Q.」犬を探す。
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『カムギャザー‥』も良かったけど、こちらはもっと好きな作品だった。
表題作の、一見バラバラの細かい仕掛けが最後に近づくにつれて繋がって行くのは『カムギャザー‥‥』もそうだったんだけど、とても上手くて面白い。今回は(と言っても、実際に書かれたのはこちらが前なのだが、私が読んだのは逆だった)ホリスコード、壁新聞、移動遊園地、偽札、祖父と孫の秘密などの一つ一つに惹かれるものがあって、ちょっとノスタルジックな味わいもなんともいい感じ。しかし、甘ったるくはなく、虐待を受けている姉妹の苦しさや、祖父の裏の顔など、刃を突きつけるようなところもある。読んでいて、映像が焼き付く。ススキの中のテント。シュヴァルの宮殿のようなオブジェクタム。ピンクの幼稚園バス。ハナのゴミ屋敷。
2番目の「太陽の側の島」がまた良かった。諸星大二郎の漫画で読んでみたい。戦争で南洋の島にいる夫と、故国で障害のある子どもと暮らす妻の往復書簡になっている。初めは第二次世界大戦中の話かな、と思いながら読んでいたが、そういう具体的な歴史上の話じゃないんだというところがだんだんわかってくる。三作目の「L.H.O.O.Q」にもヘンな生きものが出てくるが、これに出てくるヘンな生きものは、より生と死のあわいに生きている異形の生きものなのだが、どこか愛らしい、あるいはすっとぼけた味わいがある。特に妻が拾ってくる「兄ぃや」は「うどん、キツネつきの」の生きものみたいに不気味だけど可愛い。
私たちが暮らすここは、本当にここなのか?生きているのと死んでいるのとどれだけ違うのか?そんな気持ちが湧いてきて消えない。
高山羽根子という作家が好きになってしまった。
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不思議な味わいの小説。
平坦な文章で、なにか大事件が起こるわけではないけれど、描かれている一つ一つの出来事にとてもたくさんの意味が込められているように感じられる。
「このあと何が起こるのだろう」と、どんどん読み進めたくなる。
人生の中で起こる少し不思議なことが、人の気持ちに影響していく話。
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読了。これはよかった。
ほんとのこと、は その人のなかにあるのだな。
SFでも幻想小説でもあるような
でも多分違う。