- カテゴリ:小学生
- 販売開始日: 2020/08/07
- 出版社: フレーベル館
- ISBN:978-4-577-03014-1
三羽の子ガラス
動物学者河合雅雄が長年に渡るフィールドワークの経験をもとに、大自然の中で繰り広げられる動物たちの姿を新たな発見と共に生き生きと描くシリーズ。第4巻は、カラスとツキノワグマ...
三羽の子ガラス
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商品説明
動物学者河合雅雄が長年に渡るフィールドワークの経験をもとに、大自然の中で繰り広げられる動物たちの姿を新たな発見と共に生き生きと描くシリーズ。第4巻は、カラスとツキノワグマを取り上げる。
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子ども向けだけというのはもったいない
2005/04/01 20:05
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:安之助 - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者の「草山万兎(くさやままと)」は、有名な動物学者の「河合雅雄」と同一人物である。本のタイトルに「河合雅雄の−」とあるのだから、なにも“ペンネーム”をつけるまでもないと思うのだが、推測するに、「草山万兎」という名は、著者の「こう、ありたい」との意思が、込められているのかもしれない。つまり、「草山」は研究の場である「フィールド(ワーク)」を表し、ワークのとしての対象は「万兎=すべて」、という意味なのだろう。
「万兎」という熟語自体は存在しない(少なくとも私は知らない)と思う。だが、「二兎を追う者−」という格言がある。それをもじっての“造語”なのか。それだと、二兎でダメなのだから、もっと多い万兎では、常識的には絶対に無理と考えるほうが自然だ。だが、ことわざでは「下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる」というのもある。著者の意図したのは、格言での「兎」を借りて、その実、「当たる」ということわざのほうだと思われる。
「動物記」というと『シートン動物記』を真っ先に連想する。乱暴な例え方をすれば、この本は『シートン−』の現代版だ。どちらも動物学者(シートンは博物学者)としての観察を基にして、野生の動物としての行動を分析した上で、書かれている。したがって、無理な脚色がない。動物行動学の知識に裏打ちされた、それら動物の想定される行動だからだ。
この本の題になった「三羽の子ガラス」は、東京のカラスの話である。日比谷公園で生まれた一腹の子ガラスが、徐々に行動範囲を広げ、皇居の森−銀座−上野公園(上野動物園)、あるものは代々木の森から渋谷へと移り住む。その間の、カラスの捕食や、さまざまな習性が描写され、わかりやすく生態を教えてくれる。
もう一本は、クマを主人公にした「きょうだいグマの復讐」だ。こちらは“脇役”の人間たちの、横糸に綾なしている人間模様めいたストーリーが少々あって、趣が異なる。どちらかというと私は、こちらのほうが好きである。
「−動物記4」というからには、これまでに3巻、出ているようだ。読む順番が違ってしまったが、いずれも独立した話なので、相互に影響はないはずだ。私はあらゆる動物に興味があるので、1〜3までを読んでみたいと思っている。