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投稿者:なつめ - この投稿者のレビュー一覧を見る
会社での研修を、現場で実践して成果につなげる事例を具体的に紹介しています。やりっぱなしでは、時間の無駄になるとわかりました。
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今まで実証的な研究や、紹介した書籍が少なかった「研修転移」。
前半はこれまでの研修転移の知見を紹介してあります。
後半は実際の現場でどう生かされているのか、どのような仕組みを作っているのかが紹介されています。
研修をしている者にとっては、とても参考になる本です。
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序盤の先行研究の整理が非常に参考になった。後半の事例と座談会は本の分量を稼いでる感じ。ニコンの事例は上司インタビューと人脈マップの作成という面白い取り組みであり参考にしたい。
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中原先生の研修転移の本。
最初に理論的な部分を同氏が解説し、その後は6社の事例とコラム、座談会によって成り立っている。
聴講型の研修では効果は薄く、どうしたらより研修転移が促進できるかの実情をしれた。しかし、これを実践し続けるのはなかなかパワーがいるなぁ。
メモ
- 研修の定義
- 「組織の掲げる目標のために、仕事現場を離れた場所でメンバーの学習を組織化し、個人の行動変化・現場の変化を導くこと」
研修で学んだことを自分の業務にtransferすることが求められる
- 研修転移
- 研修で学んだことが仕事の現場で一般化され役立てられ、その効果が持続されること
「運ぶ」と「類似度」
近転移:学習内容と類似度が高い状況への転移
遠転移:学習内容と異なる状況への転移
研修評価の4レベル
1,反応:研修に対する印象(満足度、有用度、自己効力感)
2,学習:知識・技術の獲得(学習内容、獲得度)
3,行動:学習内容の転移、職場での行動変化(活用度)
4,成果:ビジネス上の影響(売上・利益、従業員満足度、退職率)
上記の2と3の間にコントロールの谷がある。
研修転移を促す2つのモデル
・転移プロセスモデル
・転移マトリックス
研修転移モデルへ
◆研修インプット
受講者の特徴:能力、性格、意欲
研修設計:学習原理、一連の流れ、研修内容
職場環境:支援、使用機会
◆研修のアウトプット
学習と保持
◆転移の状況
一般化と保持
上司の雰囲気の5段階
1,抑止的:研修の活用を禁止
2,やる気をそぐ:直接言わないが快く思ってない
3,中立的:特に何も言わない
4,奨励的:学んだ成果の活用を奨励している
5,要求的:学んだ内容を把握し、確実に仕事に転用させたい
研修転移促進策
◆受講者
(研修前)
事前課題:準備インプット
(研修中)
転移魂:類推する力
自己効力感
(研修後)
電話コーチングによる支援
◆研修
(研修前)
ニーズ分析:熟達者へのヒアリング
研修設計:転移促進要素の盛り込み
経営陣やマネージャーの巻き込み
(研修中)
双方向、学習者参加型
インストラクションスタイル
目標設定
(研修後)
自己学習:見直し復習
L3「行動変化」のリマインド
再トレーニング
◆職場
(研修前)
マネージャーによる支援:受講者との会話
研修参加目的の明確化
期待の声
(研修中)
職場メンバーの協力
(研修後)
活用機会の提供
マネージャーによる支援
同僚による支援
反転学習で研修転移がうまくいくポイント
→研修担当者が「自分で気づくこと」
→そのための環境をいかにして用意できるか
今後の課題はより効果的になるような「研修分析」をする
成功要因
・事前に知識を入れるコトで学ぶ準備ができた状態で研修を受ける
・研修時に情報を活用したグループ学習や協調学習ができる
��事前学習で学習者間のレベル合わせが可能
・確認とセットにすることで学習者の理解度、既有の知識を把握した上で研修が行えること
ヤマト
研修の位置付け
「ブロック長・支店長ペア研修」を通して、支店長経験が豊富なブロック長が新任支店長のメンター役となりマネジメント意識を醸成する
ポイント
1,ペア研修内に教える、教わる関係性の醸成ステップがある
2,事後アンケート、対面インタビューなどのアフターフォローがある
3,事前課題や研修内容がそのまま現場の問題解決につながる
(ブロック長の役割確認と指導方法学習)
1:ブロック長同士のディスカッション
2:ブロック長として自分のあるべき姿の模索
3,新支店長への教え方を学ぶ
4,ビジョンをいかに持ち、実現するか
(ペア研修)
1:新任支店長の悩みの共有、自店の課題確認
2,ペア研修をするためにお互いを知る(SPトランプ)
3,新任支店長にビジョンを描かせ、実現の施策を助言
研修づくりのポイント
1,現場に足を運んで得た情報を基に企画する
2,現場部門に参加者の行動変容への責任を持たせる
3,研修を職場ぐるみのOJTの場に変える
4,1年で完了する企画ではなく、3年を見据える
目次
◇総論:研修転移のメカニズム
第1章 研修転移の歴史、理論的枠組み、実践策
1.研修とは何か
1-1 個人の行動変化・現場の変化
1-2 「やりっぱなし」の研修
1-3 「研修転移」とは
2.研修評価
2-1 研修評価研究の歴史
2-2 「4レベル評価モデル」の提唱
2-3 研修転移研究
3.研修転移の実践
3-1 2つのモデル
3-2 研修でできること
3-3 職場でできること
3-4 受講者個人ができること
3-5 人材開発部門の責任範囲
第2章 研修転移の実践事例
1ファンケル(ファンケル大学の反転学習)
2ヤマト運輸(ブロック長と新任店長のペア研修)
3三井住友銀行(実践を組み込んだ研修プログラム)
4ニコン(新入社員の指導員研修)
5アズビル(旧山武ハネウェル eラーニング研修)
6ビームス(3年で一人前にする仕組み)
◇行動変容を促す仕組み・研修転移を妨げるX(研修担当者座談会)
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「研修」の本質をついた良書だと思います。
現場のニーズをくみ取って必要と判断した場合に、研修という形にしていくのがあるべき姿ですが、例えば「新入社員研修は必要だと思うから、3日くらい研修を組もう」と枠から入って後から内容を決めるような事も多々行われていると思う。(当社も少なからず同じような状態)
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研修で学んだことが現場で実践される、成果が生み出されることを研修転移という。
上司が、受講者が学んだ内容に関して理解し、それを実践できるように協力的であることが大切。
理論知と実践知
研修の定義とは「組織の掲げる目標のために、仕事現場を離れた場所でメンバーの学習を組織化し、個人の行動変化、現場の変化に導くこと。」
研修の成果は終わってから、経営などに与えたインパクトで測るべきである。
研修後にどのような行動の変化があったかを確認する。
→3日後とかに再度行動変容に関してアンケート?上司から見て、どのように変わったかのアンケートも取るようにする。
研修後の電話コーチング
研修の成果に効果的なことは、研修内容を一度実践させ、自分ができていないことを理解させてから行うようにする。
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ニコン事例がよかった。
メンターが事前に部門長に新人育成の方針を確認してチームで共有し、みんなで育てるという共通認識をもたせること。
理想の人材像を会社が立案、それにたいし従業員アンケートや対話をしてみたいとおもった。
会議体で研修ニーズの確認をすることで、主催側と現場のズレがふせげ、また設計段階から関わることで、現場も研修を重視するようになるのではないか。主催側も受講者が現場にかえり成果をだすまでのプロセスに気をくばり、意味のある研修をつくることが重要。
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企業の人材育成部門にとって研修の実施は「手段」であるべきであり、「目的」ではない。目的はあくまでも、研修で学んだことを研修受講者が現場で使って、かつ、成果をあげることである。学習者が実際に現場で使い、成果をあげることを研修転移と呼ぶ。
こう書いてしまうと、当たり前のように聞こえるが、企業の人材育成部門の担当者にとって、これは簡単な話ではない。
研修のニーズ・目的を設定し、それに沿って研修内容を設計する。実際に研修を実施してみて、受講者の学びの程度を確認し、改善すべき点があれば、研修の内容にフィードバックし、改善していく。
担当者の意識する範囲は、ここまでに限られることが多いし、実際には、こういうサイクルを回せていたら、かなり上出来、というのが実情ではないかと思う。
一方で、研修実施の目的は、あくまで現場での実践であり、実践を通じて実際に成果をあげることであると、気づいている企業も多い。
研修終了後、職場での実践課題を課し、数ヶ月後に課題の取り組みについて持ち寄り相互学習したり、また、その実践に上司を巻き込む研修設計も増えてきている気がする。
本書は「研修転移」について、(1)研修転移に関する理論の紹介(2)研修転移を実際に行っている企業の事例の紹介(3)5人の研修担当者の研修転移に関する工夫についての座談会という順番・形で学んでいく形式になっている。
どれも分かりやすく、示唆に富んだ内容。
企業の研修担当者、特に若い人に読んで欲しいと思う。
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研修でもっとも重要と言われる「移転」について絞って総括した本。最後の鈴木英智佳氏コラムに書かれている8点は非常に的を得ている。
1.参加者の現場を知る
2.「やれば出来る感」を高める
3.本人のWANTを問う
4.スモールステップを明確にする
5.逆戻り予防策を考える
6.行動を宣言させる
7.参加者同士を結び付ける
8.ハッピーエンドで終わる
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第1部 研修転移の歴史、理論的枠組み、実践策
1.研修とは何か?
1-1 個人の行動変化・現場の変化
1-2 「やりっぱなし」の研修
1-3 「研修転移」とは?
2.研修評価
2-1 研修評価研究の歴史
2-2 「4レベル評価モデル」の提唱
2-3 研修転移研究
3.研修転移の実践
3-1 2つのモデル
3-2 研修でできること
3-3 職場でできること
3-4 受講者個人ができること
3-5 人材開発部門の責任範囲
第2部 研修転移の実践事例
Case1:ファンケル
「反転学習」を軸とする究極の内製化研修が示した成果
Case2:ヤマト運輸
研修内容がそのまま現場の問題解決に直結する
ブロック長・支店長ペア研修
Case3:アズビル
テクノロジーを利用した研修リマインドが効果を上げる
Column:研修企画者の立場から見た研修転移の工夫 島村公俊
1.現場に足を運んで得た情報を基に企画する
2.現場部門に、参加者の行動変容への責任を持たせる
3.研修を、職場ぐるみのOJTの場に変える
4.1年で完了する企画でなく、3年先を見据えた企画にする
Case4:三井住友銀行
研修転移の要諦は実践を組み込んだ研修プログラムにあり
Case5:ニコン
新入社員の第一歩を見守る「指導員制度」が研修転移のカギ
Case6:ビームス
月1回、半年繰り返すOJT研修の面談の効果
第3部 研修転移を促すための働きかけ
〈座談会〉 研修転移のカギを握る「上司巻き込み」のノウハウ公開
1.「研修前」の上司の巻き込み
上司に強制力を働かせる
現場の課題とフィットさせる
上位方針と連動させる
2.「研修中」の上司の巻き込み
研修に集中できる環境をつくる
研修の一部に関わってもらう
研修の「前後」と紐づける
3.「研修後」の上司の巻き込み
上司と部下で並走させる
事後アンケートを活用する
人事の熱量を伝える
Column:研修転移を促す講師の働きかけ 鈴木英智佳
1.参加者の現場を知る
2.「やればできる感」を高める
3.本人のWANTを問う
4.スモールステップを明確にする
5.逆戻り予防策を考える
6.行動を宣言させる
7.参加者同士を結び付ける
8.ハッピーエンドで終わる
おわりに
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研修が如何に現場で活かされるか…これは研修の本質であり、永遠の課題でもあります。
企業内の限られた人事担当者(研修担当)のリソースでは、とりあえず研修を開催することだけで精一杯になっている現実も大いにあると思います。
そんな中でどのような取り組みが有効になるか、研究の知見と実践事例をもとに理解を深められる一冊です
研修に関わるビジネスパーソンには一読をお勧めします。