紙の本
連作短編集
2023/11/12 04:16
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投稿者:ゆかの - この投稿者のレビュー一覧を見る
最近読んだなかでも、連作短編集の強み、面白さがダントツかもしれない。
とにかく、繋がるし謎が明かされるし、読み進めるのが本当にわくわくした。
お話自体はまさに人間の暗黒面が描かれていて、誰も信じられなくなりそうだけど、最後のあれを希望ととるか絶望とよむか。
また違う羊読みたいです。
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前作『強欲な羊』を凌ぐ、緻密に組み立てられた暗黒連作短編集。
オカルトめいた“羊目の女”の因果が再び絡み廃洋館を訪れた者に牙をむく。
三話目の、家にいる男は夫ではないと怯える妻に助けを求められた場面が一番背筋がゾクゾクしたなぁ。どちらを信じていいのか分からない第三者の怖さ。
全容の分からぬ気味悪さに襲われながらも一気におもしろくエキサイトしたのは「不寛容な羊」。あの人たちの正体が判明した時点で「キターッ」と心が叫び、とんでもない絶望で終わっているのにスカッと気持ちは晴れやか。巡り巡った復讐でもあるからだろうか。
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羊目さんが都市伝説として消化された設定だと思って読んでたのに、ラスト「因果な羊」で繰り返すのだ…ってなった。
ラスト急激にB級ホラー感出できてる所、若干引き気味になりつつもまあ、好きです。
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強欲な羊より先にこちらを読みました。
SNSのお話は現代っぽいですねー。
ストーカーのお話は中々おもしろかったです。
最後もう少しスッキリしたかったけど、イヤミスとしてはあの終わり方がいいのかな。
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「強欲な羊」続編。でもこちらだけでも読めるかな。もちろん、合わせて読めばさらに楽しいことは間違いなし、です。
今回もどろどろの悪意に満ちた連作ミステリ。「羊目の女」の呪いの物語もあり、嫌な雰囲気とじわじわとした恐怖がしっかりと楽しめます。あの人もこの人もなんとまあ腹黒い! そして最後に勝つのは誰なのか。誰が勝ってもろくなことにならなそうな気はするのですが(苦笑)。
お気に入りは「病んだ羊、あるいは狡猾な羊」。これはその前の作品との関連を考えて読むとある程度はわかりそうなのだけれど。これ単体で読むと、誰が「おかしい」のかがほんっとわからなくて、とっても気持ちの悪い作品だと思いました。どれも嫌な物語なんだけれど、その中でも一番嫌な物語がこれだったかも。
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その洋館で殺したい人物の名前を3度唱えると羊目の女が現れるという噂…。「強欲な羊」続編の連作短編集。
人間の嫌~~な部分を色々詰め合わせなイヤミス。
前作は羊目の女の伝説ができるまでがメイン、今作は噂をベースに事件が進み、各話がどんどん繋がっていく。
最後にスリラー色が一気に加速するのは共通。今作ぶったぎりで終わったけど、続きは出るのかな。
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「.....すべては、因果でつながっている」
これだけ練り込まれた短編連作集には、そうそうお目にかかれない。前作必読! 悍ましいまでの恐怖、悪意、狂気...。某事件もモチーフに。今回も、ものの見事にやられました! 羊目の女が現れぬように、うん、善因を積もう!
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前作に引き続き、どんよりした気持ちにさせる連作短編集。
決して後味はよくない。
でもミステリーとしては面白いので、イヤだなーと思いながらページをめくっている。
人間の恐ろしさというか暗黒面を引きずり出すようなストーリーを読んでいると、認めたくないけどドキッとする瞬間がある。
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炎上する羊
タイトルが秀逸。火災と荒れるのと掛け合わせてたのね〜良い。最初は久々の読書だったので入り込めなそうだったけど気付いたら世界観に入ってた。長さがちょうど良くて読み終わって一息つきながら停車駅見たらちょうど降りる駅でびっくり。アナウンス全く聴こえなかったから電車で読書は危ない。今年初授業普通に遅刻した(最悪)
どんでん返しもありきたりではあるけどあっさり騙されたので何も言えません。何でもかんでも繋げようとしてる感じというか、桐生と穂乃果が浮気してて桐生が家まで来て穂乃果を奪いにくるのはちょっと雑かなと。桐生くらいの浮気男なら別に不倫の形でも穂乃果と隠れて付き合い続けるような気がするんだよな〜ご飯だって別に独り身になる桐生の家で作って貰えば良いし。あと飲み物に毒を盛られてて〜って穂乃果じゃなくてそっちか!と思ったけどもペットボトルに毒を入れる人もそれに気付く人も絶対に毒物経験者なので草、雑。ただのサラリーマンじゃねえな。しかも桐生側もずっと毒を盛って来た相手からもらう飲み物を普通に飲んでんじゃないよ。馬鹿すぎるだろ。バレないように毒を新しいペットボトルに集めて「これあけてないよ〜」って普通に渡すのも犯罪経験者の嘘のつき方で草。
→あー違うか、毒はスムージーだけか
暗黒の羊
また主人公犯人パターンか、すごく面白いけど結末があっさりすぎてパッと脳内変換できない。もっとしっかり書いても良さそう。
なんか集中して読まなかったからかもだけどどんどん下がっていった。最初が1番面白かったけどどんどん三輪さんの書き癖?みたいなの分かってきてしまってダメだった。終わり方が好みじゃなかった。悔しい。短編小説は読みやすくて良い。
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古びた洋館で誰かの名前を3度唱えると羊目の女が願いを叶えてくれる。
そんな都市伝説にまつわる短編集。
羊目ってどんな目なんだろうと想像してしまう。あの目で見られたら確かに怖そう・・・。
どの話も人間の心の奥底に潜むイヤ~な感情を表してるんだけど、読んでるとなんとなく共感出来てしまう。
私が面白かったのは、被害者なのに周囲の妬みや興味半分でイジメの的にされる女子高生の話とSNSに炎上写真を載せる女性の話。
どちらも人間の闇に触れたホラーとなってます。
最後まで読んでいくと必ずページをめくり返したくなります。読み始めたら一気に読むのがお勧めです。
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2022年5月13日読了。
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『炎上する羊』
田中信隆とその妻・穂乃花はドライブの最中に偶然、轢き逃げ現場に遭遇する。
穂乃花がたまたま撮影していた動画に犯人の顔とナンバープレートが映っていた事で犯人逮捕も時間の問題だと思われたが、盗難車であった為捜査は難航。
そんな中、穂乃花が自身のSNSにその動画をアップしていた事に信隆は唖然とする。
その動画には轢き逃げによって亡くなった女子高生も映っているのである。
その動画を見て不快になる人や遺族の方が動画を見てどんな気持ちになるかと説得を試みるが、その動画へ犯人に見覚えがあるとコメントが寄せられた事によって、犯人逮捕へ繋がる。
ネット上で『死の女神』と呼ばれるようになった穂乃花の行動は次第にエスカレートしていく…
『暗黒の羊』
昔、美人姉妹による殺し合いがあったとされる古い廃洋館での都市伝説。
洋館の中にある六角形の部屋に入り、「羊目さん、私はあなたの生贄です。どうぞお受け取りください」と3回繰り返すと羊の目をした女が現れる。
その女に捕まる前に「私の身代わりの羊は、○○です」と殺したい相手の名前を3回唱えれば、羊目の女が始末してくれるというもの。
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かつて自分の事をイジめていた女を殺したい。
自分を拉致した犯人を殺したい。
兄へのストーカー行為をする女を殺したい。
互いに殺したい相手がいる美月・夢・玖理子の女子高生3人は、噂通り廃洋館で羊目さんを呼び出す事に…
『病んだ羊、あるいは狡猾な羊』
ある日、マンションの一室に越してきたばかりの女性のもとに「知らない男が家の中にいる!」と助けを求めてきた隣人の女性。
その部屋から出てきた男性は、その女性の旦那だと言い張る。
妻は『妄想性人物誤認症候群』という病気で身近な人が偽物に入れ替わっていると思い込んでしまう病なのだという。
しかし、その女性の怯えようは尋常ではなく嘘をついている様子もない。
本当のことを言っているのはどちらなのか…
『不寛容な羊』
雪山で遭難しかけていた男が発見した一件の小屋。
そこには1人の老人と、娘ほども歳の離れた女が3人。そして幼い女児が1人…。
関係性の分からない人々を見ているうちに、これは老人による監禁事件なのではないかと疑い始める男。
探り始めるうちに意外な事実が…
『因果な羊』
17年前に、廃洋館で羊目の女を呼び出した過去がある女性達がまたもその地に足を踏み入れていた。
その一人の女性がこの廃洋館を買い取ると言い出す。
その理由は…
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前作『強欲な羊』から8年越しの続篇。
前作との繋がりもあるということで、あまり間隔を空けずに読んだ。
『強欲の羊』以上に巧みな連作短編集となっていて、全ての話の登場人物が緻密に繋がりあっていた。
自分の中では連作短編集と言えば伊坂幸太郎氏のイメージを抱いていたが、この『羊』シリーズはなんとも見事な連作となっていて美輪和音氏の筆力に脱帽。
ラストが気になる終わり方だったので、続編があるのか無いのか何とも言えないが、あれ��是非読みたいシリーズです。
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前作、強欲な羊と繋がってた。
ずっと積んでたけど読み始めると一気読み。
読みやすかった。
ラストはモヤッとする…
女性の負の感情が重たい1冊。
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強欲な羊のシリーズ。前作読んだ方が絶対良い、前作の人達が出てきてうわぁってなる。相変わらず羊達もその羊の影響を受けた人も皆怖い。やっぱ怖いのは生きている人間よなって再確認どころか魂に刷り込まれるような作品。
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前作「強欲な羊」はホラー要素強めだったけど、今作はサイコ・サスペンス強め。
「不寛容な羊」が凄く良い。
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轢き逃げや通り魔、火事などの動画をSNSにアップしたことで、「死の女神」と崇められて過激な動画投稿がやめられなくなってゆく女。家にいる男は夫ではないと怯える妻に困惑する隣人など、悪意に満ちた連作短編集。
前作『強欲な羊』に続くシリーズとのことで、前作の登場人物なども登場しているそうですが、なにぶん前作を読んだのがかなり前なのでいまいち記憶が曖昧です。やっぱり読み直してから読めばよかったかもしれない。いつも同じようなこと言ってますね。
前作を読んでおくとより面白いのでしょうが、一応こちらの一冊だけでも十分楽しめます。
ミステリでもありますが、どちらかというとサイコホラー。
いじめや狂愛、過剰な承認欲求など、様々な人の……特に女性の心の闇・恐ろしさが全五話の収録作品で十二分に楽しめます。
大人しく、従順、どちらかというと善の印象を抱かせる「羊」。その羊になぞらえられた女性たちがが見せる邪悪さは、そんなギャップもあり余計恐ろしく見えます。
個人的には、過激なSNS投稿に取りつかれた女性の話『炎上する羊』の、一歩間違ったらどこにでもありそうなメンタリティと承認欲求のリアルな感じが好きです。
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収録作品の『不寛容な羊』が好きだったな方にはこの本もおすすめ↓
『この闇と光』(角川文庫) /服部 まゆみ