紙の本
設定は好き。薄味で嫌味はない。続編に期待
2022/04/07 13:11
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投稿者:しょうちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
人工知能に人間らしさを加えるため、様々な謎(人間の心理)を解読していく…。
設定は面白そうだったんだけれど、人工知能に対する描写は少ないし、謎もあっさりしているので、SF小説的にも、ミステリ小説的にも薄味。
先生のキャラクターも、あまり好みではなかった。
せめて、キャラクターに味があれば、「日常のミステリ」として楽しめるのに…と、残念。
設定的には好きな感じだったので、最後まで読み通すことができました。
続編もあるようなので、そこではもうちょっとキャラクターの深堀りがあるのかな。
イヤな感じはしなかったので、これから先生の良いところがもっと出てくると信じて、続きも読みたいと思います。
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「あなたの不可解な謎を解き明かします。」
令王大学の准教授・名村詩朗は、人の行動の背景にある動機を解き明かし、心の動きをAIに学習させる事で進化させようとしていた。
勤めていた弁護士事務所が弁護士が高齢化に伴い閉鎖されてしまった鈴代若葉は、求人があった名村の元へ向かうが、何気ない動作が名村の興味を引き、助手として採用される…
喜怒哀楽が解らない名村と、好奇心旺盛の若葉のコンビが上手くマッチしていて良いコンビだと思います。
依頼された謎も、ささいな事から謎の真相へと導く名村の推理力と若葉の地道な捜査で解き明かすのがワクワクしました。
まだ始まったばかりのコンビなので、今後も期待しています。
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可もなく不可もなく、といったところでしょうか。大学で人工知能の研究をおこなっている名村のもとに助手として勤務することになった鈴代が、人工知能向上のための研究材料として「そのように行動した人のなぜ=動機」を探る、という設定。
読みやすい内容ではありましたが、キャラが際立っているわけではなく(感情というものを理解できない名村がちょっぴりキャラ立ちしているといえなくもないが)、すでに起きている出来事を探るという設定のためか、淡々を物語が進む印象。まぁ、ラストのお話しだけは事件性を含んだ事案だけに多少の盛り上がりを感じました。
謎解きといえばそうなのですが、伏線やヒントがちりばめられていて、読者にも”解く”楽しみがある内容かといえばそうではないので、自分で”解く”のが好きな人にはあまり楽しめない内容かもしれません。作中の登場人物に追いかけつつ謎がほどけてゆくのを読むのが楽しい人向きですかね。
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色々な謎に動機の観点から迫っていくミステリー。全ての行動に理由があるわけではないだろうけど、一見不可解に見える行動にも、その人の過去や考え方が潜んでいる。ミステリーはhowに行きがちで動機は二の次だったりするものが多いので、こういう視点も面白いです。
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感情を持たないと自認する准教授。彼は人工知能の研究をしており、その発展のために人間の心理を読み解くため、謎を集める必要があった。
その謎集めの要員として、大学に勤める事になったのだか、准教授は名探偵のような仮説を組立てる。
日常の謎的な話の短編集。
ちょっと地味なキャラだけど、今後が気になる。
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不可解な行動をおこした人間の動機を探るミステリー短編集。
理解できない行動の動機を探るのが人工知能の研究のためという設定が絶妙。本格ミステリーでいうホワイダニット(なぜ犯行に及んだのか)にあたる。だが、探偵役らしき准教授は推理を披露するわけではなく、推論を主人公に述べて調査してもらう形式がほとんど。ミステリーなんだけどミステリーっぽくない。
でもそれなりに面白かったし、名村准教授と若葉の関係もどうなっていくのか楽しみではある。続編も追っていくつもり。
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結論は分かっているけれど、そうなるに至った想いを解明するミステリというのは発想が面白かった。
想いだから正解かどうかは分からないこともある。
特に相手が亡くなっている場合は。
それでも、正解でなかったとしても、何かしらの答えを導き出せたのなら、残された人にとっては救いになるかもしれない。
まあこの話の場合は正解するパターンなんですけど。
しかも、明らかにしてはいけない事実も発覚する場合もあるんですけど。
そこはフィクションとはいえ容赦はない。
AIの研究のためとしながらも、実際は喜怒哀楽の感情を持てない准教授自身のための調査だったような気がする。
彼こそAIのように様々なパターンから察して、場を壊さないように表情を作っているだけで、実際の喜怒哀楽や恋愛感情を持ててはいないから。
この研究を通して、彼が少しでも自身の感情を持てるようになればいいなと思う。
助手の女性がこれまた結構有能で驚いた。
テンポの関係もあるだろうが、入手困難じゃないかと思える情報もかつてのコネと足で確実に入手してくるのは地味に凄い。
フットワークが軽いにも程がある。
本人は何も成果が得られなかったとか言っているが、いや十分じゃなかろうかと毎回思った。
コミュ力の高さのなせる業か。
自分では無理だ。
喜多先生らしく理系要素があちこちに登場するのもいい。
こちらも新しいシリーズとなるのだろうか?
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【収録作品】第一話 鈴代若葉は、なぜ名村詩朗の助手になったのか?/第二話 町田慎平は、なぜ山に登ったのか?/第三話 西脇由加里は、なぜ婚約を破棄したのか?/第四話 藤森紀雄は、なぜ息子に罪をなすりつけようとしたのか?
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人間は時として非合理的な行動をとるが、AIにはそれが理解できない。
その不可思議な部分を解き明かせれば、AIはさらに進化できるのではないか。
という理由から人間の行動にまつわる不可解な謎を調査するというもの。
設定が面白く、軽やかに読めてしまう。
ホワイダニット好きは楽しいはず。
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感情の表し方がわからずだからこそAI を進化させるために、人の心のなぜ?を解き明かしたい真面目な助教授。
特任助手として助教授に雇われた、真面目な事務職の女性。
非論理的な行動の具体例を集めるために、不可解な謎に挑む。
「鈴代若菜は、なぜ名村詩朗の助手になったのか?」
…二人の出会いと契約。若菜さんの祖母の遺した五振りの無銘の刀の謎。
「町田慎平は、なぜ山に登ったのか?」
…山に登った息子は事故で亡くなった。アウトドアの趣味が無かったはずなのに、彼はなぜ山に登ったのか。
「西脇友加里は、なぜ婚約を破棄したのか?」
…突然婚約者と恋人に別れを告げ、姿を消した女性。
「藤森紀雄は、なぜ息子に罪をなすりつけたのか?」
…穏やかな男性が7歳の息子に殺人事件の罪に関わったと証言したのか。
研究対象としての事件の取り扱いなので、どうも乾いたものを感じる。冷たいわけでは無いけど。
謎のどの部分が、どのようにミライのデータになっていったのかな!
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大学の准教授が人工知能(AI)を進化させるため、人の心の「なぜ」を解きあかそうと、特任助手とともに事件の不可解な謎に挑む連作。遺品の日本刀、登山中に事故死した青年、突然の婚約破棄…謎は次第に重くなり、最後の謎は殺人犯の「なぜ」だ。AIに感情を持たせることについての必要性はわかるが、そもそもこの准教授・名村自身が感情を理解できないのだ。そして必要があって隠されていたものを暴いた結果、当然苦いものも残る。 作成中のAI「ミライ」は可愛らしいが、感情を持ったAIは人間を超えそうで、想像のできない怖さも感じた。
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著者ならではの不思議な探偵でした。その成り立ちもスムーズに受け入れられるような物語の構成もよかったです。
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人工知能にインプットするために、いろいろな人間の事件の謎を准教授の名村と特任助手の若葉が探っていく4編の短編集。人間らしい人工知能を作り上げていくために様々な人間の反応を収集するというところに目を付けたミステリーというのが面白い。謎の行動の裏には思わぬ訳があったというのだが、こういう特殊な例に対する対応の仕方までAIにインプットしようというのだから、考えてみると気が遠くなる。人間のようにその場で判断するというのが、いったいどういうメカニズムなのか改めて考えさせられた。
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人工知能にインプットする為に、色々な不可解な動機を集め、解決していく物語。
感情が理解できない名村が、同じく感情の理解できない由加里が発した問い『私のような異常者に、生きる権利はあるのでしょうか』にこう答えた。
『二つ、誤解していますね。』『まず、あなたは異常者ではありません。人を好きになれないという体質を持っているだけです。』『それともう一つの誤解ですが、すべての人間に生きる権利があります。外見や内面がどうであれ、死刑に相当する罪を犯さない限り、寿命を全うして構わないんです。それが基本的なルールです。』
あらゆる場面で自分の中にこのフィルターを持っておきたい。自分は人と違うと苦しんでいる人は沢山いるはず。みんながこのフィルターを持って少しでも寛容な世の中になればいいなと思う。
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最初、人工知能のことを語る名村のところで脱落しかかったけど、2話から面白く読めた。やっぱりこの作者の本は化学絡みが面白い。