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前衛仏教論 ――〈いのち〉の宗教への復活
著者 著:町田宗鳳
仏教といえば、「葬式」「法事」「お墓」など、死者のイメージがつきまとう。あるいは意味不明のお経、丸もうけする坊主…およそ普通の日常とは縁がなさそうだ。しかし、仏教は本来、...
前衛仏教論 ――〈いのち〉の宗教への復活
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前衛仏教論 〈いのち〉の宗教への復活 (ちくま新書)
商品説明
仏教といえば、「葬式」「法事」「お墓」など、死者のイメージがつきまとう。あるいは意味不明のお経、丸もうけする坊主…およそ普通の日常とは縁がなさそうだ。しかし、仏教は本来、宇宙に遍満するあらゆる〈いのち〉を慈しむ。私たちを生き難くするあらゆる束縛から解き放ち、のびのびと今を楽しむ自由な自分を取り戻す道であるのだ。本書は、二十年の長きにわたり仏道修行を積んだ後、海外で比較宗教学を修めた破天荒な宗教学者が、閉塞した日本仏教への大胆な提言を交え、その思想としてのおおらかさを再発見する試み。
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宗教はロック。
2021/10/22 10:51
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:qima - この投稿者のレビュー一覧を見る
どんな宗教はもともと現状への批判から始まるのですが、だんだんそれが主流になると、権威の道具になってしまうという。なるほどの歴史です。
紙の本
「仏教者は前衛的であるべきだ」的な主張には賛成です。でも具体的な事例、言葉、譬喩、冗談の選択方法には疑問が残ります。
2005/02/15 04:27
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちひ - この投稿者のレビュー一覧を見る
仏教者にとって、お寺や大学に閉じこもって修行したり教義・教学を学問的に学んだりすることも大切ではあるが、現在的で社会的な問題とも通りいっぺんではない接点を持つべきであるという、上田紀行の『がんばれ仏教!』(NHK出版)と同様の主張がなされている。経典や論釈に依るだけではなく、自分の頭で考えて行動を紡ぎ出すことも大切なのだという主張もなされている。
石原慎太郎の「前衛的でない芸術は、芸術ではない」という言葉をひき、「同様に「前衛的でない宗教は、宗教でない」というのが、私の考えです」と言う(はじめに)など、この本の主題となる問題意識や理念の部分には多大な共感を覚える。
しかし理念の内容が語られるときに紹介される具体的な事例、言葉、譬喩、冗談の選択方法については疑義を感じざるを得ない。また、現実認識や史的理解があまりに一面的に過ぎる部分も少なくない。
また、「霊魂」や「気」「言霊」などについて肯定的に語るのみで、仏教的な世界観からそれらがどのように位置付けられているのかをまったく説明していないのにはがっかりした。仏道修行の経験を前面に押し出している宗教系の学者がこのように語っているのを見ると、免疫のない読者は安心して信じ込んでしまう。
仏教研究者の真似事をしている一個人として少々困惑させられたのは、法然上人のお父さんが亡くなる場面を「トラウマ」の理由としては紹介するが「怨親平等」の思想まで深めて語らないこと、蓮如上人に関して誤解を助長すること、『七仏通誡偈』(諸悪莫作 衆善奉行 自浄其意 是諸仏教 【大正二、五五一上】)を最初の二句しか引かないこと、等々である。
仏教が社会参画することは素晴らしいと思う。しかしその動力が何でも良いのかというと、決してそんなことはないと思うのだ。