- 販売開始日: 2020/09/30
- 出版社: 裳華房
- ISBN:978-4-7853-1584-9
新装版 解析学概論
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新装版 解析学概論
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商品説明
※この電子書籍は固定レイアウト型で配信されております。固定レイアウト型は文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。
1965年の初版発行より(1982年の新版発行を経て)現在に至るまで、多くの読者から支持されてきた定評ある解析学の教科書『解析学概論』を、読みやすい文字づかい、魅力的な図版とともに“新装版”として刊行した。
◎理工学において必要とされる数学から4分科(微分方程式、ベクトル解析、複素数の関数、フーリエ級数・ラプラス変換)を選び出し、全体の見通しよく学べるように配慮。
◎数学として重要な定理の証明などは付録に収め、数学的にもしっかりとした知識が得られる。
◎線形微分方程式の解法、複素数の導入については、とくに丁寧に解説した。
目次
- 第I部 微分方程式
- 1.微分方程式
- 2.1階微分方程式
- 3.高階微分方程式
- 4.線形微分方程式
- 第II部 ベクトル解析
- 1.ベクトルの代数
- 2.ベクトルの微分と積分
- 3.曲線・曲面・運動
- 4.スカラー場・ベクトル場
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初学者や使用者向けだが厳密性も忘れていない本
2020/02/09 15:11
3人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:類太郎 - この投稿者のレビュー一覧を見る
多変数関数の微分積分の理解が前提だが, 微分方程式・ベクトル解析・複素関数・フーリエ級数・ラプラス変換の基礎を初歩からわかりやすく解説している. 例えば, 正則関数の定義(複素関数の微分の定義)をしたら, 微分可能性の同値な言い換えの定理を述べる前に, 正則関数は等角写像であることを図説と共に述べている. その後にも具体例と言える図と等角写像の章があり, 実在感が湧く. これは理論に偏重した本とは違うわかりやすさがある.
論理は必ずしも厳密ではないが, 必要最小限の内容が適度に直観的に書いてあり充実している. 多くの図説には助けられた. 時々ある物理学と関連づけた説明も理解しやすくしてくれる.
ていねいな語り口で読んでいる側が著者たちの世界へ引き込まれていく.
微分方程式の変数分離法については, 変形の根拠も明確に書いてある.
ベクトル解析では流体をよく例に挙げていて, 動機や意味がわかりやすい.
複素関数の積分は「複素リーマン和」により定義している. 「区分求積法」「リーマン和」から自然に発想したり理解できるもので, 初学者への配慮が, ここにもある. もちろん, そのすぐその後に, 複素関数の理論において最も簡単かつ実用的な定義も公式として記されている.
「大学1・2年生のためのすぐわかる数学」と同じく数学検定1級や編入の対策にも適しているかもしれない.
演習問題には良問の証明問題も多く, 複素関数の章ではε-論法も少しあり, 付録にある微分方程式の解の3つの一意存在定理とそのうち基本的なコーシー-リプシッツの定理の証明およびフーリエ級数の話は専門的な数学へとつながる. コーシー-リプシッツの定理の証明はあらゆる本の中で最もわかりやすい.
新装版になって数式や図がきれいになり見やすくなった. 特に立体図形の立体感が増した. 旧版は16, 17歳の頃はかなり読み込んだ思い出がある. いい本なのでこれからも読み継がれてほしい. (旧版も充分読めるレベルだが)
「解析学概論」と題されているほど数学的に難しくはない. だが読んで得られる物は多い.