電子書籍
ハマりたがる脳 「好き」の科学
著者 トム・ヴァンダービルト , 桃井 緑美子
私たちの「好み」はどのように決まるのか? 行動データから予測できるのか? Netflixへの取材や最新の心理学研究から解き明かす
ハマりたがる脳 「好き」の科学
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ハマりたがる脳 「好き」の科学 (ハヤカワ文庫 NF)
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紙の本
何故それを「好き」なのか。
2020/07/16 19:11
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ゲイリーゲイリー - この投稿者のレビュー一覧を見る
あなたの好きな本は何ですか?
好きなアーティストは?
好きな食べ物は?
今までこの手の質問を数多く受けてきた私たちにとって、これらは単なる質問ではなく
自らがどういう人間かを定義する役割となっている。
しかし、何故それらを好きなのかと聞かれると答えに窮するのではないだろうか。
本書は、私たちが普段何気なく感じている「好き」や「嫌い」といったものがどういうものなのかを、
心理学や社会学、哲学や脳科学などの様々な角度から紐解いていく。
本書で何よりも衝撃を受けた事実は、私たちがいかに自らの「好き」という感情に対して曖昧であるかということだ。
「好き」になった理由も分かっていないし、いつまで「好き」という感情が続くかも定かではない。
はたまた、「好き」という感情自体社会や周りの環境からの影響でいとも簡単に揺らいでしまう。
私たちがいかに「好き」、「嫌い」という感情を盲目的に絶対視しているかを痛感させられた。
またネットフリックスやアマゾンでのレビューを通して、我々が下す評価について触れている部分が特に興味深かった。
ネットフリックスが視聴者が好きだと言ったものではなく、視聴者が実際に見たものに注目した理由から
人は願望を基に評価するという結論を下していたのは考えさせられた。
結局のところ好みとは社会的比較に過ぎないのか。
単純接触効果や流暢性による恩恵に過ぎないのか。
好みに関する謎は今で完璧に解き明かされているわけではないが、本書を読むことで自らの感情に目を向けるきっかけとなることには違いない。
自らの感情だけでなく、他者の感情やネットでのレビューについても今まで以上に考えるようになるだろう。