紙の本
布施京一を前に
2020/09/19 21:36
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投稿者:ドン・キホーテ - この投稿者のレビュー一覧を見る
今野敏の警察小説ならぬワイドショー小説の、しかもシリーズ第5作である。やや変わった趣向で登場したテレビのニュースショー付記者布施京一であった。このシリーズが5作も書かれるとは思わなかった。しかし、内容はたしかに面白い。ニュースショーがどのように制作されていくのか等、表には登場しない場面が多いからであろう。
今回は女性キャスターである香川が被害者であった。いつものように警視庁捜査一課の黒田と谷口のコンビが継続捜査で、捜査二課の同僚から助太刀を頼まれた。すると、IT業界の寵児が浮かび上がる。
今でこそ天下を睥睨する大物になりつつあったが、学生時代の昔はイベント企画者として活躍したという経歴である。黒田と谷口が継続捜査を担当していることもあり、随分過去の殺人、自殺などの古い事件が問題となってくる。
その過程でキャスターの香川が誘拐され、監禁されて番組に穴を開けてしまう。こういう場合にはどのように本番を乗り切るのか、そこにも読者の興味はある。男性キャスターだけでは負担が過重になるので、誰かが代役を務めることになる。意外な代役が指名される。
デスクの鳩村の立場も楽ではない。常に責任を持たされているからである。シリーズ五作目ともなると、少しずつ環境を変えていかねば読者に飽きられてしまう。布施のキャラクターは相変わらず顔が広く、皆を驚かせる。それはよく分かったが、今後は主人公である布施をもう一歩前に進めてもらいたいものだ。
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「スクープ」シリーズ第5弾
2020/11/21 20:42
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投稿者:neige - この投稿者のレビュー一覧を見る
継続捜査を担当する捜査一課特命捜査係の黒田は、二課の同期・多岐川から二十年前の大学生自殺について聞かされる。その死が、現役大物政治家の贈収賄と関わっている恐れがあるというのだ。聞き込みを行ううちに、黒田はこの事件を「ニュースイレブン」の報道記者・布施も追っていることを知る。いつもふらふらと飲み歩き、飄々としたスタンスで人間関係を築く布施に対して一目置く黒田。その布施の情報から、黒田は事件のカギとなる人物はITで財を成し、政界のフィクサーとして名を流す藤巻だと目算する。ときを同じくしてニュースイレブンの人気キャスター香山が突然失踪する。全く接点の見えない自殺と失踪。その背後にはテレビ業界や警察組織さえも迂闊に手を出せない、大きな闇が潜んでいた――。
記者×刑事の異色コンビが活躍する大人気「スクープ」シリーズ第5弾
今回も、布施記者の勘の良さというか、顔の広さというか、運の良さというか…。なんとなく事件解決となった感が。
もっとジリジリと犯人に近づくほうがドキドキがあったのではないだろうか?
布施の飄々とした人物像は好きだけれどね。
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遊軍TV記者の布施が活躍するスクープシリーズ第5弾。
著者の直前作の「黙示」がいまいちだったので懸念していましたが、このシリーズは安定した面白さでした。
いつものようにTV局の上司の鳩村と警視庁の黒田のペアの谷口の視点ですが、布施に対して依存していないし、敵対をしているわけでもないので中立でミスリードがなくていいと思います。
TV局と警察でのそれぞれの話に始まり、一つの事件に収束していく構成もうまいです。
事件の背景が大ごとのような感じだったのが思ったよりしょぼかったのもありといえばありですね。
ただ、これまでのシリーズから布施と飲み友達になる人に悪い奴はいないという流れになりそうです。
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スクープシリーズ 第5弾
「ニュースイレブン」打ち切りの噂が持ち上がる。
と同時に、IT業界の寵児・藤巻清治が、時代のフィクサーになることを宣言し、それを警察の黒田と谷口、布施が、20年前の自殺事件に端を発するサークルの闇を暴こうと動き出す。
ネットでの発言は政府やマスコミまでも忖度の渦に巻き込まれてしまうのか?
筋は読みやすく、やや奇をてらった終わり方でした。
結構好きなシリーズです。
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「スクープ」「ヘッドライン」「クローズアップ」「アンカー」に続くスクープシリーズの第5弾。
東京乃木坂のテレビ局TBN(TBSっぽい)の看板報道番組「ニュースイレブン」(ニュース23っぽい)の破天荒な記者・布施京一と警視庁捜査一課特命捜査対策室(いわゆる継続捜査)の巡査部長・黒田裕介、記者と刑事という異色のバディが繰り広げるこのシリーズは、報道と警察、両方の現場を一度に楽しめるいわば一粒で二度美味しいシリーズ。
飄々とした風貌ながら驚くほどの人脈を持ち、持ち前の嗅覚を生かしていつの間にか大スクープを手にする布施の魅力が今回も冴えわたり、彼と程よい距離を保ちながらも互いに信頼し合いいざという時は協力し合う黒田刑事。
今回の事件は20年前に起きた男の自殺と彼の所属したイベントサークル”SS”に絡む疑惑。SSの主宰者でIT長者の藤巻清治(〇リ〇モンっぽい)の関与が疑われるが、首相にも近い関係にある藤巻への忖度から捜査は極秘裏に行われる。事件の真相は?本当の黒幕は誰か?
正直、事件そのものはまあまあ。だけど、布施と黒田のやりとりとテレビ局の裏事情の面白さが魅力のこのシリーズは、止められないな~←今野さんのシリーズこんなのばっかり(笑)
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テーマは、忖度に情熱?テレビ局も警察も。既読感が強いが、勧善懲悪の水戸黄門ドラマと思えば、今野作品楽しく読めるだけで良いかな、、、。でも「焦眉」で言えば、藤巻逮捕だろ!
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20年前の大学生自殺と大物政治家の贈収賄との関係は? 報道番組の名物記者・布施と継続捜査担当の敏腕刑事・黒田が大きな闇に立ち向かう。異色コンビが活躍する「スクープ」シリーズ第5弾。
シリーズ5作目、キャラの立ったお馴染みの登場人物たちが展開するいつも通りテンポのいい作品だった。ただこれまでの作品と比べると、結末にいまひとつ切れ味が感じられなかったのは残念。
(B)
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10月-5。3.0点。
スクープシリーズ。スクープ打ち切りの噂が。出所は布施の知り合い、IT業社長t。総理とも繋がりがありそうな大物。番組の存亡は。
相変わらず報道小説ではなく、ほぼ警察小説。読みやすい。
そこそこのどんでん返しで、意外性有り。
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シリーズ第五弾。黒田と谷口は二十年前の大学生自殺の事案を洗いなおすことに。一方、TBNのほうはといえば、ニュースイレブンが打ち切りになるとの噂が飛び交い…。
黒田・谷口が追う事件とニュースイレブン打ち切りの噂はその発信源において接点があり、やがてキャスターである香山の拉致事件へと発展。
今回も刑事の一歩先をいく布施の活躍もあり、無事に香山を保護、刑事二人が追っていた二十年前の事件も解決。毎度のことながら事件解決につながる布施の人脈の広さには驚かされます。
それにしても、本作は主人公である布施の活躍より黒田・谷口の刑事二人が事件を追うシーンが多かったような気がします。毎度おなじみ布施と刑事二人のつかず離れずの距離感で事件の真相に迫る面白さは健在でしたが、ほとんど刑事ものともいえる一冊であったなと思います。
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シリアス過ぎない刑事推理モノなんだけどテレビ記者がゆる〜く活躍する。キチンとどんでん返しを用意してるのは流石。半分くらいで犯人が誰なのか予想しながら読んでほしい。
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特命捜査・黒田は二課の多岐川より20年前の大学生の自殺、それが現役大物政治家の贈収賄と関わりがあるのではないかと告げられる。報道記者・布施も同じことを追っていた。事件のカギはITで財を成し、政界のフィクサーとされる藤巻。政治家が絡む事件、二人は追えるのか。
布施の相変わらずクールな感じがいい。このシリーズだけでなく、ドロドロとか残虐すぎるとこないし、人柄、会話、やりとりが楽しみでならない。このシリーズについては、マスコミの実情とかわかり興味ひかれる。今回の誘拐はあんまり現実味がわかなかったけど。
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ちょっとこじつけ感が読み終わった後湧いてきた。犯人は誰か、無理やり読者を誘導し、最後に読者を欺く。今野作品で今まで感じなかった違和感が残った。
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このシリーズも好きです。
警察物でも緊張する事だけでなくて、それでもスイスイ読めます。
「ニュースイレブン」の記者、交友関係が広い布施が今回も活躍しています。
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安定のシリーズ。20年前の事件を再捜査することになったが香山が監禁されるということがなければ解決は難しかったような気がする。という意味では犯人がやりすぎて自滅した印象が拭えない。黒田は渋くてかっこいいぜ。布施が珍しく動揺していたとこは新鮮で良かった。
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読みやすく面白かったが、最後の最後で大どんでん返し。もう少し伏線があったりしたら、もっと面白かったかなぁと。
個人的感想。