0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:nap - この投稿者のレビュー一覧を見る
なんだ、これ。
設定は悪くないのに、全体の流れとかエピソードが、全くイケてない。
主人公の姉の件なんか、最悪。
案内役の女性が不慮の事故や事件で亡くなったら、どうなるんだろうね?
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:hamu - この投稿者のレビュー一覧を見る
怖いというよりは面白い感じの作品でした。表紙の雰囲気もコミカルだったので、違和感なく読むことができました。
投稿元:
レビューを見る
理不尽かつ不可避に村を消滅させる存在と、それによって運命を狂わされていく人々のお話。そもそもが理不尽なので、救いも解決もない。緩やかな極限におかれた中で、どう受け入れ、どう立ち向かうのかそんなお話でした。
投稿元:
レビューを見る
狸だし、森見さんが推してるし…と帯で購入。
最初は面白かったけどオチは…という気持ち。
狸に町が飲み込まれるという割に町の人が「そうなんだ」と諦めるのが早い辺りがナントモ。今どきの世相なんだろうか?と思ったり。そして、納得した後でそれもどうなの?と思ったり。理不尽な事を理不尽なままに受け入れて、受け入れられない人間が行動すると深みにはまる。なんだろう。軽い小説なんだけれども考えてみると結構テーマが重いなぁ。
信楽焼の狸が火を吐くってスゲーぐらいの感覚で読んだ方が良いのかもしれない。うん。
投稿元:
レビューを見る
とても面白かった。そして、じわっと背筋が凍る。さらっと読んでも面白いのだが、そこかしこにイニュエンドゥな示唆に富んでいて、色々と思考をほじくられまくる。読み手の好きな深度で読める感じか。設定が絶妙。本文中に語られない部分がまた、読みながら自動でいくつものパターンを想像していってしまう。のんびりとしたアポカリプトノベル、大変ビジュアル的でバイオレンスシーンもあるのに、何故か若年層にもレコマンドしてしまいそうな一冊。刺さる言葉も多い。
>「自治会長のとこにも、真岡先生のとこにも芳須先生のとこにも行ったけど、でも言うことは一緒。そういうもんやから諦めなさいって。昔からこの村に伝わってることやからよそもんの君にはわからんやろうしまあ大変やろうけど、この村はそうなるもんやと決まってたんや、やって」
マインドコントロールの怖さというか、ある意味洗脳のような感じで、思考停止の恐ろしさをつくづくと考える。
投稿元:
レビューを見る
そうか、こういうの、ファンタジーか。
妖怪話だけど、海外から見ればファンタジーなんだな。
でも帯に書いてる「ディストピア・ファンタジー」は嘘だろ。どこがディストピアやねん。
そして、フシギ系ファンタジーではなく、どちらかと言うとかなりのホラーだった。
グロいとかびっくりとかそういうのではなく、淡々と静かに、存在について考えてしまう怖さ。和風ホラーですねぇ。
そして、色々な点が説明ない系でもあるが、これこそまさに昔話というか民話というか、とにかく良い。
本屋で衝動買いして、帰りのマクドで1時間ほどで一気に読み終わってしまった。
姉がいなくなるときも怖いが、主人公が姉を襲った相手を角材3本が折れるまでボコボコにするのが一番怖かったかもしれない。一番怖いのは人間なんですねぇ。
いや、それは言い過ぎか。やはり姉の存在を少しずつ忘れていってしまうという表現がじわじわと、怖かった。
投稿元:
レビューを見る
権三郎狸の伝説通り、村が飲み込まれる事になった五月の物語。
主人公・はじめの視点で語られる出来事はふしぎとドライで、その分、混乱した人や事件は印象に残る。
“むかしばなし”の理不尽を突き付けられた時どんな混乱と諦念が広まるか思考実験みたいな読み味。
むかしばなしを聞くときの「そういうものかー」の受け止める感覚で読んだ。時折、生々しい欲や抵抗が出てくるのも「権三郎狸のルール」という理不尽で抑え込まれる。
「角材マン」の章でひとみが権三郎狸に呑まれる選択をするまでの流れにモヤモヤ…。でも、ひとみが被害にあったことではじめの苛烈さが浮かび上がり、その後のはじめのモチベーションとなり、物語の中盤~終盤へのブーストにはなっていた…。
平穏な山間部に住む中学生のGWが、まったりと始まった様子からは想像できない終幕な気もするし、ずっとまったり事態が進行していたので、まったり終わったと言われたらそうな気もする。
投稿元:
レビューを見る
本作の読みどころは、日常では「悪」と見做される行為が、日常が崩壊したそばから仕切りを失って主人公の行為に雪崩れ込んでくるところにあると私は感じた。淡々としているところが、逆に凄まじい。だから、主人公と一緒に、自分の倫理観も麻痺していく。報復、暴行、火付、殺人。つくづく、「善行」なんてものは、極めて条件付きの世界でしか航行できないやわな船なんだと思わされる。
ファンタジーノベル大賞は、私の中ではまだ信頼できる賞モノのひとつ。酒見賢一氏しかり、森見登美彦氏しかり。今回もいい感じ。読み手に媚びてない作品は、よい。含みの多さも大いに歓迎できる。地名の消滅、自治体の消滅、死の遠さ、余命宣告を受けた後の生、などなど。掘り下げポイントがさらーっと詰め込まれている。しかも、そういうのを気にしなくても、登美彦氏が言うように十分、読み応えがある作品。
ただ、帯に「ディストピア・ファンタジー」ってあったけど、ディストピア?なのか??そこは何とも言えない。
投稿元:
レビューを見る
面白かった。
残り1ヶ月と分かってする行動は人それぞれだなと思った。私なら何をするかな。
信楽焼の狸について何も知ら無かったことに気づいた。
投稿元:
レビューを見る
物語の端々で、想像が膨らむ。
「この後って、」「この言葉って…」と読む人によって色んなお話が出来上がりそうです。
終わりに向けて、どんどん加速していくお話でした。
投稿元:
レビューを見る
あっさりと読めるが、記憶に残る作品。祖父から聞かされた昔話が導入で示されるが、それがリアルです。
「あとひと月で死ぬ」そう予告された村人が死を受け入れている様子が、リアリティに欠けると思いますが、村外出身の人達の取り乱す描写が、主人公が抱いた感想に通じるこの村の異質性、そして村と外の世界が違うということを表現しているような気がしました。
特にあちこちに信楽焼のたぬき置物が隣町には置いてある描写。「逃げられない」というのは、この信楽焼たぬきの置物が監視しているから?何故これを置くんだという主人公の指摘に、はっとした。もしかしたら、他の世界には、私たちが伝承で恐れている化け物、妖がマスコットのような置物として定着しているようなそんな少しの恐怖と妄想が湧きます笑
見せ場という最大の盛り上がりは微妙でした…。
投稿元:
レビューを見る
あと一か月で村ごと死ぬことが決まった人々は・・・
というお話。
設定からしてものすごく暴力的ですが、どこかコミカル、ときどきファンタジック、全体を覆うホラーなカンジが面白かったです。
ズバっとネタバレしてるわけではないんですが、死ぬこととか生きることとかについて、人様におしらせするようなものでもない気がするけど、この本を読んで考えてしまったので書いてしまいます。
あ、でもやっぱネタバレしてますね。あはは。
なので、この先はうっかり読んでしまわれませんように、どうぞ。
信楽焼の狸にそっくりなバケモノと綺麗な女の人がやってきて、一か月後に村全体を丸呑みにするという。
その時点で村にいた人は全員対象になるという。
逃れることはできないという。
呑まれるときは痛くないし、かかわった人々の記憶からも消されるという。
このルールを知った時点で考えたことは「なにそれ、ステキ」でした。
そんな風に生きることをやめられるならラッキーだと。
痛くないし、悲しませることもなく、迷惑もかけない。
お話の中の人々はそんな風に考えているわけじゃないけど、多くが「あららー、マジかー」「来ちゃったかー」くらいの衝撃しか受けてない。まずそこに違和感。
あと一ヶ月で死ぬのだから学校も行かないし、もちろん宿題も提出しないし、蓄財もバーベキューで使ってしまうし、やってはいけないとわかっていることもやる。これには理解。
主人公も最初そんな感じなのですが、ある転機によって記憶を失いたくないと思い、生き延びようと決意する。
しかし、「覚えている」ために生き延びるって何なんでしょう。「ちゃんと覚えていればなかったことにならない」って何なんでしょう。
疎かにしていいこととは思っていないけど、それが生き延びる理由になるのか?わたしにとってはそんなの生きる理由になり得ない。
といってじゃぁオマエの生きる意味はなんなのだと問われれば「死なないからだ」と答えるしかない。
死なない以上生き続けるわけで、生きるのなら少しでも快適に生きたいから、仕事してお金も稼ぐし、愛想笑いもすれば、他人に親切にすることもあるし、自分の意見を通すためにケンカもするのだ。
まぁ、同調はできないが「そういうのもあるかな」と呑み込めたことと、全体的に飄々とした感じがツボだったので、面白かった。
投稿元:
レビューを見る
2、3回読んだけど何度読んでも面白い。終わりに向かって、村人それぞれがいろんなふうに壊れていくのが面白い。終わり方が、そんなにハッピーじゃないのもいい。
投稿元:
レビューを見る
女子中学生が主人公で文体は軽い印象だが、舞台は陸の孤島というべき山村、独自の民話にまつわる事件と、じんわり怖さが増してくる。解説の森見登美彦による読み解きも面白い。
札幌弘栄堂書店にて手書きポップ付きで平積みされていた。出版社の販促ではなく、書店オリジナルのプッシュは読書心をくすぐる。書店員が実際に読んで惚れ込んでおススメしているのがわかるから。結果、大正解。
投稿元:
レビューを見る
1ヶ月後に隕石が落ちて地球滅亡でもなく、病気で余命1ヶ月でもなく、狸に呑み込まれ村が焼かれるまで1ヶ月。言い伝えがあるにしても素直に受け入れすぎなのが奇妙。呪いのせいでもなく、そこが選ばれる理由もわからないのに…。主人公の場合は姉を忘れないために積極的に動くが、単なるパニックものでないところが面白い。映像化できそうだけど、リアルに信楽焼の狸出てきたら怖いからアニメが良い。