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円相場の終わり
著者 小栗太
●円・ドル相場は最小の値幅を毎年更新為替は、国力を映す鏡とされる。1ドル=360円の固定相場の時代から1973年に変動相場制になり、2011年には75円の最高値をつけた時...
円相場の終わり
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円相場の終わり (日経プレミアシリーズ)
商品説明
●円・ドル相場は最小の値幅を毎年更新
為替は、国力を映す鏡とされる。1ドル=360円の固定相場の時代から1973年に変動相場制になり、2011年には75円の最高値をつけた時代もあった。
この円・ドルの年始・年末の値幅が毎年小さくなっている。運用のうまみは確実に減っている。
円高になれば、輸出国日本の企業業績が悪くなるというのも、いまや昔。生産のグローバル化は確実に進み、ヘッジは容易になっている。
グローバル化・IT化が国際的な物価の平準化を招き、どこかもかしこも低成長・低金利のオンパレード。モノの価格差がつかないなか、トランプ米大統領が「政治的脅し」で自国を有利に導こうという意図もそこにある。
●低温経済における金融政策の役割とは?
各国がおしなべて通貨安戦争に入り込み、金利は低く張り付いたまま。各国で金融政策が行き詰まり、中央銀行の役割が改めて問われている。
もし、為替相場が動かず、決済の役割だけでよいのであれば、「リブラ」だけで機能するという話も十分なりたつ。ビットコインのような急激な価格変動もなく、まさに理想の「(仮想)通貨」に近い役割を果たすことになるだろう。
その一方で、カーニー英イングランド銀行総裁の「デジタル通貨」構想も波紋を呼ぶ。中央銀行が積極的に関与して、新たな制度を作り出すものだ。
我々が当たり前のものと受け入れている変動相場制もたかだか50年にも満たない歴史しかない。急速に変わるマネー経済の本質的な変化を伝える。
目次
- 序 章 終幕の予兆
- 第1章 物価が上がらない
- 第2章 保護主義の奔流
- 第3章 市場の見えざる手
- 第4章 新たなる脅威
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タイトルが内容とフィットしていない
2020/04/27 17:52
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:つばめ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書のタイトルから、日本政府の財政状況の悪化から円安に進む内容かと想像していたが、内容は全く異なる。グローバル化とIT化は世界市場の共通化を加速させ低物価・低金利・低成長という21世紀のニューノーマル(新常態)を生み出した。低インフレが世界を覆う21世紀は金利差が開きづらくなり、金利差を材料にした為替売買も成立しづらくなる。こうした状況から変動為替相場制の登場から50年目の節目が近づき21世紀の新たな為替制度を世界が欲しているのではないかというのが、本書の結論と読み取れた。であるなら、本書のタイトル「円相場の終わり」は、例えば「変動為替相場制の終わり」というようなタイトルが、本書の内容にフィットするように思った。著者は25年以上にわたり為替相場を取材してきた大手一流経済新聞の記者である。「私は経済学も政治学も専門的に学んでいないので、理論的な裏付けや統計的な合理性に欠ける点はご容赦いただきたい。」という趣旨のまえがきがあるが、自信満々もさることながら25年以上も取材を続けてきて、このエクスキューズはないだろう。