読割 50
電子書籍
路面電車 ――未来型都市交通への提言
著者 著:今尾恵介
北は北海道から南は鹿児島まで、今も現役で活躍し続ける路面電車。高度成長期に自動車社会の到来とともに、次々と姿を消していったこの路面電車が、環境問題や渋滞解消、またバリアフ...
路面電車 ――未来型都市交通への提言
ワンステップ購入とは ワンステップ購入とは
商品説明
北は北海道から南は鹿児島まで、今も現役で活躍し続ける路面電車。高度成長期に自動車社会の到来とともに、次々と姿を消していったこの路面電車が、環境問題や渋滞解消、またバリアフリーなどの観点から、いまあらためて注目されている。行き詰まりを見せている都市交通問題を大きく打開する可能性をもったシステムとしての路面電車を考える。
関連キーワード
この著者・アーティストの他の商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
小分け商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
この商品の他ラインナップ
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
紙の本
未来へ向かう路面電車
2001/10/01 19:05
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:田之倉稔 - この投稿者のレビュー一覧を見る
風景とは記憶の映像である。路面電車とはそうした映像の恰好の媒体である。日常生活ではあまりこの堅苦しい言葉を使わない。「チンチン電車」などといったものだ。私の大学時代を回想するときはきまって巣鴨近くの庚申塚を通った都電の映像が浮かんでくる。この路面電車はいまも走っており、東京に残った唯一の「チンチン電車」として観光化さえしている。また我が少年時代は「タマデン」と結びついている。これは今新玉川線として地下を走っている。「タマデン」の消失によって池尻近辺の風景は変貌した。路面電車の記憶は際限なく時間を逆上ってゆく。本書は日本はだけではなく、外国、特にヨ−ロッパの都市で機能している路面電車を取り上げている。ジュネ−ヴの路面電車が「チンチン」という音もたてず、静かに走っているのを見てびっくりした経験がある。今はシャレた、床の低い電車が登場し、近代都市の交通手段として再評価されてきているという。路面電車は記憶の中にあるのではなく、未来を指し示していることを学ぶ必要があるようだ。(田之倉稔/演劇評論家 2001.4.17)